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ほとんどの人が食べる「お米」が通ってきているカントリーエレベーターをほとんどの人が知らない事実

前回は「コンバインっていう高級車を手に入れるための傾向と対策」と題して、慣行移植栽培を上回る収量確保もできる「鉄コーティング直播」にチャレンジすることになった話をさせていただきました。

水稲栽培の開始から収穫する機械一式で1億円もの投資となりましたが、途中、台風などの影響もありましたが科学的アプローチのおかげで順調に売上と利益をあげることができたことは農業生産法人の経営にとって大きな自信につながりました。

次に紹介したいのは収穫のその後、品質を担保するために、お米の検査をどのように進めてきたか、どんな設備があるのかについて、ご紹介していきたいと思います。

お米という漢字は分解すると、「八十八」ともなり、これを語源として「米」の字に当てられたという説もあります。

この「八十八」という数字は、工程のことを指していて、お米が私たち消費者が食べられるまで実に88もの工程を経ているのです。

ちょっと寄り道

本題から横道にそれますが、語源的な話をすると「稲妻(いなづま)」も農業が語源で、稲が開花し結実する旧暦(太陰暦)の夏から秋のはじめにかけて雨に伴い雷がよく発生するために、「稲穂は雷に感光することで実る」とも考えられ、「稲の妻」と呼んだそうです。

これを科学的に解明すると、雷の空中放電により、空気中の窒素と酸素が反応して窒素酸化物が生成(窒素固定)され、さらに酸素により硝酸に酸化され、亜硝酸塩が生成され、植物が栄養分として利用できる物質となるので確かに「稲の妻」といえますね!

カントリーエレベーター

先ほど、お米が私たちの食卓に届くまで、いくつもの工程が必要だといいましたが、収穫後のお米は、検査・検量後にお米を一定の水分量になるまで乾燥機にかけます。

その後、籾摺り機で籾殻をとってやって、玄米にしてから袋詰めして出荷となりますが、これを昔は各農家でこれらの作業をやっていました。

現代の農家は、一般的にカントリーエレベーターやライスセンターといった共同施設を利用するのが普通でしょうか。

私たちは物量が農協の運営するライスセンターのキャパシティをオーバーしていたので、自分たちで設備を作って運営していましたが、乾燥から出荷まで自動化が進んでいるカントリーエレベーターでの出荷の流れや設備構造は変わらないので紹介させていただきます。

お米が運び込まれる

検査・計量器でもみの量や品質などを全自動の検査装置で検査する

乾燥機で保存に適した水分量になるまで、もみを乾燥させる

貯蔵サイロで乾燥させたもみをサイロに入れて、出荷まで貯蔵する

籾摺り機でもみから籾殻を取り除いて、玄米にする。

高速で回転する一対のゴムロールの間を通過する際に、摩擦によって籾殻を剥がして、続く風力によって玄米と籾殻に分けます。

この時、同時に不良品や異物も取り除く

この工程には「光選別機」が用いられ、一粒一粒に玄米をフルカラーカメラでチェックして、黒く変色したものや青い未熟米、石やガラスなどを圧縮空気で吹き飛ばして除去します。

自動計量器によって玄米の計量を行い、袋詰めまで自動で進みます。

アーム型の積荷ロボットで袋詰めした米を輸送用のパレットに荷積みします。

注文によっては、ここからさらに精米してから出荷するワケですが、うちは酒米のため基本精米まで行います。

この時に多量の「ぬか」が生まれますが、飼料として出荷したりして、うまく循環しています。

また籾殻なんかは、うちの法人の場合はビニールハウスの畝間に敷き詰めて、ふかふかの地面で快適な作業をしつつ、ケイ素を圃場に与えています。

一般的にカントリーエレベーターとは、お米などの穀物を貯蔵する大型の倉庫のことで、乾燥から出荷までの作業を行っており、大型乾燥機と温度と湿度が保たれた大型の貯蔵サイロや籾摺り機などが設置されています。

ライスセンターはお米の乾燥、籾摺り、袋詰め、出荷までを行う施設で貯蔵までは行いませんので、うちはどちらかというと「ライスセンター」に近いのかなと思いますが、品質管理のためにカントリーエレベーターにあるような遠隔監視装置をオペレータールームに設置してモニターで常に表示できるようにしていました。

これから、この設備を導入しようってところは基本、補助金とセットでやられることが多いと思いますがイニシャルは補助金込みで見積もり出されますので、決して安くありませんし、イニシャル回収まで時間がかかるので、信頼できるアグリコンサルタントに依頼するなどして、直接導入した方が断然お安いと思いますよ。

さて次回からは、自社では手の届かない、人工衛星で収穫時期を捉える技術を紹介させていただきたいと思います。

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地方で農業生産法人を起業、HACCP食品加工場、外食事業や宿泊施設、酒蔵 、学校法人、貿易、海外合弁会社、物流会社やデザイン事務所の経営をしてきましたが売却して、地方創生のファンドマネージャーしていました。コロナ渦に思うところあり、新しくアグリビジネスを立ち上げました!

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脱サラ後に農業生産法人を立ち上げて、5年で年間売上10億円規模にまで成長させました。農家は栽培技術にばかり目がいきがちですが、効率化の余地はまだまだたくさんあります。農業には無限の可能性を感じています。