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総製作費、数百億の和製エンタテイメントを見過ごすな!

今回はシナリオがイケてるんです!
たぶん、察しが付いてるかと思いますが、7/21に投票が行なわれる参議院選挙の事です。通常の衆議院選挙でつかわれるのが500億円以上という話なので、参議院選挙でも百億単位の金額が使われているのは間違いないでしょう。そんなハリウッド大作でも追いつかない金額で、日本の納税者は6千万人くらいといわれているから、単純計算で割ると既に前売りでチケット購入してるくらいの計算ですね。
それにも関わらず、毎回、予定調和のイケてないシナリオばかりだったのですが、今回はちょっと違うようです。
そう、山本太郎の奇策によって少年マンガ池井戸潤ドラマかという熱い展開になってきました。

とりあえず、その激アツドラマの始まりは6年前に遡ります。2013年参議院選挙で、前年、衆議院選で敗北を期した山本太郎が、東京区5人枠の4位で当選します。皮肉にも、その選挙では与党が圧勝。今の磐石な自民党の契機になった選挙かも知れません。

晴れて参議院議員になったわけですが、だからといって政策に影響を与えられるわけでもなく、全く身動きがとれず思うようにいきません。山本太郎政策の基本は当初から言っている原発廃止貧困層の救済のために富裕層に対して増税していくというシンプルな考え方ですが、今の与党の考え方とは正反対です。
その後、都知事選衆議院選脱原発を主張する候補者の応援を表明しますが、それらの人々が目の前で敗退していく。そして3年前、前回の参議院選緑の党から出た三宅洋平を応援し、選挙フェスに立ったのは記憶に残っています。渋谷のスクランブル交差点を埋め尽くすほどの盛り上がりをみせるも三宅洋平は落選。こうして、ことごとく自分に近い思想を持った人間が落選していく様は選挙の難しさを痛感するには十分過ぎる数字だと思います。
そして、永田町の大物小沢一郎と合流し、後に自由党となる政党を結成。これがドラマ的に言うとメンターとの出会いになるのでしょうか?ルーク・スカイウォーカーオビワン・ケノービと出会うような感じですね。
まあ、単に政党要件を満たせなくなった小沢一郎生活の党との利害が一致したという事もあるのでしょうが、政界の重鎮反逆の異端児が二人で党首をやっているという図式は面白いです。ただのタレント出身の若僧小沢一郎という後ろ楯を得た事はかなり大きな収穫だと思います。(新しく「れいわ新選組」を立ち上げた今でも街頭演説では小沢一郎の名前を出してますね。)
そんな後ろ盾あってしても、国会でできることなんて限られていると無力さに打ち震え、考えに考え抜く6年間だったと想像します。
そして、その小沢一郎とも袂を分かち「れいわ新撰組」を立ち上げるところがシーズン1のラストシーンでしょうね。

シーズン1もかなり盛り上がりますが、シーズン2が凄いんですよ!

シーズン2山本太郎一人で「れいわ新選組」を立ち上げるところから始まります。
そして「れいわ新選組」は参議院選挙に向けて政治資金を募集し、”寄付金が1億円に満たなければ、東京選挙区より山本太郎のみが挑戦。3億円が集まれば、参院選で10人(選挙区5人、比例区5人)を擁立。5億円が集まれば、参院選・選挙区の2人区以上の全ての選挙区に候補者を立て、比例代表で25人を擁立。”という目標を掲げます。
安倍晋三でもパーティーを企画して寄付が1億円集めるのがせいぜいという状況で3億、5億という数字を出す事に記者からの失笑を買います。しかし、蓋を開けてみると大方の予想を裏切って5月末には1億円を超える寄付金が集まるのです。
これは山本太郎の情熱だけではなく、6年間悩み続けて、各方面の有識者に意見をもらいながら構築した政策のビジョン知的リベラル層まで動かしたからかもしれません。

これで3億も見えた!という事で10人の候補者選びが始まるわけです。
これが「七人の侍」の島田勘兵衛ばりに一芸に秀でながら意思を持った人を次々と引き入れてくる訳です。マイノリティの気持まで汲んだ、各方面の専門的な知識を持ったプロフェッショナルを選ぶところは流石です。それぞれキャラが立っているんですよね。

今までの参議院選の定番は、全国比例の票稼ぎに知名度はあるけど政党の意志でコントロールしやすい候補者を擁立してきたのに対して、これは党首の持ち得ていない能力を持った人で補完する、正にアベンジャーズスタイルですね。

