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2020年猫騒動

我が家には猫が二匹います。
一緒に暮して7年になります。
オスとメスの兄妹でフジとナスビという名前です。
「一富士二鷹三茄子」から名付けました。
なんとも可愛い猫たちですが、先日、オスのフジがいなくなりました。
迷子です。
迷子という言い方は人間側の考えで、猫にとっては、この支配からの卒業、なのかもわかりません。
とりあえず、我が家からいなくなってしまいました。
飼い主連中(我ら夫婦)は大騒ぎです。
これが2020年猫騒動です。

では、この騒動の経緯を説明しましょう。
長い上に面白みが無いと思いますので、

=====この続きをみるのは暇な人だけ=====

2020年6月4日、気温が高くて蒸し暑い日でした。でもエアコンをつけるまでもありません。風は気持ちよく吹いていたので、ベランダの窓を開放に、玄関を半開きにして風の流れを作っていたのです。
我が家の猫は二匹ともビビりで、ベランダに出るのにも胸をピタリと着けて匍匐前進みたいに歩くぐらいビビりです。病院に行く時もゲージの中で泣きっぱなしでお漏らしするぐらいビビりです。なので外になんか出て行ける度胸はない、と思っていた飼い主なので、部屋をそんな状態で何も考えずに過ごしていました。
映画だったら真心ブラザーズの「サマーヌード」が流れているシーンですね。

私は玄関寄りの仕事部屋で仕事をしていました。締め切りが近いので、とても集中して仕事をしていました。
カミさんが午前中に掃除機をかけていた時は、音にビビって隠れていた、というのが最後の目撃情報です。その後、飼い主たちは昼ごはんをリビングで食べたのですが、当然いる、と思っているので気にもしません。そして15時に猫たちにオヤツをあげようと袋をシャカシャカしました。そしたら、なんと!ナスビしか寄ってきません。いつもはシャカシャカするだけで2匹とも勢いよく近寄ってくるのに、フジがいないのです。
名前を呼んでも出てきません。クローゼットかな?と探してもいません。いそうな所をくまなく探してもいません。もしや、外に出ていったのでは!
はい、大捜索の開始です。
映画だったらRADWINPSの「前前前世」が流れているシーンですね。
探しだしたのは今世ですけど。

とりあえず、玄関前の廊下を見渡しますが、いません。
ここはマンションの12F。もしや落ちたかも!と頭をよぎり下を覗いてみましたがいません。
内階段で13Fへ。いません。その上は屋上のみ。下に行ったかと、猛ダッシュで階段を降りました。しかし1Fまで姿を見ることはありません。
駐車場に出て、車の下を覗きこみ、名前を呼んでも反応なし。
どんどん焦ってきて、汗が止まりません。
一度部屋に戻ってカミさんと情報交換。ベランダから下を見てもいません。もう一度家中を探してもいません。いつもの様にヒョンと出てくると思っていた軽い気持ちが、どんどんどんどん、やべぇマジいねぇ、に変わっていきました。
そして、今度はカミさんが外階段を往復。いません。
同じ階の方々に「ウチの猫見ませんでしたか?」と聞いて周り、マンション住民の方々も一緒になって探してくれましたが見つかりません。
管理人に頼んで屋上の鍵を開けてもらい捜索。いません。
監視カメラをリアルタイム再生で確認してもらってもマンション玄関からは猫が出ていった姿は写っていません。
はて、どこに行っちゃったのでしょうか。

あんな臆病なフジが本当に外に出たのだろうか?階段を下れるのだろうか?駐車場を走って塀を乗り越えられるのだろうか?
ん〜どれも想像ができません。
マンション内で隠れることができる場所って意外と少ないのです。
玄関横にあるガスのメーターボックスぐらい。しかもそこは網格子になっているので、壊れている住居の所にしか入れません。かなり限られてきます。
なので隙間のある網格子を見ては、一部屋一部屋覗いて、名前を呼びかけました。でも、いませんでした。
もう隠れる場所なんて無い!と為すすべ無し!

