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話題作三者三様レビュー『スウィング・キッズ』1日目

こんにちは、チア部の藤原です。

今日から京都シネマで『スウィング・キッズ』の上映が始まります。
私を含め、今作を観ている部員が3人いたので、それぞれの鑑賞レビューを3日続けて載せていきたいと思います。

↑京都シネマの上映スケジュールはこちらから
※行かれる方は感染予防対策についてのお知らせも要チェック。
また、劇場になかなか足を運べない状況ですので、自宅待機中の方は家にいながら、私たちのレビューで少しでも気持ちを高めていただければ…

あらすじ

1951年、朝鮮戦争の真っ只中。
捕虜として巨済捕虜収容所に入れられている収容所一番のトラブルメーカー、ロ・ギス。彼の兄は、前線で戦い「人民の英雄」と呼ばれ北朝鮮の人民軍に崇められているロ・ギジン。そんな兄を持つことから、収容所内でも、アメリカ人相手に何か反乱を起こしてくれるのではないか?と周りにすごく期待されているが、実は、ギスは、敵であるアメリカ人が踊るタップダンスに興味があって…

「幸せいっぱいミュージカル映画」ではない

日本の予告映像からは「アメリカ人兵士と捕虜がタップダンスを踊ることで友情を育む」映画という印象を受けます。
そういう映画である事は間違いないのですが、この映画、予告で受ける印象より恐らく何倍もヘビー。捕虜の反乱や戦争で心や体に傷を負った人達の描写も多く、幸せなダンスシーンから一転してどん底に落とされることもしばしば。同じく戦時中が舞台の『サウンド・オブ・ミュージック』を観に行くような心持ちでいくと心が折れてしまうと思います。そこだけはご注意を。

ついつい口に出したくなる!"fu●kin' ideology"

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劇中に出てくる、何とも強烈な言葉"f●ckin' ideology"
「政治思想」「社会思想」などと訳されるイデオロギー。ここでは北朝鮮・ソ連側の共産主義と韓国・アメリカ側の資本主義という事になるでしょう。
そんなものが存在しているがために、ギスは最後の最後まで、迷わなくてはいけなくなるのです。他の捕虜の期待に応えて、打倒アメリカ!で反動分子のアカとして戦うのか、それとも大好きなダンスを踊るために他の全てを投げ出すのか…
マトモな世の中なら本当はそんなことで迷う必要が無いはずなのに…
そんなギスを観ながら、思わず画面越しに叫びたくなります。
fuckin' ideology!!!!!!!!!!!!!

EXO・ディオ(D.O.)の鬼気迫る演技

私、KPOPアイドルには疎くて、主人公のロ・ギスを演じるド・ギョンスさんがアイドルグループEXOのメンバーだという事を鑑賞後に知りました。どうやらEXOメンバーには本名の他に愛称があるようで、彼はD.O.と書いてディオと呼ばれているそうなので、私も今回はディオと呼ばせて頂きます。ディオと言えばジョジョに出てくる人間をやめた彼しか知らなかったので、新鮮です。

このディオが…すごいんですよ。
まず圧倒的なダンスの能力。そして引き込まれる演技。

ダンスについては、アイドルだからできて当然!と思われるかもしれませんが、今回、劇中で踊っているのはタップダンス。アイドルのダンスとは全く別物です。約5か月の練習を経て、撮影に挑んだそうです。天才的なダンスの才能を持つギスは、見よう見まねでぐんぐんタップの腕をあげていくのですが、その映像表現を可能にしたのはディオ本人のタップダンスの上手さに他なりません。

↑ダンスの話や方言指導の話など…

また、彼の演技ですが、うまく表現するのが難しいですがとても光っているんです。アイドルである事も関係あるのでしょうか…画面にいれば図がキリッと引き締まるような、スター性、オーラのようなものを感じます。
スター性というのはある程度は天性のものだと思っている派なので、もうこればっかりは論理的に説明できません!(ちゃんとスター性があるだけじゃなくて演技もうまいです笑)

まとめ

「絶対に観たい!」という感じでは無かった今作、フィルマークスのオンライン試写会が当たったので鑑賞し、だいぶ心に刺さり、大満足。フィルマークスさん本当にありがとうございました(ゴマすり)。
今作に出会って感じたのは「やっぱり韓国映画の勢いがすごい!!」ということと「韓国のアイドルすごい!!」ということ。アイドル主演となると、どうせファン向けの映画でしょ、と敬遠してしまう人も多いかもしれませんが、そんな偏見で可能性の幅を狭めるのはもったいないです。
私にとっては映画との偶然の出会いの大切さも思い出させてくれた作品でした。

(藤原)

参考

https://www.cinematoday.jp/news/N0114256

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