身だしなみとデート

僕が大学生の頃、何ていうかまぁステディな関係の娘がいたんですよ。

都内近辺に一人暮らしして二年とかそんなもんかなぁ。芋っ子だった僕もさすがに都会の生活に慣れてきた頃。

シティ派は横断歩道を渡るとき信号が点滅しても焦らないとか、のたまっていた頃だ。
今でも言って無くもない気がするが。

とにかく、そんなステディと付き合いたてのある日、新横浜のラーメン博物館に行こうってなった。

ラーメン博物館は、全国津々浦々のラーメン店が集まっている施設だ。
施設自体も古き良き昭和をイメージしてあって、雰囲気だけでも楽しい。

そんな、カップルで行っても楽しいところなんです。

まだまだ芋っ子な僕は、頑張って自分なりにお洒落をし、渋谷で待ち合わせてラーメン博物館へ。

本当、タイトなジーンズに私という戦うボディねじ込んでた。

しっかりお昼時につき、当然ラーメンを食べる。カウンター席で2人ならんで食べてた。

で、彼女のラーメンをすする姿もかわいいなーとか考えてたんですよ。

この後、横浜の夜景見ようかなー。彼女、灯りがとても綺麗ねとかいっちゃって、おいおいブルーライト横浜かよーと脳ミソまで昭和になっちゃって…

本当おめでたい。都会に慣れてきたいえ、こんな東カレ男子なデートに完全に舞い上がってた。

正直いってなんだか今日いけそうな気がしてた。

そしたら彼女、何か言いたげな顔をして、もじもじこっちを見てるじゃないっすか。

頬を赤らめながら、目を見開いて僕と僕の股間を見ている。

いやいや、落ち着け。彼女は奥手だ。そんなはずはない。でもあのしなちくの食べ方は誘っているとしか…


彼女「もとじい君、後ろからなんか出てる。」

え?

うん、洗濯ネット(100円)出てたね。

自宅から渋谷経由で横浜までズボンに洗濯ネット(100円)挟んでたね。

「何故そこにいるんだぁ!?」って叫びたかった。

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君が好きだと叫びたかった。

混乱の中で生まれるまさかのスラムダンクネタに僕も

「…お洒落です!」としか言えなかった。

当然お洒落でもなんでもないが。

ラーメン食べおわるまでつけたよ。白い洗濯ネット(100円)プラプラさせてた。

タイトなジーンズにねじ込んだのは、洗濯ネット(100円)でした。

身だしなみは気を付けようという話。

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※今思うと一発退場ファウルやろ・・・

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