見出し画像

交際スタートの日

1通目の手紙の内容に

ショックを受け過ぎて

特に交際について考えるまでもなく

彼の告白を受け取った私。

軍に入った後の自分達のことなんて

全く考えてもいなかった。

そして付き合うとは

どう言う事かもまだまだ空想上のことだった。

それでも付き合うと言うことは

このまま文通をし続けることではなくて

相手を目の前にして会話することだとは

分かっていた。

1年半もの間まともに話をしていないし、

途中で2回も告白を断っている相手と話すのは

考えただけでも緊張した。

手紙に'昼休み会える?'と書かれていたので

ダメと言う訳にもいかず会う約束をした。

待ち合わせは私達が出会った教室になり

その日は朝からずっとソワソワしていた。

昼休みが近づくにつれて緊張が増した。

4時間目は体育で、着替えてから待ち合わせ場所に向かった。

友達には何も言わずに待ち合わせの教室に

1人で向かった。

教室の前に彼がいなかったので、意を決して

ドアを開け教室に入った。

すると先生と顔見知りの生徒が数人立って話していて

奥で彼が座ってアシスタントの作業をしていた。

私に気付いた先生が、彼に'来たわよ'と声をかけた。

そして先生は'Hi,あやか'と穏やかに私に声をかけた。

すると彼は荷物をしまい、カバンを持って

私のところに来た。

'Hi,遅くなってごめんね。体育だったから'と私は言った気がする。

'いいよ、行こうか'と彼は教室を出た。

そして人があまりいない方に向かった私達。

お昼を食べることはすっかりお互いに抜け落ちていた。

そして、帰りは自宅まで車で送らせてと言われ

了承した。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?