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『混沌の爪と青玉の矛』全テキストデータ

ローグライクハーフシナリオ『混沌の爪と青玉の矛』のテキストデータです。
Webブラウザ上で遊べるシナリオ本体は下記の記事で公開しています。


クレジット表記


・プレイヤー(人数):1
・プレイ時間(分):60~90分
・対象年齢(歳):10~99歳
・ゲームマスター:不要
・ジャンル:ファンタジー
・レベル:初級
・難易度:Normal
・形式:シナリオ(d33)
・世界:オリジナル

下記作者様の画像素材を利用させていただいております。

◇モンスター、アイテム画像
[作者名]氏家まさら様
[サイトURL]https://uzi-material.com/

◇カード枠
[作者名]きっち様
[サイトURL]https://www.pixiv.net/users/10335020

序文

背景

 大海に浮かぶファサーデラ大陸。古代ガーランド語で「巨人の背中」という意味を持つこの大陸の南西に、レイドルダイムという名の小国がある。
 大陸西部を支配するガーランド帝国の庇護のもとで、他国からの侵攻へのおびえもなく、人々は貧しくとも平和な生活を謳歌している。

 物語の舞台は、レイドルダイム南部に位置する交易都市「カランダイム」。
 内陸の乾燥地帯とレイドルダイム最大の港湾都市「ポルトダイム」を結ぶ街道の中間地点にあるこの街は、古くから交易の中心地として栄えている。
 そんな平和な街に突如として災厄がもたらされた。
 カランダイム領主の元に混沌の神カ=ハの使いを名乗る魔術師が現れ、赤い月と闇の母が重なる時に街の住人全員をカ=ハへの生け贄に捧げると宣言したのだ。
 魔術師は街の地下に存在していたダンジョンの最奥に立てこもり、儀式に向けた準備を行っている。
 闇の母とは夜空に浮かぶ暗黒の女王座の別名であり、この星座と赤い月が重なるのは直近で一月半先になる。
 カランダイムの領主は直ちに配下の衛兵を魔術師討伐のためダンジョンに向かわせたが、罠とモンスターの前にあえなく敗走を余儀なくされた。

 首都に窮状を訴え、騎士団の派遣を要請していては間に合わない。
 追い詰められた領主は大きな賭に出た。

プロローグ

 カランダイムの中心に位置する中央広場。
 露店が建ち並び行商人が異国から買い付けた珍しい品々を店先に並べ、大道芸人や吟遊詩人の周りには人垣ができている。
 旅の途中でカランダイムに立ち寄ったあなたは、広場の一角にある掲示板の前で足を止めた。

 ===求む、冒険者===
 期限までに迷宮に立てこもる悪の魔術師を討伐した者に金貨500枚を与える。
 迷宮内で手に入れた財宝すべての所有権を認める。
 ただし、期限を越えた場合報酬は支払われない。
 期限 :黄昏の月30日

 迷宮に立てこもっているという件の魔術師の噂は、先だって立ち寄った酒場でも耳にしていた。
 すでに何人もの冒険者が迷宮に潜っているらしい。
 金貨500枚に加えて迷宮内の財宝が手に入るとなれば、悪い話では無い。
 魔術師が立てこもった理由については公になっておらず、混沌神カ=ハの信者らしいということくらいしか分からない。
 あなたにとっては魔術師側の事情など知ったことでは無い。魔術師を討伐すれば富と名声が手に入るのだ!
 期限に示された日まで今日からちょうど30日だ。

概要説明

 ■ゲームの概要
 「ローグライクハーフ」シナリオ「混沌の爪と青玉の矛」へようこそ。このゲームはプレイヤー1人で遊ぶことを想定しています。
 あなたは自分の分身である「主人公」を作成します。これは「冒険者」とも呼ばれる、万能ではないが十分に強いキャラクターです。
 本ゲーム開始時には従者を連れて開始することはできません。プレイヤーキャラクター一人で開始してください。
 なお、従者はゲームの中で雇うことができますので、従者点が無駄になることはありません。
 『混沌の爪と青玉の矛』では作りたて(レベル10)のキャラクターでのプレイを想定しています。
 また、本シナリオはゲーム中にキャラクターが成長しながらクリアしていくゲームデザインとなっており、迷宮を1階層突破するごとに経験点1点が与えられます。
 ゲーム進行の詳細については後述します。

