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【攻守が噛みあった大勝】第33節 ファジアーノ岡山戦【雑感】

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5-0!夢のスコアで大勝!絶好調!昇格間違いなし!

と思うじゃないですか。今節岡山戦の大勝は内的要因と外的要因がうまい具合にハマった結果だったわけで、琉球は全然違うチームなので同じように行くと思ったら痛い目に合うかも…(でも5点取って勝ってほしい)

①スタメン

①スタメン

長崎は前節から5人入れ替え。鹿山、角田、二見、玉田、富樫がスタメン入りした。鹿山が右サイドバック、江川が左サイドバックに入る形で、いよいよ本職サイドバックが不在という陣容になった。まさか毎熊は怪我じゃないだろうな…

岡山は前節から4人入れ替え。後藤、喜山、上田、ヨンジェがスタメン入りした。序盤は波に乗り切れなかったが直近13試合は6勝4分3敗、シーズン折り返し頃から調子を上げている。前回対戦時は先制されるも逆転して何とか逃げ切った。ロングフィードの精度はJ2屈指のGKポープウィリアム、空中戦にめっぽう強いイ ヨンジェ・山本、ポストプレーに定評のある赤嶺が揃っており、チーム戦術としては固く守ってロングボール狙いというのが基本の攻め筋だった。

②横幅と奥行の作り方と活かし方

前節群馬戦はどうにもボールの前進にスムーズさがなく、個人的にはサイドバックの立ち位置が低いことを原因と捉えた。秋野がCB間に下りてもサイドバックが上がらないため、特に前半は5-1-2-2のような後ろ重心になった。今節に至っては本職サイドバックが不在ということで、果たしてどうなるかと心配したが、全くの杞憂に終わった。

②長崎のボール保持

長崎は例のごとく秋野がCB間に下りてきて3バック化、岡山の2トッププレスを無効化する事から攻撃が始まる。岡山の守備は少し特徴的で、カイオへのパスコースを2トップの背中で消すのではなくダブルボランチの1枚がマンマーク気味に対応するケースが目立った。図の場面では上田が高い位置を取るため白井・喜山・上門の3人は少し横幅を圧縮してブロックを組むことになった。

相手の重心を見てサッカーしようというのを今季、心がけてやってきて、2トップのチェイシングと1人のボランチがウチのアンカーに掛かってくるというスカウティングをしたときに相手のサイドハーフが若干、中に絞らないといけない状況になって、サイドを起点に厚い攻撃ができたなというところです。
(手倉森監督)

この傾向はスカウティング済みだったようで、ボール保持時はサイドバックの江川と鹿山が相当に高い位置を取っていた。二人ともドリブルで縦に抜いていくスタイルではないものの、安全第一のプレーに徹しながら江川はパス精度、鹿山は高さと速さを活かしながらチームとして「横幅」を確保する事に成功した。

サイドでの持ち上がりが期待できない分、推進力を担ったのは主に氣田と名倉のドリブルだった。どちらかがカイオの脇に下りてきてボールを引き出す役目(もしくは岡山サイドハーフを引き付けてウィングバックへのパスコースを確保)を果たして、ボールを受ければターンして岡山を押し込むことに再現性を持てた。アンカーの位置で母艦のように鎮座するカイオ、岡山ボランチの背後でフラフラと浮遊する玉田を含めた4人は互いに距離感が良く、パスのテンポは今季最高と呼べるくらい速かった。

また富樫のプレーも少し変化していて、これまでは3列目までボールを受けに下りてきたり、プレッシャーの弱まるサイドに流れてボールを引き出す事が多かったが、この日は極力中央に立って岡山センターバックと駆け引きしているように見えた。実際、岡山ディフェンスラインの裏でボールを受けるシーンも見られた。富樫が常に背後を伺うことで岡山のセンターバック(濱田・後藤)は前向きにスペースを潰すことが出来ず、氣田や名倉・玉田がボールを触れる時間と空間(奥行)を創りだした。

これまでは焦れて動き過ぎていた部分を今日は修正できて、ところどころでメリハリをつけてやれて、ボール回しでも守備でもチャンスに顔を出すというところもバランスよくやれた。今まで試行錯誤して、今日はそれが自分の中で感覚をつかめた試合だったので、これをベースに残りの試合をやっていきたいですね。
(富樫敬真)

江川と鹿山が高い位置に立つことで創った横幅、富樫が駆け引きすることで創った奥行、生まれたスペースを存分に活かした氣田・名倉・玉田…まさに全てが噛みあったボール保持になった。

岡山が真面目にオーガナイズを組むので、押し込んだときにはバイタルエリアが空いてくるというところから仕掛けのパスやシュートが効果的にやれたゲームになったと思います。
(手倉森監督)

③右サイドを切ってボールの取どころを設定

岡山最大のストロングが何かといえば、前述の通りGKポープのフィード力と、それを活かすセンターフォワードの存在だろう。攻撃が手詰まりになってもロングボール一本で局面を打開する可能性を作れるし、ロングボールを嫌がって相手がディフェンスラインを下げればライン間を活かすことが出来る。長崎としてはまず岡山のロングボールに対応する必要があった。

③長崎の守備

--今日、ポイントにしていたことは。
相手のGKのビルドアップがうまいので、チーム全体として右を切りながら左に寄せるという狙いがありました。試合前から自分のポジションが大事になるというのは言われていました。相手GKがうまいからといって下がり過ぎずに攻めの姿勢で相手がイヤがるようなプレーをしようと。
(氣田亮真)

一番厄介なのは右利きのGKポープに対角線のロングフィードを送られることなので、まずは岡山の右サイドを切る(パスを出させない)作業から守備を始める長崎。ボールを椋原サイドに誘導して氣田・江川サイドで奪いきる事を試合前から想定していたようだ。岡山は時間・空間的に余裕があれば一人ひとりがかなり高い技術を発揮するが、プレスが掛かるとボールを簡単に手放してしまう傾向がある。これは前回対戦時、前半はチンチンにやられたが後半から投入された畑がポープに鬼プレスを始めたあたりから全体がバタついた事からも分かる。

岡山としてはボールを繋ぐことを諦めてロングボールに活路を見出す選択肢もあったかもしれないが、有馬監督は最後までボールを繋ぐことにこだわった。来期に向けた取り組みという側面もあるかもしれないが、単純に長崎の4バックになぜかセンターバックが4人並んでいて空中戦で単純に勝てなかったという方が大きかったかもしれない。特に岡山の山本はサイドに流れて相手のサイドバックと競り勝つ展開を得意としている(少なくとも前回対戦時は毎熊と亀川を狙われた)が、今節目の前にいるのは190cmの鹿山。さすがに分が悪い。

右サイドを切ってポープの対角線フィードを塞ぎつつ、もし放り込まれてもセンターバックを4人並べるという保険を掛けて岡山を完封した手倉森監督。特に試合後インタビューでは語られなかったが、センターバック4人起用が本職サイドバックを怪我で欠いたというネガティブな理由ではなく、ロングボール対策というポジティブな理由だったら…長崎のスカウティングもなかなかのレベルなのかもしれない。


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