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【定例討論会】#1「SDGsのどれか一つを達成するための簡単なアイデア」

まず、このnoteを読もうと思った方には「定例討論会」とはなんぞや?
と思う人が大半でしょう。そう思うのも無理はありません。なぜなら、

これが初回だから!(大衆に公開する形では)

定例討論会とは、大体二週間に一度(メンバーの予定によって前後する)開かれる、討論会です。議題は毎回、各メンバーの持ち回りで決めています。どうしてこんなことをやっているのかと言いますと、

なんか面白そうじゃね?

と思ったからです。
なんだかんだいっても、半年くらい続いているし、私が議事録みたいなものを作りたい、と思っていたし、ありふれた社会的な問題を議題に挙げることもあるので、価値がありそうだな、ということでnoteを作ってみようと判断にいたりました。
とまあ、そんな前置きは置いておいて、議論の内容に移ります。なお、実際行われた議論の内容からは、編集を加えているため、話がうまくつながらない箇所があるかもしれませんが、ご了承ください。

基礎知識 SDGsとは

SDGsはSustainable Development Goalsの略語で、日本語では持続可能な開発目標と呼ばれます。

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開発アジェンダの節目の年、2015年の9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。

具体例については、以下が良いでしょう。


第一部 飢餓をゼロに

最初の主張は「飢餓をゼロに」の解決策から始まりました。

飢餓をなくすには文化的な視点からのアプローチが良いのではないか。
アフリカやパプアニューギニアの先住民族の生活様式を見てみると、優れた相互扶助の仕組みが存在する。仏教やイスラム教にあるような喜捨(仏教では布施、イスラム教ではザカート)もそうだが、文化的に「助け合う」仕組みが存在すれば、飢餓はなくすことができるのではないだろうか。

また、同じ目標で異なる意見も挙げられました。

食料が不足している地域へのインフラ拡充、各国の共同出資による食料配布が良いのではないだろうか。

補足として国際連合食糧農業機関(FAO)の活動が挙げられました。

国連食糧農業機関(FAO)は、すべての人々が栄養ある安全な食べ物を手にいれ健康的な生活を送ることができる世界を目指しています。
このため、FAOでは①飢餓、食料不安及び栄養失調の撲滅、②貧困の削減と全ての人々の経済・社会発展、③現在及び将来の世代の利益のための天然資源の持続的管理と利用、を主要な3つのゴールと定めています。
現在、約3,400人の職員がイタリアのローマ本部や130カ国以上の国や地域でこれらの目標の実現のために活動しています。

ここで、多少の口論が生じました。

1. インフラの整備が進んだらそれは、「発展している」と言えるのでは?
 →そんな即自的な話ではない。あくまで「輸送ルート」の拡充である。
2. 介入、支援の規模は?
 前者の主張は、個人間や、広くとも範囲は地元の企業に留める。しかし、
広報という立ち位置では必要な存在だ。
 後者は国際的な組織の援助に依る。
3. インフラの整備は、大規模な環境破壊を伴うのでは?
 あくまで最低限のインフラ整備である。その際行われる環境破壊は妥協しなければならない。もっとも、将来的にドローンによる配送システムができれば、環境破壊は食い止められるだろうが。

第二部 つくる責任、つかう責任

飲食店でのバイトを通じて、そこでは一般家庭とは比較にならないほどの食料が廃棄されることがわかった。簡単な解決策として、ドギーバッグの導入が考えられる。客の自己責任を明記することには留意するべきだが、横浜市のように飲食店紹介サイトと連携するのは良い活動だ。

私はドギーバッグというものをここで初めて聞きました。

ドギーバッグとは
レストランが提供する小さな箱。食べ終わらなかった食べ物を持ち帰ることができる。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/doggy-bag
レストランなどで、食べきれなかった料理を持ち帰るための容器。
[補説]doggyは犬の、の意。表向きは飼い犬に食べさせるために残り物を包むとすることから。
https://kotobank.jp/word/%E3%83%89%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0-668697

より詳しい説明はドギーバッグ普及委員会のサイトを参照してください。↓

HOT PEPPPERグルメと横浜市の活動についての資料は以下を参照してください。

また、食べ残しや売れ残りの対処については様々な活動が挙げられました。

【Reduce GOとは】
Reduce GOは飲食店や飲食・小売店の余剰食品を削減するプラットフォームです。近くの飲食店やカフェ・ベーカリーなどのお店で、残ってしまいそうな余剰食品を食べて、食品ロスを減らしましょう。