 ■ゲームの特徴
 「ローグライクハーフ」のシナリオは、短い時間でTRPGを遊んだような満足感を与えてくれます。部屋を探索し、ワナをかいくぐり、敵を蹴散らして、最終的な目的へと臨みます。
 しかし、気をつけてください。冒険の一部はランダムで形成されているため、必ずしも成功するとは限りません。判断を誤り、運に見放されたとき、あなたの大切なキャラクターは冷たい墓石の下で、永い眠りにつくことになるでしょう。

 ■ゲームに必要な物
 筆記用具と六面体サイコロ1個があれば、すぐにもゲームをはじめられます。「冒険記録紙」をプリントアウトしておくと、手もとで情報を管理できて遊びやすいでしょう。

 ■ゲームの準備
 本作『混沌の爪と青玉の矛』をはじめる前に、あなたは主人公を準備してください。冒険を進めるためのルールを読むか、いつでも読めるように手もとに置いてからゲームを開始します。
 繰り返しになりますが、本ゲーム開始時には従者を連れて開始することはできません。プレイヤーキャラクター一人で開始してください。
 本ゲームは作成したて(レベル10)のキャラクターでのプレイを想定しています。

 ■ゲームの進行
 『混沌の爪と青玉の矛』はダンジョンの探索を中心とした冒険で、ダンジョンの中では1本道モードで進行します。
 1本道モードではあなたは次のイベントを決定するためにダイスを振る必要はありません。「次へ進む」ボタンをクリックすることで、ランダムに決定される次のイベントへ進みます。
 ダンジョン以外の場面では、表示される選択肢を選択することでゲームが進行します。

 ■冒険とゲームの勝利
 このゲームの勝利とは、シナリオにおける使命を達成することです。『混沌の爪と青玉の矛』では期限内に悪の魔術師を討伐することです。
 『混沌の爪と青玉の矛』は1回の冒険で完結するようにデザインされています。

 ■地下迷宮と隊列
 『混沌の爪と青玉の矛』における戦闘には、隊列という概念はありません。主人公と「戦う従者」は、敵を好きなように攻撃できます。
 敵側の攻撃は、主人公が1人の場合には、攻撃の半分を主人公が受けてください。残りの半分は従者が受けます。
 いずれの場合でも、余った攻撃をどちらが受けるかは、プレイヤーが決めてください。

 例:インプ7体が主人公と「戦う従者」である兵士3人を攻撃した。インプの攻撃は合計で7回である。プレイヤーは攻撃のうち3回分を主人公が、残りの4回分を従者が受けることに決める。従者である兵士は【防御ロール】に失敗するたびに1人ずつ死亡する。

 ■ゲームの終了(冒険の成功と失敗)
 主人公が1人死亡したら、冒険は失敗で終了します。最終イベントを終えた場合にも、ゲームは終了します。そのときに条件を満たしていれば、冒険は成功に終わります。
 『混沌の爪と青玉の矛』では期限(ゲーム開始から30日)が決められており、期限を経過しても悪の魔術師を討伐できない場合、冒険は失敗になります。
 残りの日数は画面上段に表示されます。

 ■時間経過について
 『混沌の爪と青玉の矛』では経過日数が重要な要素になります。
 
 ダンジョン内での経過日数は次のルールで管理します。
 ・踏破したマップタイル5枚ごとに1日経過
 ・ダンジョンから街に帰還したら1日経過
 
 例1)ダンジョンでマップタイル10枚を踏破して街に戻った場合、3日経過します。
   (マップタイル5枚×2 + 街への帰還)
 例2)ダンジョンでマップタイル4枚を踏破して街に戻った場合、1日経過します。
   (マップタイル5枚未満のため、街への帰還による1日のみ)

 宿屋で1泊した場合など、ダンジョン以外でも行動によって日数が経過します。

 経過日数はシステムが計算、管理するので、あなたが経過日数の計算を行う必要はありません。
 期限までの残日数は画面上段に表示されます。
 残日数にはくれぐれも注意してください。
 期限を過ぎてしまった場合に発生する悲劇は報酬が支払われないだけではありません!!
 
