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解説!mRNAの魅力とCDMO事業

はじめまして。ARCALISです。

当社は、「メッセンジャーRNA医薬品・ワクチン」に特化した製法開発と製造の受託事業に取り組んでいます。

メッセンジャーRNA医薬品・ワクチン」は、これまでにない医薬品カテゴリーとなります。

私たちは5月27日の記者会見でこの大きな挑戦について発表し、多くの皆さんから注目を頂きました。

参考:オンライン記者会見の様子

当社の屋台骨を一緒に作っていく仲間を募集したく、note proを通じて情報を発信していこうと思います。

まず、ARCALISが取り組んでいる、「CDMO事業」「メッセンジャーRNA医薬品・ワクチン」について解説していきましょう!!


【CDMOとは?】

CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization) とは、医薬品業界における事業体の一種です。大手の製薬企業やバイオ医薬品開発企業ほどの認知度はないものの、医薬品の開発と供給に重要な役割を果たしています。

たとえば皆さんがご存じのiPhoneはApple社がデザイン、開発を行っていますが、実際の製造は台湾の鴻海精密工業が行っています。CDMO事業は、この鴻海精密工業のポジションにあたります。

つまり、製薬企業やバイオ医薬品開発企業が設計した医薬品候補や承認薬の製造方法の開発・商業製造を担当し、安定した品質の医薬品供給を保証するのが当社の果たす役割なのです。

ARCALISは多くの医薬品開発企業様、製薬企業様のメッセンジャーRNA医薬品・ワクチンの開発製造を通じて、世界の人々の健康維持や病気の克服に貢献することを目標に掲げています。

【メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン・医薬品とは何か?】

次に、「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン・医薬品」について解説します。

「メッセンジャーRNA(mRNA)」とは、DNAに保存されている遺伝子情報から必要な情報を読み取り、それを元に実際にタンパク質を発現させる機能を持つ物質です。私達の細胞の中でもmRNAを元にタンパク質を作る機能が備わっています。 

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新型コロナウイルスのワクチン開発でも、このmRNAを元にした製品が緊急承認を得ています。

世界で初めて新型コロナウイルスワクチンの承認を受けたBNT162b2は、2021年に26億ドル(約2,860億円)もの売上が予測されています。

医薬品やワクチンの形態には、化学合成で作られる小さな分子から細胞に至るまで、様々なものがあります。この形態(種類といってもいいです)のことを「モダリティ」と呼びます。

mRNAはこれまで医薬品やワクチンとして承認を受けたことのない「完全に新しい」モダリティです。

例えるならば、音楽のヒットチャートにこれまでのカテゴリの枠を超えた音楽性を持つ大型新人が現れたような状況と言えます。

…伝わりましたでしょうか?


【メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの特徴 】

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ウイルスそのものを利用する従来型のワクチンでは、感染性の有無の確認が必要となります。

またウイルスのたんぱく質の一部を利用するワクチンの場合、微生物や細胞を用いた生産が必要になるため、生産工程での厳密な管理が必要となります。

そのため、ワクチン開発には数年から数十年という長い時間がかかり、また多額のコストが必要でした

今回、新型コロナウイルスの遺伝子配列の発見報告からワクチンの開発までにかかった時間はわずか一年。緊急時の使用許可(Emergency Use Authorization)とはいえ、驚くべきスピードです。

【なぜ一年という速さで開発できたのか?】

理由は大きく2つあります。


1. 別の疾患への用途でmRNA原薬と脂質ナノパーティクル(LNP)製剤生産技術が開発されていた

2. 原薬生産に生細胞を利用しないので開発、生産、出荷検査が効率的に行えた


また、従来型ワクチンに比べ、以下に示す安全面で多くの利点があることも、開発企業がリスクをとって進められた要因でした。

mRNAワクチンはウイルス抗原を符号化した遺伝子情報を運びますが、宿主細胞の遺伝子に組み込まれたり、DNAに作用したりすることはないため、宿主となる細胞に変異リスクがないこと。

◆mRNAワクチンにはウイルス粒子の情報がないため、mRNAワクチン自体が、予防対象の疾患を引き起こすことがないこと。

◆mRNAワクチン接種後のウイルス抗原タンパク質の発現は一過性であるため、体内における存続は限定的であること。

ただし一方で、mRNAは投与実績のほとんどないモダリティですので、一過性の副反応だけでなく、慎重な追跡調査が必要ではあります。

【まとめ】

新しい医薬品ジャンルであるメッセンジャーRNAのCDMO事業を行う企業は、世界的にも少数です。

新しいモダリティとして世に出たばかりの分野であるゆえ、この領域に特化したCDMO事業に取り組むリスクは当然あります。しかし、機会の方が大きいと私たちは考えています

次回のnoteでは私たちが見ているチャンスやビジョンについて紹介していく予定です。

お楽しみに!

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