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森田玲花
2023年8月16日 02:31
叶わないから恋はちょうどいいのです柘榴の実がはじけるようくらいのでっぷり太った色欲まみれのわたしが両手からあふれて落ちていきます好きになったら負けなのです愛してしまえば許さざるえませんいくらさみしくて手を伸ばしても彼らは全部を拒むでしょうそうしてわたしは種を蒔きます忘れないようにひとつずつ植えますその花が咲く頃にまた思い出しこころの傷を花びらでなぞります叶わないから恋はちょ
2023年7月19日 01:56
都合よく消費されることばかりだ出会った時に大体が決まってしまう誰にも嫌われたくないから否定もしなければ肯定もしないばかりに私のパッケージがやさしさとちょろさだとつけいられていることは重々わかる結果、表面張力いっぱいまで貯めて違うが一気に溢れ出した瞬間に相手もnot for meだと気づき手のひらを返して離れていってしまう(プレイボールの合図で飲み干す言葉の純度はウォッカと同
2023年7月6日 01:25
愛している一緒にいて結婚しようありのままでいいよでも、好きとは言わない魔法使いは私が欲しかった言葉の靴を差し出してくるサイズがぴったりかはわからない合えばいいとは思うけどその靴を履くには旬が遅すぎるヒールは女のプライドだしビーフは男の矜持だしどっちを取っても捨ててもどうもやっぱりは私は立ち止まる眠れない夜をココアに溶かしてブランデーの涙を一滴ずつ垂らす欲しいのが心
2023年7月2日 00:40
空が飛べない分、泥水を啜った27クラブに入会もできなかったしそもそも凡人なのもとっくにわかっていたそれでも、特別な何かになりたくてたくさん勉強して真面目に書いた言われなくても早出残業して誰よりも正しくあろうとしたけど結局のところ、私は女でしかなくて出世もできなければ結婚出産で定義され人として生きようとしても女であり続けることしかできず結果として女である蜜を舐めることがこの世
2023年6月29日 12:34
私は恋でできている安定が欲しいと嘆きながらもときめきを摂取しないと生きていけない経血は甘ったるい罠で不定期営業去ってしまった男たちの影を数えては勝手に傷ついて悦に浸っている人生全部タイミングな訳で欲しいものだらけでやっていけない無償の愛が欲しいのは心の隙間を埋める長い棒を待っているから毛穴という毛穴から全部世の中にあふれるやさしさを滲ませたいそして、誰かを包み込める毛布
2023年6月26日 02:54
月はまばたきしていてようやくわかる頃には私は歳を重ねすぎたのだカウントダウンをエイトロックで鏡越しの自分はどこだ今日も眠剤をミンティア代わりに酒で流しては眠れないまま愛してるよりも愛したいもうすぐ夜明けと溶けていく追い越した背中を眺めている思っていたより重症だ今ならわかるじゃ遅すぎた背負った十字架は捨てられない愛されたいガールは終わりでもいつまでたっても甘ったれ
2023年6月19日 01:23
深夜の電話越しだからだストゼロとマルボロ片手に話すともう二度と会うことのない彼が現れてわたしと結婚しようと誘う彼とはかつて恋仲に近いようなお互いの利害的さみしさでだけつながっていたそのうちにわたしの比重が大きくなりそして 彼の彼女が死んで全部終わった彼は酔うと舌ったらずになってもう歩けないと言って電話をしてきたその電話がいつになるかはわからないが、わたしはずっと待っていた
2023年6月13日 04:10
隣で寝息が積もる中、私はひとり煙草を吸うねむたさと同居する白んだ空はなんでもいいよと許してくれるが体温を交換することもできず心に捻り潰した煙草の消し跡みたいな穴がたくさん開いていくばかりだ自立した人になりたかった誰にも頼らずまっすぐ立てる薬もいらなくていつでも羽ばたける元気でかわいい普通の女の子でいたかった現実は薬と酒まみれでずっと吐いてる機嫌すら依存してまともにできな
2023年6月10日 18:26
たったひとりのために生きると誓い合って祝詞をあげる健やかなる時も 病める時も支え合って生きていくことそれは美徳であり、破綻する舟であるいちばんちいさな呪いは愛することであることなのだ愛しましょうね、どこまでも地獄の底まで連れていってたったひとりのために生きると誓い合ったはずなのに私はカレーだけ食べるのではなくたくさんのものが食べたくて仕方ないチョコも中華もスパイスもた
2021年8月10日 20:28
いつまでも勝手に私の言葉で死んでくれる貴方でいてね。作品の中でだけ、永続的に生き続けられるから。忘れないで、言葉にしてよ。そしたら貴方が、世界が、私自身がぜんぶ消滅してしまっても、化石になって歴史的価値になりうるかもしれないから。コストを支払っても永続的に女であると、切り貼りした心臓の奥に刻印されてしまった時から、賞味期限/消費期限のカウンドダウンは始まっている。どうあがいたって、所詮はオスメ
2021年8月6日 19:50
当たり前に好きになって当たり前に結婚をして当たり前に子供を産んで当たり前に幸せになって当たり前に死んでいくそういう人生設計の元でわたしは生きている誰かのためにやさしくなって傷ついて傷つけてそれでも 一つになりたいからやさしくなってつつみこんで死にたいのに死ねないから両足でちゃんと立つために酒を飲んだ煙草を吸った股を開いてセックスしたひとりで朝を迎えた当たり前
2019年3月4日 22:45
ぐらぐら沸く眠気の中、縦じわが目立つ爪にちょっとだけ届かない夜をマニキュアで重ね塗りした泣かなくても欠けやしないと、気づいてしまったからもう一人のわたしがしんだ箸使いの綺麗さが基準檸檬の橋の向こうに立つ笑顔が飛んだら 街が溶ける #詩 #20190304
2019年3月2日 23:29
吸って吐いて、また吸って。永遠に凍結されていく青春の軌跡をなぞることで、私たちはみんな大人になっていく。曖昧な青色の夕暮れの行方を、三口コンロのように簡単な着火と捉えてはいけない。沸かした湯の中で泳いでいく明日が来る前に、どうか、忘れていく誰かの役割を静かに、静かに、数えたら春だ。 #詩 #20190302
2018年7月1日 23:35
溜まっていく音がする罪悪感より甘ったるくていくらでも生ぬるいスカートの下で笑ってるままほどけていくのを見つめてる本当はやめたいのに気持ちよくて止まらないアルコールでほどけていく純情さがほしかった 既視感だらけのベッドルームに朝日が差し込んで魔法が解ける #詩 #20180701