月額1,980円の利用料がかかりますが、機能としては、
1. 周辺の余剰食品が一覧表示される
2. 注文する
 a) 月額せいなので、注文時決済はない
 b) 1日2回まで注文できる
3. 指定の時間にお店に受け取りに行く
なお、利用料金の2%は社会活動団体へと寄付されるようです。

まだ加盟店は少ないですが、今後広まっていくことに期待します。
しかし、チェーン店では消費者のリスクを懸念してか、中々この仕組みを導入できません。

また世界中で、フードバンクという仕組みも広まっています。

フードバンクとは、「食料銀行」を意味する社会福祉活動です。まだ食べられるのに、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、食べ物に困っている施設や人に届ける活動のことを言います。
食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」と呼ばれる団体・活動があります。まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品(いわゆる食品ロス)を削減するため、こうした取り組みを有効に活用していくことも必要と考えています。

これは、つくる責任、つかう責任と同時に、飢餓をゼロににも通じるところがあるでしょう。

古着の処理についても、世界中で様々な取り組みが見られます。
日本ではUNIQLOとGUがリサイクルボックスを設置していますよね。服を買いに行くときによく見ると思います。

お客様のもとで不要になった服を最大限に活かすことも、ユニクロの大事な使命です。わたしたちは、ユニクロ・ジーユー店舗で回収した服をリユースとして活用し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界各地のNGO・NPOとともに、難民キャンプや被災地への緊急災害支援など、世界中の服を必要としている人たちに届けています。そして、リユースしない服は燃料やリサイクル素材として活用することで、服のチカラを活かしきる取り組みを進めています。

https://www.uniqlo.com/jp/sustainability/recycle/

https://www.gu-japan.com/jp/corp/csr/recycle/

また、討論内ではイギリスのOXFAMの活動も挙げられました。

TED Talksでもそのような活動をしている方の講演がありました。

また、中国の廃プラスチックの輸入規制も記憶に新しいと思います。

それ以降も、残念ながら、現状はあまり芳しくなっているわけではありません。

2018年以降、東南アジアや台湾向けの輸出が増加している。2018年上半期の相手国・地域別の輸出量は、タイが14万トン、マレーシアが11万トン、ベトナムが9万トン、台湾が8万トンで、いずれも前年同期の2倍以上の輸出量となっている。これら4カ国・地域への輸出は、2018年上半期の日本の廃プラスチック輸出量の約80%を占めている。

これからは、リユースやリサイクルは国内で行う必要がある。環境負荷の少ない材料に切り替えるのが理想だろう。
しかしそのような商品の開発は時間がかかるので、製品が100%近く回収される仕組みを整えるか、再使用できない部品の再資源化の技術向上に期待するかしかないのだろうか。

第三部 質の高い教育をみんなに

水汲みや通学時間の短縮に自転車(三輪車の方が向いている?)を配布するのはどうだろう。

水汲みにたくさんの時間を要してしまうのは、非常に大きな課題でしょう。

「想像してみてください。2億時間は830万日、あるいは2万2,800年です」とユニセフの水と衛生部門部長サンジャイ・ウィジェセケラは述べました「この時間は、例えば、石器時代に女性が空のバケツを手に水を汲みに行って、2016年まで家に戻れないことに匹敵します。同じ時間の間に世界がどれだけ進歩したか考えてみてください。その同じ時間の中で、どれだけ女性が進歩できたであろうか考えてみてください。」

またこれは、SDGsの安全な水とトイレを世界中ににも当てはまります。

雲をスクリーンにできたら、学校が手軽になるのではないか。

技術的な問題はさておき、これも重要な発想でしょう。
似たような活動として、移動式映画館を用いた活動が挙げられます

また、映像授業を活用した教育の普及も現在トレンドにある、と言えると思います。なぜなら、スマートフォンは、今まさに世界中に普及しているからです。

携帯電話の普及は、今やアフリカ等の低所得国へも及んでいる。2014年末時点でのアフリカ全体での携帯電話加入者数は8億9,100万加入である。2003年末時点では5,200万加入であったことから、11年の間に約17倍も増加したことになる。アフリカ全体での人口普及率は2014年末で84.7%となっており、こちらも2003年末の8.6%と比較すると約10倍に成長している。

