靴への感謝


多くのパフォーマーの方々にとって、靴(足元)はとっても大事だと思います。
立って行うほとんどのスポーツや芸事は、最初に足からエネルギーを頂きますからね。

我々アクションをよくやる人達にとっては、グリップがとても大事です。
靴と床の相性によっては滑ってしまうので、反復横飛びのような動作が沢山出てくるバトルシーンを演じる上では、キレが出しにくくなります。

他にも急発進や急ブレーキもヌルくなりますし、切り返し動作の必要なアクロバットはそもそも危険で不可能です。


ただこれがダンサーさんになると、逆にグリップが強すぎるものでは、ターンや柔らかい動きを表現することが難しくなるでしょう。
モーションキャプチャーのスーツは、国内ではチャコットさんが受注生産してくださっているらしく、どのキャプチャースタジオでもダンスシューズはご用意いただけていることが多いです。

靴に関しては、どのスタジオさんもいつも柔軟に対応していただき、感謝しております。
自分の使い慣れたシューズを持ち込んだ場合でも、直接マーカーを貼ってくださったり、専用のカバーをご用意してくださったりしてます。

可能ならスタジオさんがご用意してくださったシューズを使わせてもらったほうが、色々とお手間もかけずに済むのではとは思っております。

でも変に遠慮して、最終的にご提供できるデータがクオリティの低いものになってしまっては本末転倒なので、厳しいと思ったときには素直に申し出ます。
本当は、弘法筆を選ばずでいけたらカッコいいんでしょうけどねww

昔はマーカーも固く、蹴りをブロックしたり転がったりするのも痛かったのですが、最近のマーカーは柔らかい素材で作ってくださってるのでその辺りもとても楽になりました。


あとは、自分にとって限界ギリギリの技に挑戦したり、超精密なコントロールを要求される場合にも靴は気になります。
靴の重みで遠心力を持っていかれたり、足の振り上げに乾坤一擲を絞り尽くすようなパワーが必要なときはなるべく軽い靴が良いです。


でも、実写の撮影のようにブーツや皮靴などでやらねばならない環境から比べれてば、モーションキャプチャーはかなり自分のギリギリの動きまで攻められますね。

(前に同業者がかっこよく撮ってくれた靴ww)

衣装や重たい装具、マントなんかも無いですから。
あとほんの少し筋トレ頑張ってと、ほんの少し技の精度を上げれば良いだけです。
自分の見た目を商品としていない、私のようなタイプのアクターには能力を存分に発揮しやすい環境です。


関係ないですが、自分が実写映画で激しいやられのリアクションなどををやるときは、あえてハイカットの頑丈な靴も用意して防御力を上げて望んでおります。
さらにリスクが高い場合には鳶の方々が好んで使われてる、つま先に鉄板の入っているシューズを利用することもあります。


裸足や草鞋からのことを考えると、足元だけでもこんなにも選択肢があって、快適に仕事や好きなことに取り組める環境。

感謝ですね〜

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