コロナでも、国籍の弊害
(追記:2020年8月5日現在の情報によると、2020年9月1日以降は、この記事に書いたルールが改正され、外国籍の配偶者や子どもも条件付きで日本へ入国できるようになるとのことです。)
こんにちは。モトです。
突然ですが私は歯の矯正をしていて、そろそろ歯医者に行かないといけないので、夏が終わる頃には日本に帰りたいと思っています。
でも今はコロナの水際対策で、日本入国後の14日間自粛は避けられなさそうですね。
そして衝撃的なことに、夫ニコラはフランス国籍なので、日本では入国拒否されるとのこと。
か、かわいそう!!
現在、日本のコロナ水際対策では、基本的に日本国籍保持者と特別永住者※以外の入国を拒否しているとこのとです。
(※特別永住者……第二次世界大戦中、日本の占領下で日本国民とされた在日韓国人・朝鮮人・台湾人とその子孫で、戦後日本への定住などを考慮したうえで、永住を許可された人。)
日本人の配偶者でも、日本で仕事をしている人でも、留学生も、日本国籍が無ければ入国拒否だそうです。
ひょえー!!(でもオリンピック関係者は特別に入国許可するという情報もアリ。むむむ。)
フランスの場合
なおフランスの場合は、国籍で判断することはなく、あくまでビザやステータス、住んでいる国などで入国制限をします。
簡単に言うと、フランス人の配偶者である私が「フランス国籍を持っていないから」という理由で入国拒否になる可能性はまず無いです。
判断基準はあくまで、ビザがあるか?フランスに家族がいるか?滞在許可が下りているか?等のステータスです。
こういうことがあると、日本が国籍にこだわって入国制限をする理由は何だろう?と考えてしまいます。
国籍で人を判断するということ
私にとっては、重国籍を禁止し、かつ国籍で人を区別することは、意地悪のような気がしてしまいます。
人によってルーツは様々なのに。
例えば、現行の日本の法律では、親に外国人と日本人を持つ子どもは、22歳になるまでにどちらかの国籍を選んで、どちらかの国籍は棄てる努力をしろ、ということになっています。
少し前に、テニスプレイヤー・大坂なおみさんの国籍選択が話題になりましたよね。
例えばそれで日本以外の国籍を選んだら、日本の家族に会いたくても、今回のコロナみたいな事があると「日本国籍を持っていない」という理由で入国拒否される可能性があるって、悲しいし理不尽じゃないですか?(あくまで私の考えですが)
日本人の両親の元に生まれたら両親と同じ日本国籍を持てるのに、なぜ両親が日本人と外国人の場合はどちらかを棄てなければいけないのでしょうか?
ここでは国籍で判断することと、重国籍を禁止することの両方が問題だと、私は思います。
日本ではマイノリティ?でもフランスではスタンダード
ともかく現在のコロナ水際対策のルールは留学生やビジネス関係者にも弊害があると思うので、今後このガラパゴスルールが改善されることを祈っています(そうでなければ困る)。
今回はコロナの水際対策がきっかけだったのですが、普段あまり深追いをしていなかった国籍問題を、今回はあまりにも身近に感じたので、ショックを受けました。
日本は島国だからか、移民受け入れも少なく、こういった問題はマイノリティに限ったものだと思われがちかもしれません。
でも大陸国フランスでは「国籍でジャッジしない」「重国籍(複数のルーツ)を認める」というのは当たり前のことで、特に珍しいことではありません。
世は2020年。多様な国の人材が行き交う現代のグローバル社会で、今や国際結婚も珍しくなく、家族のかたちは様々です。
日本は唯一の国籍にこだわるシステムをいつまで続けるのでしょうか…?
そして最後に、この記事で書いたことはあくまで私の考えであり、私と違う意見を持つ方を否定しようという意図はありません。
ただ私は、人を国籍で判断せず、多様なルーツを持つ人間が認められる日本社会になることを祈っています。(そして、夫が私の家族として日本に入国できることを…。)
ハッとした夫の言葉(2020年7月10日追記)
この記事を書いたことを夫ニコラに話していた時のことです。
ニコラは「フランスで国籍というのは、人を差別から守るためにあるんだよ。フランスには色んな肌の色の人がいるし、喋る言葉も色々だけど、フランス国籍を持ってればみんな平等にフランス人でしょ。」と言いました。
それを聞いたらなんだか涙が出てきてしまいました。日本国籍が無いからという理由で嫌な目にあったり、悲しい思いをする人たちが、日本にどれ程いるのだろうか。
日本の国籍も、人を守るためにあって欲しいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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