父とお寿司

なんでもない日常だけどなんとなく残しておきたいなと思ったのでブログを開いた。

たまったま様々な事情や都合が重なって、夜ご飯を父と二人で食べることになった。

別にそれ自体は昔からたまにあることだし、特別深い意味もない。

だけど何となく書き留めたくなったのだ。


梅雨時で天気も不安定、家でご飯を食べる予定だった。

雨が止めば外食に行こうと父からの誘い。

寿司か居酒屋のどちらかにいこう。

正直、どっちでもいい。

ボクは優柔不断だからだ。

あと、警報が出るレベルの大雨且つ暴風だ。

家ご飯間違いなしだろっていう。

そんなこんなしてる間に、夕方に。

なぜか降り止む雨に、吹き止む風。

外食が決定した。

急いで着替えて、父に連絡する。

居酒屋で。

と言いつつ、3分後に。

やっぱ寿司で。

何となく寿司の方がいいなと思った。

だって社会に出たら寿司を食べる機会が増えるらしいから?

待ち合わせをしたら普通にいた。

当たり前だ。

しかしこう待ち合わせをして、どこかへ行こうなんてのは久し振りな気がした。

そしてお店へ向かう。

立ち飲み屋があったり、マッサージ屋があったり、行くまでには様々なお店があった。

寿司屋に到着した。

どちらかというと大衆向けの寿司屋さん。

ただし、回るタイプではない。

これはどういうシステムなんかね?

少し声高らかに父が店員さんに質問をする。

いつもそうだ。

店員さんや荷物の受け取り、電話をする時に父はいつもより声高らかに話す。

それを聞くたびに、なんとも言えない気持ちになる。

シンプルにボクが人と話すのが苦手なだけではある。

昔から声を発するのは苦手である。

そしてメニューを選ぶ。

無論、外食も苦手なので中々決まらない。

何食べたいんや?

そういう時は決まってこう言う。

変わったもんで。

そして見つけた変わった食べ物。

あとは手羽先、お寿司のセット、ビールなど。

届いたビールと見たことのない食べ物。

まずは父とビールで乾杯。

これ、実は初めてだった気がする。

成人になって、外食で父と酒を飲むってことが。

気のせいか何となく、父がニヤニヤしていた。

喜んでいるのだろうか。

そんなことを思いながら、つられてニヤけないように、例の食べ物へと箸をすすめる。

一口食べた瞬間。

生グセエ。。。

イカの肝の凍ったやつだった。

塩辛のイカ抜きみたいなやつ。

正式名をルイベという。

生臭すぎるのと、我慢していたニヤニヤが爆発して、笑ってしまった。

父の前で笑うのは何となく恥ずかしい。

けどなんかもう何とも言えない気持ちで笑った。

全部、イカのせいだ。

そこからは色々と喋った。

春からの話(これはまた詳しく書こう)、農業をどうするか(実は農地を持っている)、などといつ振りかにいっぱい話をした。

別になんてことのないひと時だった。

だけど、なんとなく久し振りな感覚を覚えた。

ボクは基本的に家では口を開かないし、開いても口があまり開いていないから声量がない。

つまり、ちゃんと会話にならない。

別に話すのが嫌とかそういう訳ではないが、昔から無口だったことの名残だ。

帰り道、父が聞いてきた。

次はいつ食べに行くか?

どうやらまた一緒に食べたいようだ。

火曜か水曜かな。言うて来月からテストやけどな。

一応、伝える。

そうか、まぁまた二人で行く機会ができたら行くか。

少しだけ小っ恥ずかしいけど、確かにこういう時間って貴重だし大事にしたいなぁと思いつつ。

また時間があったらで。

なんて照れ隠しをしながら伝えるボクである。

その日から、家ではいつもより口を少しだけ開いて喋っている。

別に深い意味はない。

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