 ■従者の雇用について
 『混沌の爪と青玉の矛』ではゲーム内で従者を雇うことができます。
 『混沌の爪と青玉の矛』では従者の雇用は日当制になります。
 従者ごとに日当が決められており、ダンジョンから街に帰還した際に、ダンジョン内での滞在日数分の日当を支払う必要があります。
 なお、宿屋の宿泊などダンジョン外での経過日数に対しては日当を支払う必要はありません。
 日当の支払いは街に帰還した際に、滞在日数分の日当をまとめて支払ってください。
 街に帰還したら、従者は自由に解雇することができます。
 (ダンジョン内で解雇することはできません!!)
 なお、ダンジョン内で死亡した従者へも滞在日数分の日当を支払う必要があります。

 例)ダンジョンに降りた初日に従者が死亡したが、そのまま冒険を進めて3日経過後に街に帰還した場合、死亡した従者にも3日分の日当を支払う必要があります。

 ダンジョン内での滞在日数はシステムが計算、管理するので、あなたが滞在日数の計算を行う必要はありません。
 ダンジョンから街に帰還する際に、滞在日数が表示されますので、日数分の日当を支払ってください。

 装備品などを売却しても日当を支払えない場合、あなたは衛兵に捕まり投獄されます!!
 それは、あなたの冒険がそこで終わることを意味しています。
 
 ■ダンジョン攻略について
 『混沌の爪と青玉の矛』の舞台となるダンジョンは地下1階から地下5階までの5階層で構成されており、各階層はd33ダンジョンになっています。
 つまり、d33のダンジョン5つで構成されています。
 各階層ではd33ダンジョンを探索し、次の階層へ進む手がかりを手に入れます。
 手がかりを手に入れたら、階層イベントに進むことができ、階層イベントをクリアすると次の階層に進むことができます。
 手がかり入手後は任意のタイミングで階層イベントに進むことができますので、入手後すぐに階層イベントに挑戦することもできますし、その階層の探索を続けた後や一旦街に戻って装備を調えてから挑戦することもできます。
 手がかりを入手すると、画面上部に「階層イベントに進む」ボタンが表示されますので、そのボタンから階層イベントに進んでください。
 手がかりを入手できなくても、その階層のすべてのマップタイルを踏破すれば階層イベントに進みます。

 『混沌の爪と青玉の矛』ではダンジョン内からいつでも街に戻ることができます。
 画面上部の「街に戻る」ボタンをクリックすると街に戻ることができます。
 再度ダンジョンに降りる際には、到達済みの階層の中から降りる階層を選択することができます。

 ■ゲームの中断と再開について
 『混沌の爪と青玉の矛』ではゲームの進行状況を保存し、後から再開することができます。
 画面上部の「保存して中断」ボタンをクリックすると、ゲームの進行状況を保存してタイトル画面に戻ります。
 保存したゲームを再開する場合は、タイトル画面の「保存したゲームを再開」ボタンをクリックしてください。
 ゲーム状態のデータはWebブラウザに保存されます。そのため、別の端末やブラウザで続きを行うことはできません。
 (スマホで途中までプレイし、続きをパソコンでプレイすることはできません)
 ゲームの保存は一つだけです。ゲームの保存を行うと、保存されていたデータは上書きされます。
 また、Webブラウザのキャッシュクリア等を行うと、保存していたデータが消去される可能性があります。
 作者(もるも)はデータの保存には一切責任を負いません。あらかじめご了承ください。

 ■制約事項
 戦闘からの逃走は明示的な指示がない限り行えません。
 ブラウザの「戻る」ボタンや、「再読み込み」ボタンはクリックしないでください。

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