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2019年11月の記事一覧

縮図法(詩)

 おまえの目を覗き込んだとき
 虹彩と水晶体に滲んだ
 火花の煌めきにだけ興味があった

 弾けてふるえるいくつもの光が
 青白く閉じられたおまえのまぶたに隠されるとき
 あの知覚していたはずの空虚がひずみのように
 やわらかな口蓋の奥のほうからやって来る
  (オレンジジュースのにおいとともに)
 硬く、厳かな冷たさを持つそれは
 まるで無謬のように
 掬いあげた砂粒のひとつに投影された春の日の

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