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農業IT化のイノベーター?「Agrihub(アグリハブ)」@調布・仙川【調布ブレス Vol.3】

ネーミングって難しいですね。
「調布ブレス」
調布に息づくひとたち。息吹。報道に近いけどちょっと違う。おめでたい響き。
3つめにしてようやくたどり着いた感じがしています。
調布ライフ→調布DIGあらため調布ブレス。プレスでなくブレスです。

今回はITエンジニア出身の農家が農作物の栽培管理アプリを開発して、農業のハブを目指しているという、自然の流れのような革新的な話です。

新宿から京王線で約15分の仙川駅徒歩3分にある伊藤農園。駅近でありながら通称安藤ストリート(安藤忠雄さんデザインの建物が並ぶ通り)から一本入った落ち着いた閑静な住宅街の中にあります。

約400年続く農家に生まれ育ち、子どもの頃からいつかは農家を継ぐと思っていて、小学生の頃には農業用ロボットを作る夢を作文に書いていたという伊藤彰一さん。その思いは続き、大学で電子工学を専攻してITベンチャー企業に入社。ITエンジニアとして活躍後、会社が大手企業に吸収合併されるのを機に会社を退職して就農しました。
約1haある畑でお父さまと一緒に学校給食や近隣スーパー向けの野菜を栽培し、採れたて野菜の美味しさや農業の楽しさを知ってもらいたいと、トマトや枝豆などの収穫体験イベントを始め、一部は貸し農園として運営しています。

初めて取材したのは2017年。まだ20歳代の若者がIT業界から農業に転身したというのは字面にすると話題性がありますが、とても自然な流れのように感じました。試行錯誤しながらも手間暇かけて栽培している野菜はとてもおいしく、何度か取材させてもらい、イベントにも参加していました。

数ヶ月前に寄稿原稿の手伝いをしてもらえないかと連絡をもらい、お話を伺うと、「Agrihub(アグリハブ)」という農作物栽培管理アプリを開発して、その事業がJAのアクセラレータープログラムに採択され、農業専門誌から寄稿依頼がきているというものでした。

「スマート農業」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、伊藤さんの農家のように少量多品目を栽培する個人農家の作業を管理するシステムは世の中に存在せず、未だに手作業で確認せざるを得ない時間のかかる非効率的な作業がたくさんあったそうです。

日々行なう農作業を入力してデータ化し、チェック、集計、検索などを自動で行なう。

初歩的なシステムのようですが、煩雑な作業は個人農家独特のもので、多くの個人農家は日々の農作業に追われているためIT化が遅れているのではないかと思い、これまでの経験を生かしスマホアプリを開発することにしたそうです。
農作業の合間を使ってプログラミングし、WEBデザインに初めて挑戦したという奥さまがインターフェースを作り、開発を始めてからリリースするのに要したのは約1年半。個人農家の作業を熟知したITエンジニアが作ったアプリ「Agrihub(アグリハブ)」は使い勝手がよいと評判で、口コミだけで着実にユーザーを増やしています。

さらに伊藤さんには大きな思いがあります。日本の農業人口の9割を占める個人農家の作業データを蓄積することで、農業に携わる誰もが利用する基幹システムを構築し、本当の意味での農業IT化を飛躍的に進化させ、効果的なAI技術の導入を進めたい。
個人農家の方々には、事務作業に割いていた時間を作物に向き合う時間にあて、効率的に楽しく農業してもらいたい。その思いのもと、農作業に追われながら、農業のハブとなるべくJAとの連携を強化するためのアクセラレータープログラムを日々進めています。

一見小さいような一歩、実は熟考されたアイデアが世の中を大きく変えるのかも知れない。
ITエンジニアから農家に転身したのではなく、ITエンジニア兼農家であり、本気で農業を変えたいと思っている自然体のイノベーターをこれからも応援します。

Agrihubアグリハブ https://www.agrihub-solution.com/

伊藤農園 https://www.instagram.com/itonouen.sengawa/

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