連作短歌「失恋日和」

連作短歌「失恋日和」

森田玲花

真っ白に輝く陶器の左手が私に伸びていく蜘蛛の糸だ

カーテンの隙間から降るやかましいネオンが照らす埃のダンス

不動の二番にしてね? いつだって電話が鳴ればそこは楽園

好きだとか愛してるとか言う前にもんじゃ焼いてよ わかっているから

コンビニのついで買いと同じくらい「今夜空いてる?」は気楽にお願い

中央のベッドはスポットライト付き 裸体の点検作業に最適

指先を裂いた紙切れに残る惰性さえも砂利と化した

チャーシューじゃなくて喉を食いちぎり愛欲引き摺り出せよ犬歯

はじまりがなければ全部フィクションでおわりもなければiもないよね

普通すら望めないまま夜が来る モーゼは渋谷で何を思うか

許したい、許してほしい、許せない。判決を待つ砂場の淵で


-----------

この短歌は小説「あなたは砂場でマルボロを」を基に作られた連作です。
BCCKSをはじめ、各種電子書籍媒体で購入できます。

#短歌 #tanka #NovelJam #あなたは砂場でマルボロを

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
森田玲花

いただいたお金は、美味しいお酒と新しい本に使い、書くためのエネルギーにしたいと思います。

森田玲花
1992生の詩人(仮)。職業コピーライター。 短歌・エッセイ・小説・戯曲も執筆。詩歌ユニットは「眠い森林」。 お問い合わせはTwitterまたはmrtriksty@gmail.comへ。 貴方の心に致命傷を与えたい。 https://aboutmrtrik.tumblr.com