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客の作法

米国は11月の第4木曜日がサンクスギビングで祝日となり、職場によってはその前後もお休みになることも多く、長い週末となる。

私のホリデーはだいたい夫の家族と集まってターキーなど食べるのが恒例だが、日本から姉夫婦が遊びに来ることになり、今年は義家族との集まりはスキップして、姉夫婦と私達夫婦4人とうちのわんこ様1匹で過ごすことになった。

10時間もかけて海を渡ってくるというのに、姉夫婦はたったの4泊5日しか滞在できないという。旦那さんの仕事が忙しいようだ。私の同僚に話すと「それだけしかいられないの!?もっと長くいられたらいいのにねぇ」と言うが、日本で働く人なら(外資系など一部を除いて)新婚旅行でも1週間くらいしか休まないだろうし、普通の感覚なのかもしれない。短い滞在時間で北カリフォルニアを楽しんでもらうよう計画を立てた。到着日のサンクスギビングは我が家で手作りサンクスギビングディナーを食べて、翌日からサンフランシスコ観光、ツリーファームで選んだクリスマスツリーを一緒に切ったり、ナパバレーのワイナリー巡り、シューティング・レンジで射撃体験などを案内して回った。

短い滞在の間、姉は何かと「何か手伝おうか」「そんなことしなくていいよ」「大変だったね、そんなことしなくていいのに」「運転疲れたでしょう」「え、いいよ、自分でやるよ」と連発し、どっちが客だかわからない。単純に、人に何かしてもらうことに慣れていないのだと思うが、思わず「客は客らしくしてくれ」と洩らす私。客として招かれても、人にできるだけ煩わしいことをさせまいと振る舞うのは、礼儀正しいことではあるが、客らしく安心してもてなされるのもまた、客として必要な作法であると感じた。しかしながら、海外旅行に来てホテルでなく家族であってもよその家に寝泊まりするのは気を遣うものだと言うのはわかる。横柄な態度であれこれ注文し、「してもらって当然」みたに振る舞うような人なら実姉と言え、そもそも自宅に呼んでないかもしれない。

明日から私は仕事。平常運行に戻るのが気が重いがクリスマスまで3週間と自分に言い聞かせる。

写真は姉たちをサンフランシスコ観光へ連れていった帰り、雨が降り出し虹がかかった時の様子です。

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