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デジタル写真を演出するために 〜エディットの心構え~

こんにちは、むらい(@MRIPhoto)です。かなり久しぶりの更新になります……

みなさん、デジタル写真の編集ってされてますか?
LightroomなどでがっつりRAW現像される方もいれば、撮って出しのjpegをVSCOなどのフィルターで簡単にエディットするという方もいることでしょう。

ぼくは普段、iPadのLightroomでエディットする事が多いのですが、デジタル写真のエディットというのはなんにせよ奥が深いです。ある程度自分なりのやり方や心構えを持っておかないと、すぐに迷子になってしまいます。
そんなわけで、普段ぼくが意識していること、とりわけHow toというよりはマインド的な、心構えのところをお話ししようかなと。よければお付き合いください。

なぜ色にこだわるのか?

"色"というのは写真の印象を大きく左右する要素です。カラー写真とモノクロ写真では与える印象が違うのは明白でしょう。
同じカラー写真にしても、例えば爽やかさを纏った青みの写真と、ノスタルジックな雰囲気を漂わせる黄みの写真とでは全く意味の違う写真に仕上がりますね。

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写真は、色や質感によってその振る舞いを如何様にも変えるものです。
あなたが伝えたいイメージを真っ直ぐに届けるため、ぜひ自分の色にこだわりを持ってみましょう。

コンセプトを明確にしよう

エディットをする上で最も重要なことです。
コンセプトはあなたが目指すべきゴールであると同時に、いつでも立ち戻って自分の居場所を確認するためのスタート地点でもあります。

あなたが元々もっている世界観をコンセプトとしてもいいですし、好きな写真家や、特徴的な年代・ジャンルの色の再現を目指してみてもいいでしょう。

例えばぼくは、1970年代あたりの、ニューカラーと呼ばれるジャンルの再現をコンセプトに掲げたりしています。

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これから作業を進める上で、揺らぐことのないコンセプトをひとつ、明確に設定してください。
常にコンセプトを意識して、そこから逸れないようにエディットを進めてください。

パラメーターと言葉をつなげよう

エディット作業では多くのパラメーターを調整することになります。
大事なのはそのパラメーターが、実際写真の上でどのように表れ、それによって作品がどのようなムードを纏うのか、というのを考えることです。

色温度のスライダーを左に動かす、という作業が写真にどのような影響をもたらすのかを考えてみましょう。
色温度が高くなれば写真は青みを帯びます。それによって醸し出されるムードはどのようなものですか?

同じ青系の写真でも違ったムードがあります。
「涼しげで爽やか」かもしれないですし、「陰鬱でブルーな気分」かもしれません。

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複雑に絡み合ったパラメーターは、写真にどのような言葉を添えるのでしょうか。
パラメーターと言葉をつなげることが大事です。ただの数字だと考えるのではではなく、そこに文脈を与えることでより豊かで的確な表現ができるようになります。

単に「明るくしたい」「彩度を上げたい」という目的からではなく、もう一歩踏み込んで「こんなムードを纏わせたい」「こんな印象の写真に仕上げたい」というコンセプトの意識を強く持って、パラメーターを調整してください。
そうやって調整したパラメーターにどのような意図があるのか、作品のコンセプトをどのように作り上げているのか、言葉で説明できるようになってください。

まとめ

エディット作業というのは、単に露出の間違った写真を補正するとか、見栄えのよい写真にするとかいうことではありません。
あなたの写真がもつストーリーを、世界観を、コンセプトを、より力強く届けるための手段です。

あなたが写真で表現したいことはなんなのか。そのためにはどのような色で、どのような諧調で写真を描くのがいいのか。
いつもより、一歩踏み込んだ考えでエディットをしてみてください。

2020.04.09 追記

続編というか、もう少し詳しく書いたやつを公開しています。こちらもぜひご一読くださいね。




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