そして、山本太郎含めて9人全国比例代表で出ますが、唯一、東京比例区から出したのは、なんと沖縄創価学会壮年部野原ヨシマサという大胆すぎるチョイス。創価学会員は全員、公明党に入れるというのが習わし。これを「今の公明党は民衆救済の精神を忘れてしまった。」と揺さぶりをかけるわけです。
その他にも元拉致被害者の兄東京電力で原子力関連業務にいた はすいけ透東京大学教授やすとみ歩金融のプロ大西つねき環境問題のプロ辻村ちひろシングルマザー女性労働者の味方渡辺てる子、銀行員からコンビニオーナーへ転職し末端労働者の実情を知る三井よしふみ
そして、比例代表で特定枠で山本太郎よりも先に当選が決まる二人難病ALS患者で介護サービス授業を営む ふなご やすひこ重度障害者で在宅介護を応援する木村英子
全員が自分の著作を持ってる錚々たるラインナップです。

比例区政党の名前でも候補者個人でも良いんですが、名前が書かれた得票数の多い候補者から当選が決まっていきます。ただ、特定枠優先的に当選が決まるという特例。ただ、殆どの選挙活動が出来ないなどの制約があります。実はこれ、二つあった選挙区が一つになってしまい、あぶれた候補者救済するめに自民党の強行で決まった特例なんです。実際に当初は自民党しか利用していなかったんですが、そこにれいわ新撰組ALS患者重度障害者を入れるという大胆な選択をしました。自民党党員の保護の為の策が、図らずも障害などをもつ選挙活動をし難い候補者の為に利用されたわけです。これ、物語的にはかなりツボるとこでしょ。しかも、これが向こう6年与党に対してボディブローのようにジワジワと効果を増していくことが想像できます。

それというのも、100万票ふなご やすひこが当選。200万票木村英子まで当選。300万票でやっと山本太郎が当選するわけです。7月初めの段階で寄付の額も3億円を突破し100万票は確実と言われている今。ふなごやすひこ国会に行くことになる可能性はかなり高いんです。そうなると国会の制度も必然的に変わってきます。山本太郎政見放送で言うように、全くバリアフリー化されていない議場も変わっていくだろうし、介護人の付き添いをどうするのかなど必然的に解決しなければいけない問題が立ちあがってきます。障がい者への優しい社会山本太郎の政策とも一致していて、シーズン3への布石としては美味しすぎる伏線ですよね。

そして物語には仇役というものが存在します。それはもちろん与党陣営なんですが、これまたベストキャスティングなんです。NHKの政見放送に登場した自民党総裁 安倍晋三三原じゅん子は、ストレンジャーシングス的に言うとマインド・フレイヤーに操られてる人間のようで(ボディ・スナッチャーゼイリブで例えても良い)全く意志を感じさせません。しかもトランプ安倍晋三とのゴルフの後にツイッターで「7月の選挙後に日本との交渉の素晴らしい成果を報告出来るだろう。(要約)」なんて呟いちゃうもんだから。選挙に不利な国益を損なう約束してんじゃないかと勘ぐってしまいます。

しかし、なんといってもシーズン2山場は、有権者の4割のサイレントマジョリティーの心をどれだけ動かせるかでしょうね。
インディペンデンス・デイの大統領演じるビル・プルマン逆襲のシャアシャア・アズナブルのように演説シーンが説得力のある映画って、少々難ありかな?と思っていても熱くなって観てしまいます。それに匹敵する名演説山本太郎はやってのけます。

ただ、三宅洋平の聴衆を巻きこんで盛り上げる能力を持ってしても26万票に到達出来なかったことを間近で見ているだけに、政策面ではこと細かに数字で理攻めします。ここまで数字で提示する政党は他では見あたりません。

もちろん、シーズン2の最終回は7/21の参議院選挙です。
そればっかりは、その日を迎えて見ないと分かりません。ただ、この盛り上がってる状況でも300万票という数字は並大抵のことではないでしょう。
山本太郎、ふなごやすひこ、木村英子、野原ヨシマサ+αが当選を決め、れいわ新選組が国会を引っ掻き回すシーズン3も観てみたいですが、山本太郎が当選を逃し、議員で無くなった時、ふなごやすひこ介護者として国会に登場するシーン!そんなの観たら、俺泣くね、絶対!
そして次の衆議院選にターゲットを絞るんだろうね。あ、これ物語的には、ですよ。

Netflix政治ドラマハウス・オブ・カード」よりも断然面白い、こんな超一級エンタテインメントになる機会はなかなか無いでしょうね。しかもそれに参加することが可能なんですから、しないという選択肢は無いですね。

ちょっとだけ最期に自分が2002年に撮影した山本太郎と緒川たまきに出演してもらったらMVを紹介しても良いですか。初恋の嵐というバンドの「真夏の夜の事」という曲てす。監督高木聡
そのMVの出だしは山本太郎のこんなモノローグではじまります。

「これは想像のストーリー、、、、、、、などでは無い。」

https://www.youtube.com/watch?v=1_Op0iJ9Ddc

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