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変革を妨げている人の正体

「マーケターのように生きろ」の井上さんのnoteを読んで、首がもぎれるぐらい頷いてしまいました。変革を妨げるのは抵抗勢力などではなく、現状に困ってなくて「まあいいや」と思っている人であるという話です。

定常的に発生する運用業務に限らず、いつもやってるやり方、業務フローなど、何もしなければ同じことが延々と繰り返されるものです。でも業務は本来同じことを繰り返しつつもアップデートが求められるものです。

■アップデートのアプローチ
1)今より手間を減らせないか
2)同じ手間で価値を増やせないか
3)そもそもこの業務は必要なのか

を問い続けるべきものです。そうした方が手間も減るし、空いた手で別のことができるわけで、生産性を大きく向上させることができます。でも、人には現状維持バイアスがあるため、特段困っていなければ、この記事のように「いま困ってないからいいや」になってしまいがちです。でも、今は困っていなくても「そのうち困る」「本当はもっとよくなる」ことかもしれなくて、知らぬ間に機会損失している可能性もあると思うのです。

では、何があったら変わるのか。その何かが起こったのが記事中にも記載のあったコロナ禍だと思うのです。コロナ禍で急激な変化が起こった代表例はテレワークです。そもそも外出できなくなったので、否が応でも家で仕事をしなければならなくなったわけで、テレワーク可能な業種は導入せざるを得なくなりました。こういった制度が浸透したことで、さらなる変革が起こりつつあります。

■テレワークの浸透により変革が進んだこと
・電子契約/電子署名
・ジョブ型雇用制度
・副業

出社しないわけですから契約も電子署名が必要になります。また、テレワークでチームメンバーと直接顔を合わせなくなったことから、従来のように目視で業務を把握しにくくなりました。その結果、業務のアウトプットをベースに評価を行うことが求められるようになったことから、徐々にジョブ型雇用制度が注目されるようになってきました。副業もテレワークの副産物です。業務時間の自由度が増したことで副業もやりやすくなりました。

そもそもテレワークはコロナ禍前から概念としては存在していましたが、まともに取り入れている会社はほとんどなかったので、もしコロナ禍がなければ本格的に導入されるまであと10〜20年ぐらいかかっていた可能性もあります。でもコロナ禍によってやむに止まれぬ状態になって、急激にテレワークが進んだわけです。

もちろん業務によってはテレワークできなかったりパフォーマンスが上がらなかったりする会社もあるとは思いますが、テレワークでうまくやりうる業界であれば、やろうと思えばやれるのです。やらないのはなぜか。どこかに「いま困ってない」「変えなくても困らない」「変えると大変だし、今まで通りやっていてもマイナスはない」という気持ちがあるのだと思います。でも、停滞は相対的なマイナスと同義です。

この現象を企業単位に当てはめたものが、いわゆるイノベーションのジレンマと言えそうな気もします。既存の大企業が様々なしがらみによってなかなか変革できない中、市場に新規参入した規模の小さい会社は自身の身軽さを武器に、業務フローから開発環境から最新の効率的な環境をいち早く取り入れることができます。そうこうしているうちに、知らぬ間にスタートアップが大手を脅かす存在になってしまい、大手も当然のことながら危機意識は持つものの、スタートアップの勢いに対応できず、いつのまにか追撃を許してしまうということになりかねません。

そうならないためにも、定期的に「いま困ってないこと」であっても定期的に見直して、最新版にアップデートし続けることが大切だと感じました。

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