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バリュー+モメンタム戦略~最強の投資手法を組み合わせる~【株式投資戦略】


バリュー投資とモメンタム投資について、「聞いたことはあるけど、具体的なやり方は知らない」という人は多いのではないでしょうか?

モメンタム投資とバリュー投資は、どちらも過去のパフォーマンスが高く、投資の王道ともいえる投資手法です。

この2つの戦略を組み合わせることで、さらに安定した戦略を作れるので、投資成績の向上につなげらるかと思います。

・銘柄選定に自信がもてない
・投資スタイルがなかなか決まらない
・投資戦略を作れるようになりたい
・バリュー投資を実践してみたい
・モメンタム投資を実践してみたい

と考えているような人に、オススメです。

読み終わったころには、自分なりの投資戦略を構築できるようになり、自信を持って銘柄選定が出来るようになっていることでしょう。

このnoteでは、投資スキルの向上をはかることが出来ます。その知識は、これから何年にもわたって使えることになるので、正直元を取るのは簡単だと考えています。

株式投資の世界は、100万円の投資資金があって1%でも成績をあげれたら、1万円の利益になりますしね。

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【目次】
1.投資スタイルが確立できない理由
2.リターンに関係が強い要因(ファクター)
3.代表的な分析方法
4.有効性の高い要因(ファクター)とは?
5.バリュー戦略
 5-1.バリュー投資とは?
 5-2.バリュー戦略の構築
 5-3.なぜバリュー投資は有効なのか?(仮説)
6.モメンタム戦略
 6-1.モメンタム投資とは?
 6-2.モメンタム戦略の構築
 6-3.なぜモメンタム投資は有効なのか?(仮説)
7.バリュー+モメンタム戦略
8.おまけ
 8ー1.ファクターモメンタム
9.まとめ


1.投資スタイルが確立できない理由

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投資スタイルがなかなか定まらないという方は多いのではないでしょうか?

初心者であれば投資スタイルを模索している人も多いと思いますが、やみくもに勉強するだけでは、なかなか自分のスタイルを確立することは難しいです。

初心者に限りませんが、以下のような分析・投資手法を使う人をよく見かけます。

①国内外の経済、政治などの要因分析
⇒関連する要因が多すぎて、動向を判断できない
⇒プロでも相場の上げ下げを正確に予想出来ている人はいない

②企業のビジネスモデルや収益予想の個別分析をする
⇒会社予想やアナリスト予想でも、上方修正や下方修正が頻繁に行われている
⇒経営者やプロでも難しい個別分析を、初心者レベルで実践するのは困難

③インフルエンサーの投資手法をマネする
⇒まぐれなのか実力なのか、初心者が判断することは難しい
⇒普通の人には実践できない、高難易度な取引をしている可能性がある

④何となく取引をして経験を積もうとする
⇒株式市場の長い歴史で、自分の経験というのはほんの一瞬に過ぎない
⇒短期間たまたまうまくいった方法を過信する可能性がある

⑤初心者向けのチャート分析に頼る
⇒有効性が検証されていないことが多い
⇒分析者の裁量で結果が大きく変わってしまう


意図的にデメリットを強調して書いていますが、①~⑤の手法を否定しているわけでは無く、優秀な人であれば有効な手法だと考えています。それに、様々な分野を勉強するのは、非常に有意義なことでしょう。

ただ、私のような何の取り柄もない人間が実践するには、非常に難しいものばかりです。実際に勉強を試みたこともありましたが、種類は膨大にありますし、予想不能な事態で市況も変わるため、早々に挫折しました。

共通して言えることは、どの要因がリターンに関連するのか分からないまま、試行錯誤していたことです。

損をしたとしても、どの要因は良くて、どの要因が悪かったのかも分かりません。もしかすると、有効な戦略を使っていたのに、うまくいかない時期が重なっただけかもしれません。

勉強をしているのにもかかわらず、投資スタイルを確立出来ない理由はここにあると考えています。

初心者なら、やることを絞って、リターンに関係する要因を勉強することが近道になるかもしれません。


【ポイント】
①:分析方法は種類が多く、難易度の高いものが多い
②:リターンと関連する要因を把握できないと投資手法は明確にならない
③:リターンと関連のありそうな要因に絞って勉強すると効率的


2.リターンに関係が強い要因(ファクター)

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リターンと関連の強い要因を勉強した方が効率的かもという話をしましたが、それが分かれば苦労しないと思われたのではないでしょうか?

