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《6》181104:湖魚祭り

くもり

事前に島民の方にどんなお祭りなのかきいてみたけど、みんなどんなお祭りかよくわからないとのことだった。

町のお祭りなのにそんなことってあるの。

行ってて何か収穫があるのか怪しいな〜と内心思いながらもバザーをするとか、湖魚を佃煮にして売るとか、夏祭りに出る予定だった鮒寿司が食べれるとか、そんな噂をパラパラ耳にしながら向かった。

運動会に台風続きで参加できなかったため、夏祭り以来のお祭りだったので一来島者として何かのお祭りに参加出来ることにはすごくワクワクしていた。


今回は学部3 年生の後輩と、名芸M2 の韓国人留学生の方が調査に同行してくれた。後輩は高木の卒業設計の敷地調査にもきているので昨年の夏以来約1年ぶりの沖島だった。

今回の調査から高木が大学で大きいビデオカメラを借りてきてくれた為、美しい映像、日常を切り取ったように伝えられる絵が撮れることに期待が膨らむ。

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雨の予報だった為、開催を心配していた。

今年は調査に悪天候が重なることが多い。

曇りの琵琶湖は、空と湖面と奥の山との境界が曖昧になる。

沖島に通いだしてから、“ 水色” と呼ばれる色の多様さに気づいた。

琵琶湖が持っている色は何色あるんだろう。

琵琶湖の色のパレットがほしい。

つうせんが二便でるほど人がきていた。

今回もいつものつうせんと違う方に乗り込む。

船内で太郎さんに会い、なんてことない話をしながら島へ向かう。

こういうなんてことない話ができるようになったことが心から嬉しい。

お世話になっているコミュニティデザイナーの方が「人に会いに行くっていうのが目的に田舎に人が集まるのが理想なんだ」とおっしゃっていたことの意味がなんとなくわかる。

港につくと漁業センター前の自転車たちは片付けられ、出店が出ていた。

ハッピを着て呼び込みをする島民はどこか少し楽しそう。

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あれだ、学園祭の雰囲気だ。

いらないカードを売る小学生、家にある骨董品を売る人、得意なコーヒーを淹れる人。横一列で物凄い個性。

小学生たちは不用品と別にレモネードを売っていた。つうせんが着いて新しいお客さんが来たのがチャンスなのだろう。枯れるほどの大声で呼び込みをしていて可愛らしい。

島でとれたレモンらしい。なんだかすごく美味しそうだった。

これも授業の一環なのかな。

ほんっとうにいい匂い・・・。に、混じって鮒鮨の匂い。

ワカサギの横では、鮒鮨のピザを作って売っている。

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夏祭りで出展するはずだった噂の鮒鮨ピザ。鮒鮨とピザは喧嘩せずにマッチするのだろうか・・・。このピザを焼く為に立派なオーブンをレンタルしていた。

本格派。

漁業倉庫に移動すると、夏祭りで屋台が出ていたところに三輪車が並んでおり荷台に商品を売っている人もいた。

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漁業倉庫入り口ではワカサギの天ぷらやモロコの素焼きが売っている。

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鮒鮨ピザ、みんなで一枚購入して食べてみた。

やっぱり鮒鮨は鮒鮨の主張してた。米!発酵!チーズ!!

発酵×発酵だから好きな人は好きなのかもしれない。高木は相変わらず美味しそうに食べていた。

「若い人には苦手な人がたくさんいるから、少しでも食べやすくなれば」という意図で作られたらしい。

郷土料理だからとそのまま無理やり食べさすのではなくて、研究して手を加えて、これなら行けるかなと探ってくれるような姿勢がとても嬉しく感じた。

どんな形であれいつかは美味しく食べられるといいな、鮒鮨。

何と食べれば食べやすいんだろう。
ちゃんと食品開発で考えられたら物凄く化けそうな気もする。


漁業会館内は、葦を用いたランプや写真の展示、丸子船の模型の展示など、さながら文化祭だった。夏祭りの時のように、外部からミュージシャンを呼んでいてギターと歌声が響くと一帯は一気にウキウキした雰囲気になる。

こういう自分ができることややりたいことを各々をするお祭りって何にも縛られなくて自由で優しくていいなぁ。

湖魚祭り、想像以上に優しいお祭りでとても癒された。

宗教的なお祭りのように、存続に悩まされる感じや、準備や役割がしっかりある時のピリッとした空気が全くなく、ただ好きなように商品を売る感じも心地よかった。例えるなら、「どうぶつの森の中の文化祭」のような雰囲気。

フラフラ見てるとしっかり呼び込みされるし、個人で売っている佃煮はふだん漁港買える物より値段設定が高い感じも関西っぽくてよかった。

途中、新聞か何かの取材を受けた。

名古屋から来ているんですね!ということを話したのだけは覚えているけど、あっという間の出来事で何がなんだか分からなかった。なんなら高木のゴツいビデオカメラで、こっちの方が取材班っぽさ出てたかも。

漁港あたりを離れ、いつも泊まらせてもらっている古民家を覗くと、島娘体験をやっていた。もんぺを着て島を歩き、記念写真を撮れる。呼び込みの看板をよく見ると試着させてもらった時の私たちの切り抜きが呼び込みを手伝っていた。今日で既に何組か体験していったらしい。

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あぁ、お祭りだなぁ。なんだかホクホクする。

留学生の方は今回の旅で何を感じたんだろう。韓国の田舎とどう違ったのかな。
佃煮を気に入って買っていってた。
分かる。沖島の佃煮は美味しい。エビ豆とか特に。

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ホンモロコの素焼き、ばりうまでした。
箱で台を作って商品を並べるのではなくて
三輪車を販売台にして移動販売車にしている光景は
島民の転用の何気ない本気を見れたし、
三輪車が足でもあり一番身近な便利ツールなんだと思った。

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