友人の演劇を見て。


ぼくが、浪人生の時に起きた事件の話です。

ぼくと、親友が札幌で飲んでるとき、同じ飲み屋にいた反グレ3人集団から「タメ口で話した、こっちを睨んでいた」という理由で

因縁をつけられて、胸ぐらを掴まれました。


親友が僕を守るために、胸ぐらを掴んでいた反グレの顔を殴ってくれて、僕は解放されたので逃げました。


その後、親友は喧嘩に応戦し、結果として顔面複雑骨折の大怪我を負い、喧嘩なので保険適用されず50万円程の手術費用がかかりました。


親友は「お前のせいでこうなった」と主張し、手術代の全額負担と、周囲の友達にあることないことの話をふきこんでいきました。


ぼくとしても事件の発端を起こしたのは紛れもない事実で、心の底から謝罪をし続けたものの、全てを自分のせいにしてくるスタンスで精神的にズタボロな状態でした。


当事者同士では話はつかず、お互いの家族と警察を介入しての話し合いとなりました。センター試験2ヶ月前の出来事で、予備校ではなく毎週警察署に通う生活です。


結論、お互い悪いで落ち着いたのですが、論点としては下記です。


1. そもそも事件の発端は僕の生意気な態度が悪い
2. 守る行為は素晴らしいけど、いきなり相手を殴る必要はなかった
3. 2人で逃げればよかったのに、喧嘩に応じたのはまた別の話


第3者を交えた話し合いはこれで落ち着いたものの、その後も親友は全責任を押し付ける発言をしてきます。


一方で、親友を大怪我に追い込んだという事実に変わりはないので、反論なんてしたくないし言える立場ではないので、誠意を見せ続けるしか選択肢はありませんし、その事実に今でも消えない感情が残ってます。


とはいえ、半グレを怒らせた僕の態度と、喧嘩に応じて大怪我をした事実は、論理的に棲み分けはできど、感情的に解決できる話ではありません。


その後、大学進学を機に地元を離れ、親友とは疎遠になってしまってますが、今でもどうして良いのかわからない複雑な感情に陥ります。


ずっと胸の奥にしまい込んで忘れようと、忘れてたと思った記憶から消していた感情が、昨日、友達の演劇を見に行ったときフラッシュバックしました。

演劇の内容として


幼馴染が男からの強引なナンパで絡まれていて、守るために男を突き放したら、頭を地面に打ち死んでしまった。

その後、死んでしまった男の親族や友人vs殺してしまった男の複雑な心境や、ぶつかり合いを描いたもので

遠く胸にしまっておいた、忘れていた出来事について考えてます。

囚人のジレンマ等、倫理理論、正義理論を参照にしましたが、この感情とずっと向き合って生きていくしかないのだなと思ってます。


話は変わりますが

論理的に会話できない人、抽象と具体で話ができない人、物事を良い悪いで判断したり

単一的視点で測る人に猛烈な嫌悪感と、それに対する執拗な詰めをしてしまう悪い癖があるのですが(80%くらいは改善してきた)

まだまだ20%くらい残ってる感覚があり、ラストワンマイルが、目を背けていたこの出来事に紐付いていたのだなと実感します。


心理学で、起きた出来事(意識)は、無意識に紐付いているという概念があります。

例えば、毎回毎回同じパターンで喧嘩したり、人間関係のトラブルってありませんか?

それって、目に見える言動として意識されてるものは3%に過ぎず、その3%は97%無意識のトラウマに眠ってるので

起きたことを改善しようではなく、この起きたことは自分の中にある無意識の何が叫んでいるんだろう?

そして、無意識にあるトラウマを認知して、理解することこそが、起きた出来事を解決できるという概念です。


上記の様な場面で喧嘩してしまうときに傷んでる心と、今回見た演劇に感じた苦痛が100%リンクされている感覚があり、この苦痛は無意識の何がそうさせているんだろうと深く感じてみると


無意識に閉じ込めていたこの事件が、綺麗に浮かび上がってきたんですよね。
その辛い出来事を意識として認知できたことで、上記の様な場面になっても、同じパターンとして喧嘩するという選択肢にならない状態になった気がします。


当時、良い悪いで執拗に精神的に追い詰められたこと、逆に感情的になって親友と喧嘩してしまったこと。

本当にどうしようもないこの出来事と向き合って、本当の意味で物事をありのままで捉える、良い悪いで判断しない感覚が100%になってきている感じがある。


【追記】
この出来事を思いだしてから、尋常ではない精神の苦痛が生じてたのですが、向き合ったことで物凄いポジティブ反応が起きている。

今までよりずっと、人に優しく、丁寧に関われる自分になれた気がする。

人には人の地獄がある
どうしようもできない過去を、人は背負って生きていること。

この出来事に向き合えたからこそ、何かが突破できた感じがする。


友人の舞台を見ないと、この感覚にはなれなかった。
めちゃくちゃ感謝。

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