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旧車の電装系とインターセプター

 映画「MAD MAX」に登場する、劇中車インターセプターのレプリカです。
 アメ車ではなくオーストラリアフォードの車輌で、日本車で言う所のハコスカやケンメリと同じ時代に製造された旧車(クラシックカー)です。

 この車輌に限らず、旧車を購入する際に必要なハードルの高さは、並々ならぬ物です。特に日本に正規輸入されていない車輌ともなれば、すぐに壊れて動かなくなってしまう可能性を考えてしまいます。

 私も最初はそんな心配をしていましたが、現地の愛好家の話を調べていくと、どうやら故障の多くは電装系とのこと。
 自動車の電装系は「動いていれば大丈夫」ではありません。古い電化製品が急に火を噴いて火事になるのと同様、旧車の電装系は「何もしていないのに急に燃える」リスクを内包しています。

 旧車を維持されている方なら御存知の方も多いと思いますが、古い車には「接点不良」というトラブルが出始めます。これは「ヒューズを何度も抜き挿ししたらライトが点灯するようになった」というような物や、球切れかと思ったランプがソケット側の接点を磨いたら点灯するようになるなど、「古いから当たり前の、どこも壊れていない故障」です。

 旧車に乗り慣れていない人には寝耳に水のトラブルだと思いますが、馴れている人であれば「良くあること」のひとつです。
 このような症状が出ている車輌の多くは、ライトが暗かったりセルモーターが勢いよく回らないなど、電気配線の劣化も進んでいます。ライトやセルモーターに正しく送られない電気は、劣化した配線の抵抗で損失(配線を過熱)しているため、最悪の場合は車両火災にも繋がります。

 そこで登場するのがMoTeC PDMです。

 旧車のレストアや電装系のリフレッシュの際、MoTeC PDMを使用して長期的な信頼性を手に入れることは、一部では定番になりつつある作業。そしてそれを販売している私にとって、旧車の電装系はリスクではありません。
 電装系以外に不安が無いと判断したため、オーストラリアからの輸入を決意しました。

 50年前に製造された「いつ火を噴くか判らない」電気配線やリレー、ヒューズをすべて撤去して、MoTeC PDMで電装系を制御。配線は信頼性の高いミルスペックワイヤーですべて引き直し、DTMコネクターを使用して電装系を完全にリフレッシュしました。

 さらに、エンジンをキャブレターとディストリビューターを使った制御から、MoTeC ECUによる現代的な制御に変更。この際に燃料配管や点火系もリフレッシュ。これで「経年劣化による出火の原因を解消」しました。

 一般的に、旧車のレストアといえば、エンジンやミッション、足回りのオーバーホールや、ボディの鈑金修理という部分ばかりが注目されがちです。
 それらの部分に深刻な問題が発生しているようであれば大問題ですが、とりあえず動くのであれば後回しで大丈夫。
 そんな事よりも「いつ火を噴くか判らない電装系」や「ガソリン漏れの危険がある燃料配管」を真っ先にリフレッシュして安心を手に入れたい。そんな考えからMoTeCのシステムで蘇らせたのが、このインターセプターです。

 もちろん、バルブを交換してもヘッドライトが暗い、セルモーターの速度が遅くてエンジンが掛かりにくい…のような、古い電気配線故のネガティブな要素もすべて解消しています。

 モーテックオンラインサービスでは、配線引き直し、PDMやECUのセッティング、ディスプレイロガーを使ったCANの構築など、MoTeC機器の設定テストにインターセプターを活用することで「MoTeCを利用すれば旧車の電装系が安心できる物になる」という事を啓蒙して行きます。

モーテックオンラインサービス
https://moteconline.com/

インターセプター
http://realinterceptor.com/

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