新しい風
朝礼で社長が言った
「最近わが社の経営があまりうまくいっておらん。そこで新入社員を入れてわが社に新しい風を吹き入れてみようと思う。」
さっそく求人を出して、新入社員を雇った。
「気づいたことがあったら遠慮なくいってほしい。わが社には君のような若い人の感性が必要だからな。」
新入社員は仕事を覚え始めたころに、自分が思ったことを社長に伝えた。
「このやり方だと使いづらい人が多いと思うので、変更してみてはいかがでしょうか?」
「そうか?そこに関しては誰からも何も言われていないからな。急に変更すると戸惑う人もいるかもしれないから変えなくてもいいだろう。」
しばらくして、また新入社員が質問した。
「ここの箇所ですが、このようにしてみてはどうでしょうか?」
「う~ん、それを変えるのはなぁ…わが社の伝統というものがあるからな。」
また別の機会に質問した。
「これはこうしたほうが効率がいいのではないでしょうか?」
「君は効率効率言うけどね、我々には我々のやり方があるんだよ。」
その後、新入社員社員は会社を辞めた。
次の日の朝礼で社長が言った。
「全く最近の若者はすぐに仕事を辞めるな。新しい風はいつ吹くのやら。」
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