[講演] 生成AIと効率化テクノロジー(徳島南ロータリークラブ例会)
こんにちは! コーダー道場神山の本橋です。
徳島南ロータリークラブさまの例会にお声がけいただいて、生成AIの入門的な知識についてお話させていただきました。
ロータリークラブという名前はよくお見かけします。が、詳しくは存じませんでした。世界各地に地元に根ざしたクラブがあり、そこをサポートする国際的な組織という構成だそうです。なんだかCoderDojoの仕組みとも似ていますね。
さて、そんな徳島南ロータリークラブさまでお話させていただいた講演内容についてダイジェストでまとめていきたいと思います!
今日からできる!生成AIと効率化テクノロジー
トークの全体像としては、僕自身のAIの使い方を軸としてテクノロジーの話に流れていく構成です。
パート1:神山の子どもたちとAIで遊ぶ
自己紹介とCoderDojo神山のロゴ
引用:「このTシャツも実は小道具でして…」
皆さんがスーツ姿の中、CoderDojoロゴのTシャツで壇上に上がりました。場違い感は承知の上、このTシャツも小道具です。CoderDojo神山で子どもたちと一緒になってプロンプトから設計して作ったロゴを中心に配置しました。
AIを活用するとオリジナルロゴを作ることも、そういった画像を使うことでものづくりの幅を広げることもできます。
画像生成AIひとつとっても、そこを起点にいろんな遊びができますよ、という自己紹介を兼ねた活動紹介からスタート!
神山メイカースペースとCoderDojo神山
引用:「どちらも地域でデジタルものづくりを楽しむというスタンスは一緒です」
神山メーカースペース(KMS)ではレーザーカッターや3Dプリンターを使って地域の大人たちとものづくりを楽しんでいます。
一方、CoderDojo神山では子どもたちにコンピューターの楽しみ方を教えています。
どちらも僕からすると似たようなことをやっていて、入口が「ものづくり」ならKMS、入口が「コンピューター」から入るならCoderDojoです。どちらも見据えている終着点は『デジタルものづくり』。
コンピューターで個人のスキルセットを拡張することでいままで手が出せなかったような複雑で精緻な工作を楽しめるようになることが目標です。
パート2:日本語とマシン語の溝を埋めた生成AI
1960年代のELIZAから始まった『コンピューターと会話をしたい』という人類の夢は長いこと研究されてきました。その想いを実用に耐えるレベルで実装した初めての事例が大規模言語モデル(LLM)による生成AIではないでしょうか。
生成AIの登場で一番インパクトがある能力は翻訳能力ではないかと僕は思っています。
翻訳が得意な生成AIの進化と今後
引用:「AIの進化で直接コンピューターと会話できるようになりました」
PythonやC言語といったプログラミング言語はコンピューターに話しかけるためにプログラマーが使う言葉です。生成AIはこれらのプログラミング言語をとても良く理解しています。
おそらく僕たちが使う話し言葉なんかよりも、生成AIにとってはプログラミング言語のほうが厳密な理解ができているはずです。
そして生成AIは僕たち人間が話しかける言葉も理解しているように振る舞ってくれています。ということは、話し言葉とプログラミング言語の通訳も、生成AIが果たしてくれる機能の一つとして考えてもよいでしょう。
日本語の文章を英語に翻訳してくれるように、生成AIは日本語の文章をコンピューターが理解しやすいプログラミング言語に翻訳してくれます。また、コンピューターが回答するデータも日本語に同時通訳してくれます。
この同時通訳によって、僕らはAIを介してコンピューターと会話できるようになりました。
テクノロジーの進化と普及
引用:「習得に時間を要したスキルを一足飛びに獲得する形でテクノロジーは普及してきました」
新しい技術の普及によって、これまで必要だった訓練を省いてメリットだけを享受できるようになります。
例えばカメラの普及で絵画を学ばなくとも見たままを写し取れるようになり、鉄砲の登場で弓矢の練習が不要になりました。ソロバン名人を凌ぐ計算能力を、コンピューターは人類に与えました。そんなコンピューターが1980年代からは仕事の道具となり、さらに2000年以降はインターネットが加わりました。
そして2023年には生成AIが仲間入りして直接コンピューターと会話ができるようになりました。私たちの生活はさらに便利になり、多くの新しい技術が生まれるきっかけになることは間違いありません。
パート3:生成AIは「昔々あるところに…」と見つけたり
チャットGPTとプロンプトの基本
引用:「プロンプトとは、あるタスクや行動を促すための指示や質問のことを指します」
『プロンプト』という言葉は良く耳にします。呪文やおまじないのように感じられてなんだかよく分かります。でも実際のところは『この続きを書いて』です。
AIとプロンプトの具体例
引用:「昔々あるところに…」
「昔々あるところに…」という言葉を読むと多くの方は「おじいさんとおばあさんが住んでいました」という続きを思い浮かべます。生成AIが行っていることはこれととてもよく似ています。
プロンプトを含めて、AIは与えられた情報に基づいて最も可能性の高い続きの文章を書きます。
もし与えられた文章がチャット形式であったとすれば、AIに話しかけた続きの文章は『問いかけに対する応答』です。これがあたかもAIが人間の問いかけに意思を持って答えているように見える秘密です。
この仕組みを理解しておくとAIとのやりとりがより効果的になります。
事前プロンプトと検索技術の応用
引用:「事前プロンプトを与えることで、AIに知識を与えることができます」
AIに特定の知識を与える方法として、事前プロンプトと検索技術の応用(RAG)があります。
事前プロンプトを使用すると、特定の情報について事前に教え込むことができます。GPTsなんかがこれですね。
検索技術を応用して、特定の文書を基に回答を生成することも可能です。例えば、社内の就業規則をAIに与えておけば、質問に対して適切な回答を返すことができます。
検索ではないのですが、事前プロンプトとしてCSVを与えておく、なんていうのも有効です。CSVの情報を結構適切に読み取って回答してくれますよ。お試しあれ。
なんだかややこしい話になってきたぞというところで
引用: 「細かいテクニックの話になってきたところで、今日のお話はおしまいとしたいと思います。」