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これは2種類目のスープボウルです

無類の食器好きである。上には上がいることを承知の上だが、一人暮らしにしてはやや広めのキッチンの収納を拡張してでも食器を買ってしまう。
特に焼き物系、ガラス系が好きである。木製はメンテナンスが大変なので渋る。

冷え込んできた日々に、スープを作る機会は格段と増える。冷凍庫の中で各種凶器へと進化を遂げた食材たちを何も考えずに鍋に入れて、塩と酒と、そこから先は都度都度の気分で味を調えると何かしらが出来上がる。もちろん一度に食べきれるちんまりとした量を作れるはずがなく、だいたい3~4食分くらいのスープが出来上がる。

これまでは実家から「何かと便利だから」という理由で持たせてもらった、持ち手のないシンプルな白いボウルをスープボウルにも使っていた。何かと便利な代物なので、丼ものを作るときにも使うし、パスタを入れたこともある。明星の中華袋めんを入れたこともあるが、スープがあふれそうになり、なくなくスープを足しながら食べる羽目になった。そんなサイズ感のボウルである。ちなみに明星の中華袋めんシリーズは好物で、特に酸辣湯麵が好きである。

さて、白いボウルは我が家に二つある。個人的セオリーで、食器は必ず2つを1セットとして揃えることに決めている。誰かに食をふるまうときにお皿がちぐはぐというのももったいないし、洗い物がたまってしまって皿がないという悲劇も防げるし、割ってしまってもまだつぶしがきく。

この白いボウルはあまりの汎用性の高さに使い切られてしまうことが多く、汁物を飲みたいときに限って2つともシンクで洗われるのを待っていることすらある。万年モテ期の白いボウルなのである。特に寒いこの時期はボウルをいつ使うかがポイントとなる。洗えばいいと言う話は無用である。
その一方で、あまりのシンプルさゆえ取っ手すらないこの白いボウルに熱いものを入れることは難易度の高い所業でもあった。指先は幾度となく極限的な熱さに立ち向かい、スープを注ぐことが何度断念されたことか。

と、万年モテ期だが難ありという漫画の世界なら主人公級の白いボウルにこれ以上振り回されることもつかれるので、先のせいろと合わせスープボウルを買った。何の利益もないが、見た目の可愛さを伝えたいのでリンクを貼る。

苦手な木製の食器付ではあるが、ボウルとしては完璧である。取っ手があり、厚みも十分あり、具材が多いスープでも問題なくよそうことができる。なによりフォルムがかわいらしい。

推しの先輩と同期と飲んだ帰り、ふわふわとする頭のままいつも通り1セットを購入した。日本の、迅速で酷使による疲弊が不安な物流網のおかげで中1日でスープボウルは届き、その日作ったシチューが無事おさめられた。

あとは、このスープボウルをどこにしまうかだけである。

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