実は、ヒントになりそうな情報は経済学者などが調べてくれており、過去の統計上でリターンの高かった銘柄の特徴(ファクター)が分かっています。

そのため、まずは銘柄選定の方法に注力して勉強することが、投資スタイルを決める上での近道になると思います。

ファクターには、たくさんの種類があるため、特に「有効性」、「持続性」が高そうだと判断されている代表的なものについて紹介していきます。


〇サイズ(SMB)
時価総額が高い会社よりも、時価総額の低い会社の方がリターンが高くなりやすい。
⇒小型株に投資する方が有利

〇バリュー(HML)
企業価値に対して割安な銘柄ほどリターンが高く、割高な銘柄ほどリターンが低い。
⇒割安株に投資する方が有利

〇モメンタム(WML
中期でパフォーマンスの高かった銘柄ほどリターンが高く、パフォーマンスが悪かった銘柄ほどリターンが低い。
⇒直近の1年でパフォーマンスの高い株に投資する方が有利

〇収益性(RMW)
収益性が高い会社ほどリターンが高く、収益性が低い会社ほどリターンが低い。
⇒利益率が高い会社に投資をする方が有利

〇クオリティ(QMJ)
収益性が高い、収益の質が高い、負債が少ないなど、クオリティの高い会社ほどリターンが高く、クオリティの低い会社ほどリターンが低い。
⇒クオリティの高い会社に投資をする方が有利
※クオリティは収益性を包括している


このように、株価の上がりやすい銘柄の特徴が分かっているので、それが投資の基本ルールになることを覚えておくと良いでしょう。

投資対象となる国や期間により、有効性の高いファクターも変わるので、万能なものではありませんが、投資戦略を考える上でのヒントになります。

分散されたポートフォリオのリターンは、約90%以上がファクターによって説明可能といわれているので、重要な要素であることは間違いありません。

ウォーレン・バフェットをはじめ、有名な投資家は何らかのファクターを利用していることが多いです。


【ポイント】
①:リターンと関係の強い要因(ファクター)は科学者が調べてくれている
②:投資対象や期間によって有効なファクターは変わる
③:ファクターは投資戦略を作るヒントにしやすい
④:有名な投資家は何らかのファクターを使用していることが多い


3.代表的な分析方法

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個別株投資などのアクティブ運用をしている人は、投資対象を決める場合に様々な分析をする必要がありますが、ざっくり、以下のいずれかの分析をしている人が多いかと思います。

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(1)ファクター分析

時価総額が小さい銘柄、割安な銘柄、クオリティの高い銘柄といった、過去の統計上で高リターンの特徴を持っている銘柄を探して、アウトパフォームを狙うような戦略です。

例えば、バリュー投資というのは、割高な株よりも割安な株の方がリターンが高い傾向があったので、割安な株を多く保有するというポートフォリオ戦略ということになります。

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この期待リターンが高い銘柄に投資をする手法のことを、ファクター投資と呼びます。将来も過去と必ず同じになるわけではないですが、少なくとも過去の有効性を確認しているため、手堅い投資手法だと考えています。


(2)個別銘柄分析

個別企業の売上・収益の予想やビジネスの分析など、定性情報を含む個別企業分析をして、投資対象を決めていくような方法です。

業界や企業の情報を細かく分析するので、1つの企業を分析するだけでも、時間がかかります。また、収益や成長予想など、企業価値を算出す仮定を間違えると、大きく評価が変わってしまうので、分析者の高いスキルが求められます。

業界の知識やビジネスモデルに詳しい人などが、好んで使うイメージがあります。


(3)タイミング分析

ポートフォリオ戦略や個別銘柄分析で選定した銘柄を、テクニカル分析を使ってトレンドを判定したりするなど、銘柄分析と組み合わせて使うという方法が一般的です。

テクニカル分析以外にも、経済指標(GDP、失業率、生産高)からの予測や、カレンダー効果(ハロウィン効果、TOM効果)などのアノマリーを利用する方法もあります。

経済評論家などが、予想を外しているのを見ていれば分かるよう、専門家でもタイミングをはかるのは非常に難しいです。長期的に有効性が確認されている戦略は少ないので、タイミング分析だけで投資判断をするのはあまりオススメしません。


3つの分析手法を紹介しましたが、初心者がまず覚えるべきなのは、ファクターを利用したポートフォリオ戦略だと考えています。

個別銘柄分析やタイミング分析は非常に難易度が高く、定性的な評価も多いので、分析が良かったか悪かったのかのフィードバックが難しいです。

また、個別銘柄を分析しようとしても、日本市場だけでも3,756社もある中から、分析対象を選ばなければなりません。(2021/3/31時点)

