人口減少は間違いなく危機である

最近、いまだに“日本の人口減少は問題ない、労働力はロボットやA Iで解決する、むしろ人口が減った方が良いくらいだ”と言っている人々がいるのは驚きだ。

確かに江戸時代は今の日本よりはるかに少ない人口で電気・ガスもなしに文化的な生活が営まれていた。当時の寿命ははるかに短く、“避妊”の知恵も道具もなかったので子沢山でした。しかし、現代ではいろいろ事情が異っている、単純に考えるべきではない。

人口減少問題は、出生率低下、高齢者の寿命伸び、人口の東京集中などの多くの問題と合わせて考える必要があります。

就労可能人口が減り、高齢者が増えると言うことは、単に労働力不足が発生すると言うことだけではない。
*一人の労働者がより多くの高齢者の生活を支える必要がある。
*だから一人の労働者がより多くの税金、社会保険料を納めることが求められる
*そのためには労働者の所得が物価上昇以上に増えなければなりません。
*現在のように物価は上がるが、賃金の上昇が追いつかない状態では高齢化社会は支えられません。

次に幾つかの視点で予測してみましょう。

1.技術開発は間に合うか?
自動運転の電車、バス、タクシー、自家用車が実用化されればずいぶん便利になるでしょう。ドローンの活用も期待したい。しかし、現段階では長距離トラックの運転手不足、街中を走る乗合バスの運転手不足は深刻です。便数は減り、生活に支障が出始めています。残念ながら技術開発は追いついていないのでは?

2.ロボットやA Iはどんな仕事もできるのか?
社会の多くの場面でロボットが活用され省力化が進んでいます。しかし、人間のやることを全てロボットで置き換えることは困難でしょう。
ー警察活動
ー消防、災害救助活動
ー高齢者の介護
ー郵便配達
ーゴミの回収

そして何よりもロボット、A I、半導体などの開発、運用をする人

ロボットやロボットアームはいろんな分野で既に省力化の役に立っていますが、それを開発しているのは人間です。人口が減少するにつれて、必要とされる人間はより高度な頭脳と技術を持った人々になるでしょう。

3.教育の確保

少子化が進んでいるので小中学校の教師が余っているかと思いきや、教育現場からは教員不足の悲鳴が聞こえています。どのように対処すべきなのでしょうか?

2。食料の確保

人口減少に伴い、人々は都会に集中するようになるでしょう。その場合農業従事者が減少し食料自給が難しくなる可能性があるのでは?

気候変動の問題もあり、野菜を工場生産する動きは増えています。しかし、田畑が放置されるようになった場合お米はどうなるでしょう。全ての食料を工場生産にする技術は間に合うでしょうか?。

山間部の若者が都市へ移動し、限界集落が消えていくことはやむを得ないでしょう。
しかし、平野部に広がる農地では若者が留まり食糧生産を継続できるような農業振興策が必要でしょう。

3.近親結婚の増加

まだずいぶん先の話ですが、人口が減ると結婚相手を探すのが難しくなります。その場合開近親結婚が増加、結果として健康でない人が増える恐れがあります。

人口の減少は消費の減少でもあります。問題はどうやってバランスを取るかです。ー世代別人口構成比
ー男女の比率
ー産業の分野別構成比率
ーインフラ、特にエネルギーと水の確保
ーハイレベルな科学者の育成
ー基礎医療(小児科、産科、婦人科)従事者の確保

等、いろいろな分野で適正なバランスを保つように国が政策を実行していく必要があるでしょう。