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【母子留学はここに注意】賃貸住宅/インター校の「デポジット返金」トラブル【前編】


💰母子留学は立場が弱い


留学生とその保護者、という立場は、外国においてかなり弱いのだなあ、と教育移住をしていて度々感じることがあります。身の回りの体験談としても、さまざまなニュースや制度でも、そう感じることああります。今日はそんなお話です。

多民族国家であるマレーシアやカナダ。
人々は優しくおおらかで、不完全であることに寛容。地域にも人にもよりますが、多くの人が不完全な英語にも耳を傾けてくれて、助けの手を差し伸べてくれます。

特にマレーシアの人はオープンマインドで付き合いやすい隣人です。
ですが、ことお金が絡むと、「お友達」ではなく利害関係者になりますから、この限りではありません。それはどこの国でも同じなのではないでしょうか。

留学生は「数年でこの国からいなくなる人」というポジションですから、場合によっては軽く扱われがちです。そのような状況で実際に大きな損害を被る可能性があるのが、「デポジット返金トラブル」問題です。

賃貸住宅のデポジット(敷金)、インターナショナルスクールのデポジットについて実際に体験したり聞いたりした話をシェアします。


💰デポジットの返金は「条件付き」


マレーシアに関わらず、コンドミニアムを借りる最初の契約のときにデポジットを支払います。これは、器物破損や家賃の未払いがあった場合備えて貸主側に預ける金額で、日本でいう敷金です。

ちなみに、基本的にマレーシアの賃貸物件は「1年契約」です。途中解約の場合は2か月分の家賃を支払うなどのペナルティがあります。更新も1年ごとである場合が多いので、1年契約の次もまた1年です。
もし転居や本帰国などで年の途中で解約したい場合は(例えば更新が9月で退去したいのが6月などという場合)、更新契約前にその旨を交渉・合意をして契約書に追記しておくことをおすすめします。

また、マレーシアのインターナショナルスクールでは入学時に「デポジット」を支払うことが一般的です。
だいたい1学期分の学費相当額を支払い、退学時か卒業時に全額返金されますが、返金されるためには「退学の1学期前までに書面で通知」などの条件があることが一般的で、「現在の学期末で退学しよう」と急な退学を決めると返金がなされない、ということになります。

先生が変わって授業の質が落ちた、いじめ被害にあっている、何らかの理由で学校の居心地が悪くなった、などの場合で「もう学校を移ろう・辞めよう」と思っても、このデポジットの存在で二の足を踏んでしまうケースも聞きます。数十万円という金額ですから、小さくありません。

マレーシアでは自由に転校できる、といいますが、転校を考えているならデポジットの対策(ここに書くのは憚られるので具体策は書きませんが)をとっておくことをおすすめします。


💰返金要求が無視されることも


やっかいなのは、インターナショナルスクールを退学してデポジットの返金を求めるときや、コンドミニアムを退去して敷金の返還を求めるときというのは、「もうその場にいない状態」で自分が「相手のビジネスにとって無用な人」になった後で行う手続きである、ということです。

特に本帰国などで出国して「もうマレーシア国内にいない」とみなされると、返金を求めてものらりくらりとたらいまわしにされたり、連絡を無視されたりしてこちらが諦めるのを待っている態度をとられることがあります。

「日本人は強く文句を言ってこないから」と。

(インターナショナルスクールの場合は規定に沿っている以上そんなことはないでしょうが、少し前はこの手のトラブルもあったようです。
ちなみにマレーシア以外の国ですが、知人が返金請求の真っ最中です)

今まで親切にしてくれたオーナーだから。
きちんとした学校法人だから。

と思って信頼していても、黙っていてはお金は返ってこないのは「海外あるある」です。


💰「事前に対策できること」はあるのか


そのような「ディポジット返金トラブル」が海外では「あるある」だ、とわかっていても、残念ながら事前にできる対策はあまりありません。

不動産も学校も、こちらが「ここに入居したい」「ここに入学したい」と思って契約するものであり、その時点で彼らにとってこちらは「これから大きな利益をもたらしてくれるお客さん」になりますから、その時点ではみんな親切だからです。お金を払う前はみな、いいことしか言いません(何らかの条件を交渉するなら、お金を払う前です)。

また、入りづらいと思っていた学校が試験をパスさせてくれたとか、他の入居希望者と取り合いになるような優良物件などであれば、こちらからお願いして入れていただく、というスタンスにもなり退学・退去するときのことまでごちゃごちゃいっていられない、という状況もあるでしょう(聞いたとしてもいいことだけ言われるか、支払い期日が過ぎるまでサラッとスルーされたりします)。

事前にできる対策としては「なるべく信用できる相手とやりとりする」ことですが、上記のとおり「契約前はいい人」であるケースが多いですから、その感覚もあまりあてになりません。せいぜい、個人より法人と契約をする、違和感のあるエージェントは通さない、くらいのことに気を付けることしかできません。

法人であっても大企業ではなく中小企業ならあとから手のひらを返してくることはわりとありますし、教育移住でコンドを借りる際に関わるような不動産会社やエージェント、オーナーはたいていの場合大企業ではないでしょう。こうなるともう、担当者次第、運次第です。

入居中にオーナーや中間の不動産会社と良好な関係を保っておくのも大切なことではありますが、お金を払っている間は友好的だったのに退去すると決まったらコロッと手のひらを返されたと、いうも知っているだけになんとも言えません。
家賃の値下げ交渉をしたことでへそを曲げられたとか、こちらが威圧的な態度を取ったらあちらもとても態度を硬化させた、などという話も。


後編記事に続きます。
後編記事の見出しは、

💰最終的には返金されるけど…

💰早期に解決をはかるには

になります。

返金問題、後ろ向きな作業すぎて、ハマるとなかなかやっかいです。
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