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✨nostalghia📖東京文フリ39📖ね‐31✨
2019年11月27日 23:33
おまえの目を覗き込んだとき 虹彩と水晶体に滲んだ 火花の煌めきにだけ興味があった 弾けてふるえるいくつもの光が 青白く閉じられたおまえのまぶたに隠されるとき あの知覚していたはずの空虚がひずみのように やわらかな口蓋の奥のほうからやって来る (オレンジジュースのにおいとともに) 硬く、厳かな冷たさを持つそれは まるで無謬のように 掬いあげた砂粒のひとつに投影された春の日の