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感覚的に分析対象を選んでいては、期待リターンの低い銘柄群からばかり分析対象を選んでしまう可能性もあります。

そうなると、個別銘柄の分析が優れていても、低リターンになってしまう可能性があるので、ファクターの理解と、定量スクリーニングのやり方を押さえておくことが、重要だと考えています。


【ポイント】
①:ファクター分析は難易度が低めで手堅い
②:個別分析、タイミング分析は難易度が高い
③:ファクターおよび定量スクリーニングのやり方を理解することが重要


4.有効性の高い要因(ファクター)とは?

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初心者が覚えるには、ファクター分析がオススメということを紹介しましたが、どのファクターの期待リターンが高いのか、気になる方も多いことでしょう。

米国株における各ファクターのリターンについては、アンドリュー・L・バーキンらが、調査してくれていました。

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出典:アンドリュー・L・バーキン、ラリー・E・スウェドロー(2018)『ファクター投資入門』パンローリング株式会社.

米国の1927年~2015年における各ファクターの成績では、バリュー、モメンタムのリターンが高かったことが判明しています。

そのため、モメンタム投資、バリュー投資が最強の投資方法だと考えている投資家も多いわけですね。

バリュー投資とモメンタム投資は、どちらが有効なのかと議論されることも多いですが、どちらでも有効だと考えてよさそうです。

本記事では、特に有効性が高いと考えられている、バリュー投資とモメンタム投資について紹介していきます。

バリューやモメンタムを使用すると、市場平均を上回る可能性が高いと言われていますが、長期的に市場平均を下回ることもあります。

このアンダーパフォームする時期の存在により、戦略を使い続けられる人が減った結果、有効性が保たれているのかもしれません。

万能な投資手法というものは存在しないため、そのあたりは理解して、参考にして頂くと良いかと思います。


【ポイント】
①:米国の実績だとバリュー投資のリターンは高かった
②:米国の実績だとモメンタム投資のリターンは高かった
③:ファクターは常に有効ではなく、不調な時期も存在する



5.バリュー戦略

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5-1.バリュー投資とは?

バリュー投資とは、会社の価値よりも株価が下回っている銘柄に投資することで、平均回帰を利用して利益を上げるような投資手法です。

会社の本質的な価値よりも、価格が下落しているときに株を買い、本質的な価値よりも価格が上がった時に売るという、取引方法を使います。

ウォーレン・バフェットの師である、ベンジャミン・グレアムが得意としたこともあり、代表的な投資手法として広く知られています。

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会社の価値よりも安い時に買うというのが重要で、古典的なバリュー投資では、単純に会社の資産よりも株価が低くなっている銘柄(PBRが低い銘柄)を探します。

PERは会社が今後どれだけの利益を生み出すのかという、事業価値を評価しますが、古典的なバリュー投資では、PBRで保有している資産価値のみを評価して割安性を測るということですね。

1982年~2014の期間では、古典的なバリュー投資の有効性が確認されています。

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出典:ウェスリー・R・グレイ、ジョン・R・ボーゲル(2017)『ウォール街のモメンタムウォーカー 〔個別銘柄編〕』パンローリング株式会社.

※買いのみのポートフォリオ
※米国株価の年平均成長率:11.96%(1982年~2014年)
※日本株価の年平均成長率:3.81%(1982年~2014年)

日本株で特にバリュー投資の成績が高く、同じ期間の日本株価の年平均成長率が3.81%に対して、バリュー投資が11.11%と2倍以上のリターンをもたらしていました。

米国は年平均成長率が11.96%に対して、バリュー投資が12.79%と1%未満の改善しかないことを考えると、日本株においてバリュー投資は非常によく機能していたと言えそうです。


【ポイント】
①:PBRの低い銘柄を探すのが古典的な戦略
②:長期的に世界各国で有効性が確認されている
③:日本株で特に有効性が高かった戦略


5-2.バリュー戦略の構築

それでは、本題のバリュー戦略についてです。

バリュー投資の成績を向上させるため、バリュー投資と相性が良いと考えられる、クオリティやサイズといったファクターについても、合わせて解説していきます。

【バリュー戦略の構築】
(1)バリューの評価
(2)クオリティの評価
(3)サイズの評価
(4)銘柄管理
(5)バックテスト

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