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鳥の目は宇宙の目

動物は目の前に敵が現れると、交感神経が活性化し、不安や恐怖を感じ「戦うか、逃げるか、死んだフリをするか」の選択肢を取るように迫られます。

一方で、人間は、目の前に敵がいなくても、明日来るかもしれない仮想の敵、10年後に来るかもしれない仮想の敵を想定して、不安や恐怖を感じ、「戦うか、逃げるか、死んだふりをするか」の選択肢を取るようにデフォルトとしてセッティングされているようです。

このように、人間であっても動物であっても、まずは自分の命を救うために、そこに全エネルギーを集中する仕組みは内部にあるようです。

しかし、そうした状況にあっても、人によっては、上記で示したような動物的な選択肢以外の選択肢を取る人間がいることも事実です。

幕末に活躍した坂本龍馬さんはその1人ではなかったのかと思います。彼は、当時幕府から目をつけられていたり、様々な勢力から目をつけられていて、いつも命の危険にさらされていたようです。したがって、そうした坂本龍馬さんを心配する様々な方々から、かくまおうとする申し出があったわけですが、にもかかわらず、坂本龍馬さんは、日々自由に動き回っていたそうです。

また、今日パンデミックのせいで、世界中に命の危険が迫っているわけですが、にもかかわらず、それがまるでなかったかのように動き回っている人たちがいます。

このように、人間は、理屈通りには動かない複雑系の存在であると言うことがここからも分かります。ある1つのインプットがあっても、それに対して多様な予測もつかないインプットを展開するのが複雑系であり、その代表例が人間なのではないかと思います。

そして、複雑系は新しい特徴を持つと言う性質を持っています。新しい命を持つと言っても良いでしょう。

例えば、水素や酸素の元素自体はそれほど目立った特徴はないと思いますが、それが水の分子を構成し、数千万個集まると、実際に液体になったり、固体になったり、気体なるとわけで、元素のときには考えられなかった体験をすることになります。

坂本龍馬さんもたった1人だったら、歴史は変わらなかったと思いますが。坂本龍馬さんのように、新しい時代を創造するために東奔西走した幕末の志士たちが大勢誕生したので、日本と言う国がそれまでとは全く異なる性質を帯びた新しい国に生まれ変わったと言えるのでしょう。

今世間を騒がしているコロナウィルスも、その一個が指し示す特徴は、人間を介して他の体えと移り、増殖していくわけですが、これが既に世界中に広がっています。その結果、個々のコロナウイルスが示している特徴からは想像もつかないような、新しい現象が世界中で起きています。

例えば、例年以上にインフルエンザが減少したり、多くの野生動物が山里から人間社会との境界線を越えて街に降りてきたり、これまで何十年かけても減少しなかった大気汚染が減少したり、コロナウィルス単体からは想像もつかないような新しい現象が起きています。

また、このような状況は、オンラインを通じて国境越えて、人々がさらにつながる機会を生み出し、そこではこれまで考えられなかったような様々な学びや気づきやつながりの体験が進行しています。

ここから、どんな未来が生まれるかは誰にもわかりません。

だからこそ、自分の体の中の、さらに細胞のような小さい視点ではなく、自分の空の外に出て、上空を自由に飛び交う鳥の視点を持つことが今すごく重要なんじゃないかなと感じます。

自分の僕身近な周囲にしか意識が向かないと見えてこないダイナミックな新しい未来の動きが展開していると思います。それを見るために、鳥の視点を持ちながら、何が起きているかを楽しんで生きたいものです。

冒頭で動物の話をしましたが、鳥は他の動物とちょっと1線を画すんじゃないかと思っています。これは、エックハルトトールさんから聞いた話ですが、人類がこの地球上に誕生した頃、人類の目覚めを拡大した3つの要素があったそうです。それらは花、宝石、そして鳥だそうです。

それまで、日々生きるか死ぬのかの環境の中で、狩猟に明け暮れていた人類が、ふと空を見上げたら行と飛んでいる鳥の存在に気がついたわけです。その鳥の視点になりきって見つめ直してみると、自分の住んでいる人間とは異なった次元の世界が見えてきたと言うわけです。

本当は人類に目覚めをもたらした存在の1つなのですが、それにとどまらず、自分を俯瞰してみると言う事は、さらに大きなスケールで人類そのもの、命そのもの、地球そのものを見つめ直すことも含んでいいんじゃないかと思うのです。

そのように見てみると、ビックバン以降私たち人類がこの地球上に発生する13700000000年と言う気が遠くなるような時間をかけて、うちは私たちひとりひとりを創造してくれた宇宙に感謝の念が沸き起こってきまづ。そして、たかだか100年前後のこの人生で出会う人たちとは、奇跡の出会いを遂げているということがわかってきます。

そんな視点を見ながら、予想もつかない行動する人間をこれからも観察していきたいと思いました。

オーストラリアより愛と感謝を込めて。
野中恒宏

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