さて、一度部屋に戻り作戦会議。
保健所、動物愛護センター、警察など各所に電話し迷い猫登録。ネットでも迷い猫告知をし、協力をお願いしました。
そして、室内猫が脱走した場合、ほとんどが自宅から半径50mで見つかっている、ということを聞き、近所の猫家族は、誰もが『絶対に近くにいる』と言います。『昼間は隠れてジッと息を潜めている』『臆病となれば絶対に動いていない』『まだ部屋にいるんじゃない?』
でも、2時間おきに同じ場所をグルグル回って、もう近くを探し尽くしました、、、。

階段の上り下りで飼い主は二人揃って筋肉痛になり、ヘトヘトで機嫌が悪く、ベビーはそんな親を感じるのか泣き叫びミルクを飲まない。なんという悪循環。さらに疲れがたまり意識が遠のいていきました。
その日は、玄関前に猫バックを置いてお気に入りの餌を入れておきました。
どこにいるのかを想像しながら眠りました。
映画だったらMr.Childrenの「Image」が流れているシーンですね。

翌朝、玄関前の餌には変化はなく、やはり遠くに行っちゃったんだなと思いました。
そして次なる手段は、チラシを作り宣伝すること。
カミさんがフジの写真を集めてデザイン。いざプリントアウトしようとしたら家のプリンターが故障してできないという事態。なのでバイクでキンコーズに行き、したくもない登録をし100枚刷ります。
それを近所の電柱に貼ったり、近隣へのポスト投函、ピンポンして直接配って情報収集をしました。
映画だったらブルーハーツの「僕の右手」が流れているシーンですね。
さらに相方のナスビの泣き声を録音し、再生しながら近所を何度も何度も見回りました。近くの公園で餌をあげている方々にも声をかけ、這いつくばって車の下を覗き、こんな所にいるはずない、と思いながら草むらを一生懸命探しました。
映画だったら山崎まさよしの「One more time,One more chance」が流れているシーンですね。

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そして、猫探偵に電話して、捜索のコツを聞きました。
・オシッコ付きの猫砂は匂いが遠くまで届くので有効なので、それを持ち歩いて探したり、自宅の周りに撒いておくと安心して遠くに行かない。
・昼は警戒して隠れているから、夜捜索する。
これは真似しようと思い、オシッコ付き猫砂をマンションの死角になる所に置いていきました。

2日目は3時間おきに近所を周り探しました。一向に見つからず、前日の筋肉痛も悪化し、飼い主二人は黙ってご飯を食べ険悪な空気さえ漂います。
そして、見つからないまま夜になり、前日と同じ様に玄関前に猫バックを置き、おしっこ付き猫砂とエサを入れておきました。

そして、夜中の3時。
ベビーのミルクの時間に起きたカミさんが玄関に置いたエサを見て私を起こします。
「エサ撤去した?無くなってる」と。
これは近くにいるのかも知れない、とマンションを忍び足で13Fから12Fから11Fへと捜索をしていきます。そんな事をしていたら、同じ階に住む方が出てきて「ここに猫がいました。ガスのメーターボックスの中をのぞいてました」と、なんとも希望のある情報をくださいました。
生きている!近くにいる!ということで、胸が高鳴り一気に捜索開始!でも夜中だから忍足。外階段で上の階から捜索。10Fあたりでジッと耳を澄ましていると、確かに聞こえる猫の小さな鳴き声。いる!いる!その方向へと、ジワリジワリと近づいていきます。
すると反対側の階段から妻が手招きをしている。大振りの手招き。見つけたか!と忍足の猛ダッシュ!私は忍者になれるかもしれないと自信がつきました。そしてカミさんが「捕まえた!部屋入れた!」と。確保!確保です!
もう喜びました。飼い主二人は抱き合って喜びました。
映画だったらエアロスミスの「I don't want to miss a thing」が流れているシーンですね。

フジが隠れていた場所は、やはりガスメーターボックスだそうです。しかも同じ階の。近っ!本当にビビリだな。
そして、マンション住民のなんとも温かいご協力があってこそ。こんなに一緒になってチラシ配りや捜索をしてくれるなんて!もう感謝しかありません。

ね、長い上に面白みの無い文章だったでしょ。
2020年猫騒動。「ニャオニャオ猫騒動」と覚えましょう。

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