Virechana 〜下剤法〜

パンチャカルマの本番にいよいよ突入しました。

さて、今までのおさらいをしていきましょう。
パンチャカルマ(浄化療法)の前段階にあたる
プラバカルマと言われる、2週間のスケジュールです。(個人によってスケジュールと施術内容は若干異なるので私の実体験となります。)

本格的な浄化療法を始める前処置として、固まったり滞っていた老廃物にオイルを浸透させあたためることで柔らかく溶かしていき、排出しやすい状態に変化させるのです。

プラバカルマ
1〜4日目

・スネハン(オイルトリートメント)
・アーユルヴェーダの消化に優しい食事3食
・ハーブの薬
5〜11日目
・30.60.90.120.150.180.210ml のギー飲用
・お粥中心の食事2食 or 1食
12〜14日目
・pmスチームバス
・お粥中心の食事3食

そして迎えた15日目
Virechana ヴィレーチャナ と呼ばれる下剤法です。名の通り、下痢させて全てを排出する浄化法です。

メモを開示します。

5:45 am Dr. counseling
5:50 am drink medicine (spicy, bitter, astrigent harbs and sweet jagrry
...maybe about 150ml)

・after 1or1half hour, bowel movements
・drinking water every after toilets

5:45am ドクターカウンセリングを終えて
5:50am 苦くて渋くてとてもスパイシーで辛い薬草ドリンクを一気飲みします150ml位かな。

6:00 after drinking 気分が悪い…吐きそう…
7:00 (1hour ago) 少し胃が痛い。
8:00 かなり胃が痛い。
9:00 胃が燃えるように痛い。
とにかく胃が痛い。冷や汗が止まらない。
10:00〜1時間おきに下痢、痛みに耐えられない
12:30〜下痢に追加して1時間おきに嘔吐 3回14:30 全てを出し切ったのか、疲れ果てて眠る
15:00 重湯を飲む
17:30 お粥を食べる。ときどき少し胃がキリっとするが、その後落ち着く。
21:00 就寝

という1日でした。胃、そして小腸のあたりをえぐりとられるような、爆発的な痛みが始まり8時間ほど、ベッドの上で唸り続け、枕を握り締めながら、のたうち回りました。

お願いします、助けてください、
お願いだから、優しくしてください、
本当にごめんなさい…許してください…

わたしが心の中で叫び続けた言葉です。 笑
最終的には、トイレと、ベッドの脇に三角座りになって放心状態になっていました。恐らく去年2度発症した胃潰瘍のような症状でした。

今回の奮闘中、わたしが考えていたことは、いかに自分の身体が当たり前に動くことに甘えて、今までないがしろにして傷つけていたかという反省です。

私の今までの怠惰、欲、甘さ、その全てが今この自分の状態なんだと悟りました。

このように、人間は痛い目をみないと分からないことが多すぎるのだとおもいます。そしてすぐにこの苦しみを忘れてしまうのです。いかにこの平安と健康が尊く幸せなことかということをすぐに見失います。

普通に息を吸って、普通に動いて、普通にご飯が食べられて… このようにできるのはこの身体のお陰様。心が身体を無視し続けていた結果が出てきているのだと、心の底から実感し、身体はいつも我慢していたんだなぁ…と反省しました。蓄積していたものが治療によって火をつけられたように爆破し続けたのでした。

14:00 が過ぎ、
やっと全てを吐き、出し終えたのか、心が無の境地にいたりました。身体の中のだけでなく、頭の中にも心の中にも何もない。

あるのは心の穏やかさと静けさだけ。
ただぼう然として時間がすぎていきました。

いつもと同じ時間を過ごしているのに、なぜか、こうして何の痛みもなく普通に座って普通に息を吸っていられることが何よりの幸福におもえたのです。これが離欲からくる至高の幸福かと思えました。

実はわたしはここ何年か、いつも表面から見ても分かる程に、心臓が飛び出すかと思うくらい強く鼓動を叩いていたのですが、なん年ぶりに、心臓の鼓動が静かに落ち着いていました。

今、過去のことも未来のことも何も考えられない。今を静かに、過ごせている。何の不安も不満も心配も執着も欲望が何もない。

心身、そして様々な巡り行く環境を支配しようとしていた自分が嘘だったみたいに、ただ私は今ここに生きていて、身をまかせているだけなんだなぁとそんな深いことを考えていました。

目の前に起こる全てのものを受け入れ、受け止め、自分は、いつだって最高のベストな自分で存在し続けるのみ。という言葉を本当の意味で理解した瞬間だったのかもしれません。

次の日の朝もお粥を食べるとまだ少し胃がキリっとしていて、まだ身体が弱っている感じがしましたが、心は穏やかなまま過ごしました。

この下剤法をした日とその次の日は、固形物をほとんど口にできません。消化力がとにかく弱っているからです。

ヴィレーチャナ当日 15:00の重湯

17:30 水分多めのお粥

翌朝の朝 8:30 お粥とムングまめの煮汁

翌昼 お粥とムング豆のトロミのあるスープ

翌夜 18:00 お粥と冬瓜のスープ

翌翌朝 8:00 お粥と人参のスープ

このように約2日間ほどかけて、少しずつ固形物と栄養素を増やしていき、ゆっくりと消化力を高めていくのです。

消化が弱っている状態で、高栄養すぎるもの、消化に負担がかかるようなものを食べると更に内臓に負担をかけて身体を痛めつけることになります。

年末年始、暴飲暴食した後に1/7 七草粥を食べる…という習慣もこれと同じですよね!

お粥とムング豆(緑豆)は消化に良いお食事として、弱った内臓の回復をサポートしてくれますよ。

そしてギーは、消化力を高めてくれる唯一のオイルです。普段使いにとてもオススメですよ!

それではまた!
MOTHER
https://www.mother-japan.com
Instagram
https://www.instagram.com/okasaya/

いいなと思ったら応援しよう!