甲府旅①:武田の杜でバードウォッチング
私は毎年、夏季休暇を9月末の誕生日前後にとり「自分へのご褒美」にしている。
今年は旅先に甲府を選んだ。
甲府にした理由は、もう一度泊まりたいホテルがあったことと、バードウォッチングできる場所がそのホテルから近かったこと、そして寺院もあったからだ。
普段の仕事のことは東京に全部置いて、一人のんびり甲府を目指す。
甲府盆地の北に位置する武田の杜。
県立の公園で、森林浴もだしバードウォッチングもできるらしい。
標高約600mに位置し、気温も数度低く涼しい。
今回は体力温存のため、ホテルから武田の杜までタクシーを使う。
タクシーの運転手さんは行くのは初めてのようで、急な上り坂に車を走らせつつ「何だかどんどん山の奥に行くけど大丈夫かなあ」とぼやく。
・・・少し不安になる。
サービスセンターに到着。
早速良い景色が私を迎えてくれる。
まだ夏の空気が残っているから霞んでいるけれど、冬はもっと澄んで見えるんだろうなあ。
センターの方に公園の状況を聞く。
どうやらヤマビルがでるらしく、足にヒルよけスプレーをかけてから公園に入る。
暑さが残り鳥は余りいないだろうなあと思いつつ、地元の人が集まるという鳥見スポットに行ってみる。
10名程が集まっていた場所は鳥がいないようで、皆おしゃべりを楽しんでいた。
西にある野鳥観察小屋を目指そうと歩き出すと、目の前をシュッと何かが飛んで行った。
メスのモズに出会えるとは、幸先の良いスタートだこと。
2羽で飛んでいたから、カップルかしら。
少し視線を上げると、木陰に鳥が。
日差しは夏のように強く、私の目に青く映った鳥はすぐにいなくなった。
ルリビタキだったのかしら。モヤモヤしながら西を目指す。
癒しの小道と名付けられた道は平坦で歩きやすい。緑の清々しい空気を楽しみつつ、ほどなくして西の平展望広場に到着した。
高い木の巣穴から3羽のメジロがポンポンポンと出てきた。
メジロはなじみのある鳥だが、巣を見つけるのは初めて。
おどかさないようそっと離れる。
水浴び用に設置された池に行ってみる。
先ほどのメジロたちだろうか。池で水浴びをしている。
池のそばに立つ木にはメジロが鈴なりに。みんな飛び込もうと構えている。
ほほえましい景色にクスッと笑みがこぼれる。
わちゃわちゃとメジロが群れる中に一羽少し大きめの鳥。
どうやらルリビタキのメスのようだ。
初めまして。今日は来た甲斐があった。
帰り道、道を間違えてえらい傾斜を昇り降り。こんなところで遭難したら恥ずかしいと必死に元の道に戻る。
両脚は翌日パンパンで筋肉痛が残ったが、清々しい空気、鳥たちと見晴らしの良い景色に心はすっかりリフレッシュできた。
また季節を変えて来よう。