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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

17.苦悩

ある日、世界最高峰とも言われるドイツの楽団から団長の元へ一通の手紙が届いた。内容は、1年間楽団の一員としてコンサートに出演したり他の団員から稽古をつけてもらったりと、音楽家にとっては願ってもない"練習生"の募集案内であった。楽団に認められれば正式な入団も夢ではなく、たとえ1年後に退団したとしても音楽家としての箔が付き、別の楽団からのオファーやその他の仕事につながるまたとない大チャンスである。今回声がかかったのは、団長が向こうの幹部と旧知の中であることと、娘と幼馴染の大きな功績でヨーロッパにおける楽団の知名度が大幅に高まってきたことが理由であろう。

だが、これが苦悩の日々の始まりとなった。練習生の枠は1名…候補者は娘と幼馴染の2名いる。どちらを選んでもどちらかが深く傷つくことは容易に想像できるし、2人で話し合って決めることをお願いしても関係に亀裂が入り、蟠りやシコリが残るだろう。しかも1名は実の娘であり、家族や親戚のこと、娘との今後の関係性などを考えれば考えるほど答えが出ない。回答の期限は3ヶ月後に設定されていて、途中向こうの楽団の幹部である旧友に枠を2名にしてもらえないかと懇願したが叶わなかった。このオファーを団員の誰にも伝えていない今なら、なかったことにもできるのではないかとも考えたが、2人の人生を左右する大きな決断をできないまま2ヶ月が過ぎた。

こうして悩んだ末に団長が出した結論は"オーディション"であった。課題曲を与え、演奏技術がより高いと評価されたほうをドイツの楽団へ練習生として送り出すのだ。期限が迫っていたので急いで2人に事情を説明して2週間後にオーディションをする旨を伝えると、そこから毎日共に練習を重ねてきた2人は一切話すことをやめた。大学や楽団での活動をすべて休止して毎日課題曲の演奏だけに没頭することとなる。この2週間、文字どおり寝る間も惜しんで2人は楽器を弾き続けた。


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