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PFAS汚染を知っていますか?映画紹介「ダーク・ウォーターズ・巨大企業が畏れた男」

皆さん「PFAS」という言葉を聞いたことがありますか?




PFAS(ピーファス)とは、世界中で約4700種類あるとされる有機フッ素化合物の総称です。
要するに化学物質です。

PFOSとPFOAは代表例で、水や油をはじくという便利な性質があるので、フライパンのコーティング(テフロン加工)や衣類の防水加工、ハンバーガーの包装紙、大きな火事に使う泡消化剤まで広く使われています。


自然界でほとんど分解されず、生き物の体内に蓄積されやすいため、人の健康に影響が及ぶことが心配されています。

これまでの研究で主に指摘されているのは、肝機能の低下や血清総コレステロール値の上昇、生まれた子どもの体重低下などです。
腎臓がんや肝臓がん、乳がんなどのリスクも上昇するとされています。

つまり結構ヤバめの物質で、国際的に問題視されているものです。

このように健康に悪影響のある化学物質PFASが水道や河川、井戸の水から検出されています。
それは、アメリカだけでなく、実は日本でも河川や土壌から検出されているのです💦


PFASについてはアメリカで少し前から社会問題になっていました。

2016年ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事には、米ウエストバージニア州でコミュニティーをむしばむ環境汚染問題をめぐり一人の弁護士が十数年にもわたって巨大企業と闘いを繰り広げてきたことが書かれていました。

この闘いを描いた映画が実はあります!


「ダーク・ウォーターズ・巨大企業が畏れた男」(2019年 米)

製作・主演 マーク・ラファロ


Story

1998年、オハイオ州シンシナティの名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットは、隣のウエストバージニア州の農場主W・テナントから調査依頼を受けます。
大手の化学会社デュポン社の工場からの廃棄物で土壌と水が汚染され牛が死んでしまったと訴えてきたのです。

ロブは環境を専門にする弁護士でしたが、企業側の弁護士でした。
しかし、祖母の知り合いということで現地に調査にでかけたロブが見たものは、死んだ牛の死体の山とその牛の変形した歯や内臓、そして急に獰猛になって人を襲う牛の姿でした。
190頭もの牛が死んでいたのです。

原因がわからないままとりあえずデュポン社に廃棄物に関する資料の公開を請求し、届いた大量の資料を読み解いて見ると、どうやらPFOA=C8という物質が関係しているということがわかります。
そしてこのPFOA=C8について調べていくと、この物質はテフロンを製造する過程で作られ、このテフロンの製造に関わったデュポン社の従業員が重大な病気や障害におかされていたことがわかったのです。
テフロンに関わった女子従業員が産んだ子どもには重大な障害がありました。また多くの従業員ががんにかかっていました。
しかもその事実をデュポン社は40年間も隠蔽していたのです。

ロブはテナントと共に巨大企業デュポン社を訴え、私生活も他の弁護の仕事も犠牲にしてこの裁判に没頭します。
さらにPFOA=C8が近隣地区の水道水から検出されます。
不安にかられる近隣住民。

PFOAと病気との関連を調べるために近隣住民の血液検査をします。
病気との因果関係が明らかになれば、医療費や賠償金が受け取れます。でもあまりに大量のデータなのでなかなか結果がでません。

何もできないまま時間ばかりがたち、住民からも非難され、しだいにロブは追い詰められていくのでした・・・



この映画の製作・主演のマーク・ラファロは環境活動家で2016年ニューヨーク・タイムズの記事でこの問題を知り、この映画を作りました。



2001年に約3500人の住民がデュポン社を提訴。デュポン社は17年、住民に6億7100万ドル(約1000億円)を支払うことで和解しました。
全米各地で化学メーカーに対する訴訟が続出し、3Mなども多額の和解金を払うことになりました。


PEFAS汚染、日本でも実は問題になっています!
私は関西の河川について話を聞いてきました。
その詳細を次のnoteに書いていきます。



執筆者、ゆこりん

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