脅威を事前に回避する

護身において最も優先すべきなのが、脅威の事前回避です。

護身術を修めるにあたって危機対処も想定しなくてはなりませんが、いかにして脅威とバッティングしないようにするかも重要です。

暴漢や強盗のような人為的脅威は突発的、不意に起こります。故に事後処理の難易度が非常に高いです。身を護る術が幾つも存在するのと同様、人を傷つける術も無限に存在します。寧ろ戦意や殺意が定まった状態で仕掛けてくるワケですから、それを捌くのは簡単ではありません。また、人間は極度の緊張状態に陥ると正常な判断や行動がとれなくなります。これを解す為には訓練若しくは一定以上の経験値が必要です。しかしながら、極限まで心身ともに追い込んだ上でメンタルトレーニングを行うのはなかなか難しいです。

そこで事前回避が重要になってきます。

おおまかに分けると視覚的基準感覚的基準があります。

視覚的基準は文字通り「目から入ってくる情報」で判断します。例えば夜は明るく人通りのある道を選んだり、前方に騒いでいる集団がいたら2ブロック手前を曲がる等です。私自身が実践してるのは「毎日通勤・帰宅ルートを変える」というものです。人間は意識しているうちは感覚が研ぎ澄まされているのですが、作業化してくるとそれが薄れていきます。ルートを変える事で、今まで見落としていたものに気付くと思います。セーフポイントの確保に加えて、毎日少しでも景色が変えていく事で視覚的刺激を与える事ができるのでおすすめです。またルートを変えることはストーカー対策にも有効です(ストーカー対策についてはまた後日まとめます)。

感覚的基準は視覚的基準の延長になります。目に入ってきた情報から起こりうる危機をイメージします。イメージをより鮮明にする為には日頃の準備が必要です。例えば報道されている事件の概要から、自分なりに事件の状況を分析します。事件が起きた地域の情報、当時の現場状況、被害者・加害者のとった行動等です。それを自らの日々の行動とマッチングさせていきます。「自分ならばこうする」「これはしてはいけない」という具体的なイメージをいくつもストックしておくワケです。勿論、これをしているからといって実際に危機的状況を回避できるとは限りません。意識する事を習慣づける訓練だと思って頂くと良いでしょう。


無差別殺人や飲酒・薬物服用運転を除き、日常に潜む犯罪の殆どは意識ひとつで回避できる可能性が上がります。常にアンテナを張り、感覚を研いでおく事が重要です。

「君子危うきに近寄らず」です。

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