以上の携帯電話普及率を考慮に入れると、映像授業が広まる下地があると言えます。
しかし、他のデータを参照すると、それは難しいと言わざるを得ないかもしれません。
回線の敷設・管理という作業は、道路網が未整備な広大な国土に人口が点在しているアフリカ社会ではきわめて困難で、また、アフリカの携帯加入者のほぼ全部は通話時間(エアタイム)を必要に応じて購入するプリペイドユーザーであると言われています。[松田(2014)]

しかし、今後これが変化していく可能性は大いにあるでしょう。

通話やテキストメッセージの送信など機能が基本的なものに限られたフィーチャーフォン(従来型携帯電話)がまだ幅を利かせているが、所得の増加を受けてスマホに乗り換える消費者が増えており、市場は変化しつつある。(中略)サハラ以南のアフリカ諸国ではスマホの普及率が2025年までに現在の2倍の67%に高まる見通し。

しかし、一つの疑問として、質の高い教育を目指すときには、大学進学が視野に入りうりますが、これには金銭的な問題が生じるので、映像授業の普及のみでは難しい気がしてなりません。
とはいっても、最近は大学水準の教育でもネットを通じて受けられる時代になっているので、このような方向から、発展途上国の教育費や、先進国でもある教育費の問題が動きを見せるかもしれません。

中国のアフリカに対する投資は、非常に目を見張るものがあります。

中国は現在アフリカ35カ国でインフラ・プロジェクトに関与している。アンゴラ、ナイジェリア、スーダンにプロジェクトが集中している。

アフリカが発展していくためには、募金やモノカルチャー経済にたよるのではなく、インフラの整備がお金はかかりますが、最も重要なのではないかと考えられます。

むすびに

議題は「SDGsのどれか一つを達成するための簡単なアイデア」ということで、今回の討論はメンバーがアイデアを出して、それに補足して情報を出していくという方向に討論全体は進んでいきました。
SDGsを通して、様々な世界の問題、そしてその解決に向けて、多くの人が活動していることがわかりました。
また、個人的に重要だと感じたのは、それぞれの課題がそれぞれの課題と繋がっている、ということです。一方の問題を解決しようとしたら、他の問題にも同様の性質を持った問題があることに気付かされました。しかし、これはまた逆もしかりで、一方を解決しようとしたら、一方の問題が解決しない、といった状況も生まれうるのではないかと思います。
SDGsの働きがいも経済成長も産業と技術革新の基盤をつくろう、というのは資本主義的な発展を望んでいると思いますが、その場合、貧困をなくそう人や国の不平等をなくそう、といった平等の実現は難しくなるのかなと思ってしまいます。

SDGsは現在、多くの人が解決方法を色々議論しています。大学の講義でも何度か取り上げられます。一つ一つの課題について、深く議論してみても面白いかもしれません。

あなたはどんなアイデアを思いつきましたか?
是非教えてください。

書籍紹介

まずは、参考文献の紹介です。
アフリカの携帯加入者の情報については
松田素二(2014)「ライフスタイル」松田素二編著『アフリカ社会を学ぶ人のために』pp. 143-154, 世界思想社

を参照しました。SDGsは世界中の国が直面する問題ですが、アフリカでの活動が多いのも事実です。アフリカについて多くのことがまとまっていますので、「ライフスタイル」も興味深いですが、是非他の章も含めすべて読んでほしい本です。

SDGsについて書かれた本はたくさん出版されています。
まずはThink the Earth編著;ロビン西マンガ(2018)『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』です。

このnoteが面白いと思った方には是非読んでほしい本です。マンガ付きでとてもわかりやすいですし、様々な活動が書籍内で挙げられているのが特徴です。

次に蟹江憲史(2017)『持続可能な開発目標とは何か:2030年へ向けた変革のアジェンダ』ミネルヴァ書房です。

より真剣にSDGsについて知りたい、と思った方には、この本が良いと思います。社会的な問題に踏み込んだ内容になっています。

ここまで、お読みくださりありがとうございました。

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