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【職人の道】半人前

いつの間にかムートン屋なんですが、日々ムートン縫ってます。
勤め始めたころは本当に驚くことばかりでした。
工場ですから、輸入商品の入荷でムートンカーペットが山積みになっていてすごい量でした。昼休みは山積みのムートンにもたれ休憩してました。
入荷したカーペットには見るからに安物の生地がついていて、中にウレタンが入っています。生地を破りウレタンを取り除き、生地と表面のムートンとカッターナイフできれいにカットします。
日本製のきれいな高級感ある生地をつけるため、セットしてマーキング。
ベテランの職人が縫っていきます。
 その時の社長が、「わしと同じスピードで縫ったら、給料倍にしたる。」と言われたので、本当に日々もくもくと縫った。
だからスピードは上がった。
2か月ほどしたら、激しい腰痛がする。
今まで長時間座って、ミシンなんかしたことがなかったところに、一気にしたものだから体の硬直と緊張で椎間板ヘルニアになる。痛かったなー。
1か月ほど養生し復帰したが、「当分ミシンやめとけ」となる。
まあ当然のこと。
で、ミシンではなく下請け回りやら運搬してた。
いろいろな覚えることは沢山あった。下請け行けば縫製している人たちの作業を見ることで学ぶことはあった。
作業についても、カーペットの裏を外す時に、まあ色々なものが出てくる。
 裁ちばさみ(おおきい)糸切ばさみ、5センチくらいある縫い針、キャンディーの棒、小石、石(こぶし大)他色々。

なんでと思うことはいつものこと。
工場には検針機といううものがある。今では当たり前の機械なのだが
当時、中国にはない工場もあったみたい。
で、日本で検針をすると、反応するはするはで大変だ。
反応したら、レベルメーターを見ながらもう一度通す、全開MAX 大物です。なった付近をハンド検針で再度探す、出ました、手縫い針です。

 濱口くんの「捕ったぞー」です。
で、また通すとまた感度MAX反応なんてことも多々あり。
探すのはうまくなりましたよ。
1ミリぐらいの折れ針なんかほんとに大変。縫ってある間に挟まっているもんだから、神経研ぎ澄まして探します。

次回に続く。