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激しい頭痛の鑑別で忘れてはならない可逆性脳血管攣縮(RCVS)について


こんにちは。今回は雷鳴頭痛の鑑別として非常に大切なRCVSについてです。

とにかく痛いわけで、くも膜下出血や椎骨動脈解離などと同様に注意が必要です。

脳の血管が狭くなるのは1-3週間続く頭痛のあとが多いです。頭痛後2-4
週間後に血管が狭くなり、12週間以内に改善しますが、片頭痛だと思ってトリプタンという発作時の薬を使ってしまうと、脳梗塞を誘発してしまう危険性があります。そう、トリプタンは禁忌です。ちなみに脳梗塞になってしまうのは7-50%です。20-50代の若年から中年の女性に比較的起こりやすく、これで後遺症をのこしてしまったらとても悔いが残ります。

以下、箇条書きですが、まとめていますのでご参照ください。

Reversible cerebral vasoconstriction syndrome:RCVS:可逆性脳血管攣縮

20-50代、女性
突然の激しい頭痛 1~3週間、繰り返す
脳動脈の可逆性分節状攣縮 12週間以内に改善
high convexity に限局したSAH(20%)、ICH(6%)、脳梗塞(3%)
CSF:軽度の細胞数と蛋白上昇

誘因として、妊娠、出産、産褥、ポルフィリン症、高Ca血症、褐色細胞腫、性行為、入浴、CEA、薬剤(ブロモクリプチン、エルゴダミン、SSRI、コカイン、アンフェタミン、エフェドリン)、外傷、術後など

治療>
Ca拮抗薬、ステロイド
トリプタンは禁忌

予後>
脳梗塞 7-50%
半数が無症状、半数が軽症
70%は後遺症なく改善。

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