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人の日常に、本が重なる時、何を自分に受け入れるかは、心が問われる。

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北村薫
月の砂漠をさばさばと

日常の物語は、暮らしにある。
誰でも知っている事だがどれだけ理解出来ているかは、わからない。

さきちゃんのお母さんは、お話を作る人です。

そんな一文から始まる母と娘の物語は、お互いに想像し合うということを楽しむ事は、日常を豊かにすると伝えてくれる。

時に、本との出会いは人との出会いと同じようなものだ。まず自分で手に取らなかったであろうこの本に触れた私は、あることを考えた。

毎朝6時に君を起こす。
君がどんな反応をするのかとても気になる。
気持ちよく目覚めないかもしれないし、気持ちよく起きるかもしれない。

それはどんなに決められたルールよりも難しく、どんな反応が返ってくるかもわからない。

君は嫌だと言った5分後に行くと言う。
私は君に、行けるのかい?と確認し頷く君に、

それは嬉しいなと伝える。

君は私の顔色を窺うように見る。

私は、しまったと思う。

一緒に歩きながら聞いてみる。

「私が行きたいかなと思って、君は私のために無理矢理行くって言ったのかい?」

君は即答する。

「違うよ。自分のためだ」

君のその言葉の意味を、私は鵜呑みにすることにする。

私は、毎朝君と話すことを楽しみにしている反面、何を話せばいいかもわからない時がある。

この本を読んだ私に、想像することの楽しさを再び教えてもらった。

会話とは時に起こった事、感じた事を伝え合うだけでもなく、2人で創ってもいいのだと。

朝の散歩は、君のカラダにとって良い事かも知れないけれど、私の心にも何より良い事だ。

この本に書いてある一文に、

「大きくなって今日のことを思い出すかな」

という場面がある。

私は君にこれから、思い出したくなるような話をすることにする。私達にも創れるはずだ。

河川敷からの目の前に雲に隠れた大山が見える。

「雲の中行ってみたいな」

山を見つめる私に君は弾んだ声で言う。

私はゆっくり自分にも話すように応える。

「段階を踏んでいこう。君は小さな山から私と一緒に行くんだ。とりあえず君に今日良いことがあるように祈っておこう。それは、すでに私には起きてるけどね」

「なに?」

「君と散歩に行ける事だ」

「それは、俺もそう」

なんのはなしですか

今日の事を思い出すのは、父である私が先になりそうだ。一歩一歩でいいと思う。

という記録。

📚

人との出会いもまた然り。

「会えないかもしれないと聞いていたけど、会えると思っていた」

そう言われてプレゼントされた友人からこの本に、出会うタイミングの意味を考える。

結果、私はやはり運がいい。

この本は、いつか読ませたい。タイミングでね。

あの日の話の中で、死ぬまでにこの世の中の0.1%の本も読めないで死ぬとわかった時の、

「私達には時間が無い」と納得して沈黙した瞬間が堪らなく好きです。

読んで書いて呑んで話す。

それを幸せだと感じ、また会いたいと思った。

当たり前だと感じていた日々から警鐘され、改めてそれを幸せと感じるという自分の心に誰かの何か意図を感じてならない。

日常を大切に。
























自分に何が書けるか、何を求めているか、探している途中ですが、サポートいただいたお気持ちは、忘れずに活かしたいと思っています。