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法隆寺を支えた木

「宮大工」の現場を知る人は少ないと思います。私も無関係ではないのですが、現場は全く知りません。自分のルーツを知りたい気持ち半分とnoteやTwitterで知り合った「のすけ」さんに紹介いただいた「法隆寺を支えた木」に興味を持ったので読んでみました。

<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">『三里四方の食によれば病知らず』<br>まさしくコレですねw<br>昔読んだ『法隆寺を支えた木』とい本にも近い意味合いの事が書かれていた気が‥<br>土地と共にめっちゃ大事(๑´ڡ`๑) <a href="https://t.co/njqh7wMo6i">https://t.co/njqh7wMo6i</a></p>&mdash; のすけ@おんらいん1st (@nosk098) <a href="https://twitter.com/nosk098/status/1281064909514567682?ref_src=twsrc%5Etfw">July 9, 2020</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

本書の筆者の弟子は、その道に達人なるには研ぎ三年といわれる工程を一年で習得したそうです。これはとても納得できる話です。

達人レベルの技術に達するにはどんな分野でも「1万時間」の時間が必要だというこれはイギリス生まれの作家、マルコム・グラッドウェルの『OUTLIERS』という、発売3カ月で全米100万部突破の大ベストセラーとなった本がきっかけとなって、一気に広まっていった考え方です。

ただし、この説に異論を唱えたのがアメリカの人気作家、ジョシュ・カウフマン。

カウフマン氏は自称“学習オタク”ということで親近感をもちますね笑

共働きのカウフマン夫妻にお子さんも誕生し、忙しさのピークにありがならも、常に新しいことを学ぶことが生き甲斐のカウフマン氏は「新しいスキルを習得するのに、どのくらい時間が必要なのか?」を調べ始め、ここで「1万時間の法則」に出会います。

1万時間というと、フルタイム(1日8時間)でやってもざっと5年はかかる計算で、4時間なら10年も必要になっちゃいます。

しかし、その法則を詳しく紐解いていくと、ひとつの誤解があることに気づきました。

それは、そもそも「1万時間の法則」は、フロリダ州立大学のエリクソン博士の研究が元となっていて、その法則はプロスポーツ選手や、世界的な音楽家やチェスの名人…などなど、超トップレベルの人たちを調査した結果に基づくもので、それがグラッドウェル氏の『天才!成功する人々の法則』という本の版、大ヒットによって、一部、飛躍した解釈に変化していったということです。

伝達とは難しくも面白いもの、以下のような感じで誤解が生じたようなのです。

「超競争的な分野のトップになるために1万時間かかる」

「何かの達人になるために1万時間かかる」
「何かのプロになるために1万時間かかる」

「何かが得意になるためには1万時間かかる」

「何かを習得するのに1万時間かかる」

ここで、カウフマン氏は最後の、「“何かを習得するのに1万時間かかる”は
誤解である」と結論付けた上で、「何かを習得するためには20時間あればいい!」という結論を導きだしました。

全く何もわからない状態から始めて、どんなスキルでも、20時間あれば良い。世界レベルとか、超!のつくプロではなく、何かを習得するとか、そこそこのレベルに上達するとかなら20時間で良いとのこと。

20時間だけ集中して「計画的」に練習すれば、自分がどれだけ上達したかに驚くはずだ、と言っており、これには完全に同意ですね!

なぜ、20時間なのかについては、ここでは言及をさけますが20時間なら、手が届きそうですよね!根拠やコツなど詳しく知りたい方は彼の著書を読んでみてください。

前置きが長くなってしまいましたが、本書の感想を進めたいと思います。自然産業に関わる身として宮大工として使えるヒノキが枯渇しているという事実、伝統ある職、アルチザンが消えゆこうとしています。

人間というものは土から生まれて土に還る。木も土に育ってやがては土に還る。建物だって土の上に建てるから、土を忘れてたら、人も木も塔もないと筆者の祖父はいいます。

これは真理を突いているなと思います。土がなければ木もない。もっと言えば食べ物や文化だってなかったのです。

やれ時代はSDGsだなんていわれておりますが、いったいどれだけの人が環境への取り組みに対して正しく理解しているのか私はいくぶん懐疑的です。

様々なビジネス書にも言えることですし私の出している書籍でさえ含まれている話だと思いますが、多くの場合ダイレクトに課題解決を提示した本よりも、こういった経験者の話や小説からのほうが多く学べるものです。

筆者も宮大工の勉強から始めたのではなく農学校での学びから、根の張り具合で木の良しあしを見極めるようになったそうです。

樹齢2千年から25百年の老木クラスのヒノキにおいて中には、まるで若木の様に、枝や葉に勢いのある木があるそうで、そういう木は決まって中が空洞だそうです。

樹齢相応に、老いに風格がある木というのは芯までしっかりしており、その見た目とは裏腹に充実した木なんだそうです。

これは樹齢のいった老木なのに若々しい木というのは、木の皮だけを養えば良いのですから見た目はよくなるということらしいです。

この辺り人生にも通ずる心理がある気がして読み入りました。

是非お皆さんにも読んでいただきたい良書でございます。



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地方で農業生産法人を起業、HACCP食品加工場、外食事業や宿泊施設、酒蔵、貿易、海外合弁会社、物流会社やデザイン事務所の経営をしてきましたが売却して、学校法人の経営や地方創生のファンドマネージャーしていました。現在は経験を生かしてキャリアコンサルに従事しています。

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