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vol.3学校で得られること+IB(国際バカロレア)

美枝です。

アメリカニューヨーク近郊で、子育てをしています。

今日は、私目線で、学校で得られると思うものについて。そして、子どもがIB(国際バカロレア)認定校で、どのように学んでいるかを書きたいと思います。

9月9日から、6ヶ月ぶりに小学校が再開して、子どもは、本当に久しぶりに学校に通っていますが、毎日楽しそうです。

私は毎日、息子が学校から帰ってくると「今日楽しかったことは何だった?」と聞きます。返ってくる答えは…

「今日は、体育の時間に校舎の周りを、みんなで走ったの! それが楽しかった。だんだん遅くなる人がいるから、一番後ろで早く走れる人が見張ってるんだよ。先生は先頭にいて、僕はずっと先生の横を走ったんだ。すごく速く走ったんだよ〜!」

「今日は、ランチの時間に、向かいに座っているチャーリーがずっと喋ってたんだけど、マスクをしてるから、よく聞こえなくて、『聞こえないよ〜』って言ったら大声で話し始めたんだ。チャーリーは、おもしろいんだよ。」

「今日は、本の著者とオンラインで繋がって、みんなでその本について話をしたんだ。初めての本もおもしろかったし、著者の話もおもしろかった!」

と、こんな感じです。

子どもが感じる「楽しかったこと」は、人と繋がって、その関わり中で感じたことばかりでした。
「先生や友達と関わって、その中で感じたり、考えたりすることが、こんなにも生き生きとした笑顔につながるんだ!」  と改めて発見しました。

学校で「学ぶ」ことには、もちろん算数や国語などの知識もありますが、「人とのつながり」の中で、子どもは多くのことを学ぶんだなと改めて感じます。
私は、子どもの輝く笑顔を見て「学校は子どもにたくさんの「栄養」を与えてくれているんだな」と実感し、感謝しました。

この「栄養」には具体的にどんなものがあるのか? 
子どもの宿題を見ていて、1つ気がついたので、それを書きたいと思います。
それは、IB Profile(IBが目指す人物像)を学ぶことです。

最初に書いた通り、子どもが通っている学校は、IB(international Baccalaureate:国際バカロレア)認定校です。このIBについて、簡単にまとめると以下の通りです。

国際バカロレア(IB)は、1968年に国際バカロレア機構(IBO)によって設立された教育プログラムで、特徴は、国際バカロレアが目指す探究的「人物」を目指すところにあります。多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。IBのプログラムは、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけます。(出典:文部科学省 国際バカロレアの理念( http://www.mext.go.jp))

ちなみに、IBが求める人物像(IB Profile)は、以下の10項目。この10項目を備えた人に育てるのがIB教育の目的です

1. Inquirers →探求する人
2. Knowledgeable→知識のある人
3. Thinker→考える人
4. Communicator→コミュニケーションができる人
5. Principled→信念をもつ人
6. Open-minded→ 心を開く人
7. Caring→思いやりのある人
8. Risk-taker→挑戦する人
9. Balanced→バランスのとれた人
10. Reflective→振り返りができる人

子どもの学校では、このIB Profileを学ぶために、先週、以下のような宿題がありました。

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この宿題には、正答があるわけではありません。今日自分がしたどのような行動が、respectfulな(人に敬意を払えた)行動だったか、自分で考えて答えを書きます。今回は、IB Profileの10項目の「Reflective(自分で自分を振り返ること)」を実践させる宿題でした。

私が良いなと思うのは、IB profileの概念を説明するだけでなく、具体的な学校生活の中で、子ども自身が考える機会をたくさん作ってくれることです。
だから、子どもも分かりやすく、自然と身につけることができるのだと思います。

また、先生は、授業の中で、以下のような用紙を、時々、子どもに渡します。

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これは、授業中の行動のどれがIB Profileなのか、授業後にフィードバックがもらえる用紙です。これも具体的な行動を示しているので、子どもも「あー、そういうことなのか!」と腹落ちしやすいと思います。

このIB Profileの教育は、子どもという花の種が育っていく、良い栄養だなと、私は感じています。まるで目にみえない土の中で、良い栄養をいっぱいもらって「根」が育っていくように、IB Profile教育を受けていく中で、子どもは自分の「あり方」を豊かにしていきます。

私たち親は、どうしても、子どもの成績や、算数や国語の知識やスキルが増えたかが気になります。でも、それは、土の上に出た、小さな葉っぱの1枚に過ぎないのかもしれません。

学校での人との良い関わりや、その子の「あり方」を豊かにする学びが「栄養」となって根がしっかりと育つことで、より多くの葉が茂り、将来、その子らしい綺麗な花を咲かせられるのではないかと思いました。

コロナ禍で、当たり前だった学校に6ヶ月行けなくなったことをきっかけに、「学校で得られることは? 」「本当は何が大切なのか?」を考えさせられました。

皆さんは、学校から得られるものって、何が大切だと思いますか?


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