PFASとはどのような物質か?③PFAS汚染はこんなに身近に🥺
PFASが私たちの環境に侵入する経路にはどのようなものがあるのでしょうか?
日本ではあまり取り上げられていないPFAS汚染。
でもこんなに身近なのです🥺
私たちも他人事ではありません😭
前回のnoteからの続きです。
1, 工場
PFASとPFASを含有する商品を製造する産業はその工場が汚染源となります。
汚染排気を大気中に汚染排水を河川に垂れ流しています。
日本の清水市の工場でも労働者が深刻な影響を受けました。
2, 軍用や民間の空港
軍事基地は数十年間にわたって泡消火剤AFFFを環境中に放出してきました。
火災の後の消火剤は雨水溝に入り、風で飛散しました。
2020年3月時点で米国内の約600カ所の基地に汚染の疑いがあります。
PFASは基地から近隣地域の飲料水の取水源に流出していました。
米軍は日本の基地についてはPFASに関する情報をまったく公表していません。
中国や韓国、オーストラリアの民間空港でも泡消火剤汚染が起こっています。
3, ごみ処理場
1990年代までのごみ処理場は不透水層で覆うようになっておらず、ゴミは更地に直接投棄されていました。
そのためもあり、有害物質が地下水から周辺一帯に拡がりました。
世界中でPFAS産業廃棄物処理は汚染の拡大原因でした。
地方自治体のごみ処理場も汚れにくいカーペットのようなPFAS処理された日用品・家庭用品の投棄によって汚染源となりえます。
4, 排水処理場
工場やゴミ処理場から排出されたPFASは水路を介して排水処理場に流入します。
排水溝の汚泥を肥料用に農家に販売している米国では、このような土地で飼育された家畜の食肉や牛乳などの農産物にPFAS汚染が拡大します。
5, 食品包装
2008年米国食品医薬品局はPFASが包装紙から油脂分を介して食品に移ると発表しました。
これらの包装紙はゴミ処理場で処理されPFASは土壌や地下水を汚染します。
6, 食品
家畜のPFAS汚染は下水汚泥に由来することが知られていますが、汚染水に生息する魚類や貝類と同じように食肉に高レベルで蓄えられます。
海外ではPFASは卵や牛乳からもみつかっています。
汚染土や汚染水で育った収穫物にもPFASは蓄積します。
部位にもよりますが、長鎖のPFASは根に蓄積しやすく、短鎖のものはイチゴやレタス、セロリなどの果実や葉野菜に蓄積しやすいです。
7, こげつかない調理器具
テフロン加工の調理器具についてPFASが組み込まれていると有名です。
ケマーズ社(2015年にデュポン社が転身した会社)は「通常の温度で使用すれば、一般消費者、商用の利用のいずれも安全に使えます」としておりテフロンコートの粒子は「摂取しても害はありません」と保証しています。
しかし、燃焼した煙を吸い込んだときの安全については疑いがあります。
8, 歯間フロス、化粧品など美容関連製品
水をはじいて、歯と歯の間をよくすべるようにした歯間フロスにはPFAS含有のものがあります。
化粧品もPFASを含んでいます。
2018年、米国のNPOはメイクアップ製品、シャンプー、シェービングフォーム、日焼け止めなど200製品から異なる13種のPFASを検出しました。
なかでもファウンデーションは最悪でした。
9, スキーとスノーボート
PFAS含有ワックスは、泥や水をはじいて摩擦を減らしスピードを出す目的で、スキーやスノーボードのコート剤に使われています。
ワックスを塗り直す工程で、古い層をはがしたときに出るほこりや煙も汚染の原因です。PFAS含有コート剤は、滑走中に剥離して土中や地下水に入り、環境汚染の原因となります。
10,家庭内のホコリ
多くの国で、ホコリからもPFAS汚染がみつかっています。
戸外も問題ですが、屋内にも汚染したホコリが蔓延しています。
家の中で主な発生源となるのは、水分をはじいて汚れにくく加工したカーペット、家具、床材などです。
家庭のホコリによる汚染は成人では少なく子どもに多くなっています。
乳幼児は大半の時間を屋内で過ごし、その多くは床の上で過ごしています。
ホコリを吸うだけではなく、口に物を入れることが多く、飲料水や食品からの汚染に加えてPFAS値を高めています。
参考文献
「永遠の化学物質 水のPFAS汚染」岩波ブックレット
執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン