令和いらねえ吊り輪ホットケーキ/2020年4月21日
「CDジャーナル」という雑誌とのぼくのつきあいは古い。ライターとして仕事をはじめてから間もない時期に、ちいさなレビューを書く仕事をいただいてから、ほぼ毎月途切れず。
いちばん最初に商業誌で連載をしたのも「CDジャーナル」。「暁の輸入盤DVDハンター」というタイトルだった。
去年から紙ベースの発行が季刊となり、そのタイミングでいったんほぼすべての連載が終了したので、ぼくもそれまで続けてきた「CDじゃないジャーナル」というインタビュー記事をやめた。
そこからあらたにはじめたのが、「未来のザ・ベストテン」(当初は「きみとぼくの未来のザ・ベストテン」)。
前々からなんとなく考えていた企画だった。
ある母数による投票で決まるランキングではなく、あえて究極に恣意的なものを作ってみたい。「これが1位なら、おれならそれ以下はこうする」ってやつ。ほら、10代のころに、ノートに自分だけの名曲ランキング書きつけた経験ないですか?
雑誌でやる、いわゆる投票形式のランキング企画を「これをネタに音楽好きの話が(バーとかで)盛り上がったらいいね」みたいな感覚で、ぼくは受け止めることが多い。でも、そうやって投げっぱなしにするのもいいけど、自分たちでテーマを決めて話すのはやっぱりおもしろいよねとも思っていた。
それをやろう。ゲストを迎えて。
いままで4回やって、どれもうまくいった。「納得した」という意味の「うまくいった」ではなく、「もっと話したくなる」という意味での「うまくいった」。
これまで登場してもらったのは、こちらのみなさん。
第0回:佐藤優介:ヴァン・ダイク・パークス「ソング・サイクル」
第1回:ポニーのヒサミツ:ポール&リンダ・マッカートニー「ラム」
第2回:見汐麻衣:羅針盤「せいか」
第3回」髙倉一修:細野晴臣「Omni Sight Seeing」
そのうちの第1回、ポニーのヒサミツ編(2019年秋号)が、新作「Pのミューザック」発売のタイミングでweb版としても公開になった。今後、他の回も順次公開される予定だし、雑誌版とは並行しながらweb版独自でもゲストを迎えていくつもり。
この連載には愛着があるし、ランキングという文化を問い直すという意義も自分なりに感じてるし、なにより少年のころに考えた自分だけのランキングをもっと讃えよという気持ちが、きっとぼくにはずっとあるのだろう。
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