アカリパパ

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All your letters in the sand cannot heal me like your hand. #連れ去り#共同親権

最近の記事

海外に学ぶ組織論② スイス:「単独親権から共同養育がスタンダードになるまでの15年」

こちらのアメリカの記事に続いて、今回はスイスの社会運動の例を紹介したいと思います。一言で言うなら「統括団体を作って共通見解を出し、力を一つに合わせろ」になります。日本における社会運動でも参考にすべきことが述べられていると思いました。 1. あらすじ本記事は、2023年5月にアテネで開催された第6回国際共同養育会議の講演の一つを要約したものです。元の講演はリンク先で公開されています。 Oliver Hunziker - From Single Custody to Shar

    • 共同親権よくある誤解 Q&A

      このnoteでは、共同親権についての誤解や批判についてのQ&Aを、国際的な共同養育の研究・推進団体である ICSP (Internatiional Council on Shared Parenting) が根拠論文付きで公開しているので、抄訳して紹介したいと思います。 QAが全16件、参考文献紹介が全26件からなります。気をつけたつもりですが、もし誤字・誤読などあればご指摘いただけたら助かります。 なお、文中で "Shared Parenting" は監護割合が父母双方

      • 海外に学ぶ組織論① 米国のShared Parenting法制化にみる組織論

         共同親権の法制化が日本でも取り沙汰されていますが、今日は組織論的な部分に触れてみたいと思います。  日本は不思議ですよね。これだけの大きな法改正にもかかわらず、賛成する人達は個別バラバラの別居親〜せいぜい数十名程度のグループなどが多く、一方で反対の人間たちは日弁連のようなマンモス組織やシングルマザー団体連合会や巨大NPOなど、非常に組織化されています。この不均衡な状況で、曲がりなりにも賛成の声が潰されず法制化が検討されているだけでも、奇跡的なことなのかもしれません。組織化

        • 小川教授&千田教授記事のその後:オーストラリアの家族法制の動き

          共同親権はオーストラリアでは失敗していて廃止しようとしています(意訳)と以前述べた大阪経済法科大学の小川富之教授ですが、オーストラリアの新聞からそんなことないよとツッコミを受けていました。現地紙が100%正しいとも断言できませんが、現地の雰囲気を熟知しているわけなので正しい可能性は高いでしょう。この一件で、専門家を名乗る人の発言とはいえ鵜呑みにせず、原典にあたることが大切だと改めて思いました。そこで可能な範囲で実際のオーストラリア家族法の原文や議会報告から、その後の状況を調べ

        海外に学ぶ組織論② スイス:「単独親権から共同養育がスタンダードになるまでの15年」

          【共同親権】父母均等監護(EPT)が法律上の推定になっている地域一覧

          共同親権法制がある国はG20国中だけでも17ヶ国にも及びます(日本はそこに入らない3カ国の一つです)。しかし共同親権と言っても濃淡があり、父母均等監護(Equal Parenting Time)を法的な推定(Presumption)とするよう法制化している国となるとまだそこまで多くないようです。EPTというのは離婚後子供が父と母と半分ずつ生活する方式で、3日ずつや一週間ずつの交代監護などやり方は色々ありますが、養育時間が父母均等になることを出発点として監護割合が配分されます。

          【共同親権】父母均等監護(EPT)が法律上の推定になっている地域一覧

          【共同親権】アラゴン州(スペイン)の共同養育法が素晴らしすぎたので紹介

          こちらの論文紹介記事の番外編です。 1. アラゴンとは、、、スペインを構成する17の自治州の一つで、スペイン領土の東部に位置し、過去にはアラゴン王国という独立した王国であったことから17自治州の中でも高いレベルの自治を認められているようです。生ハムのハモン・セラーノの生産地の一つとして有名です。(調べていて、こんな美しい街でも離婚や男女の諍いはあるのだなあと、人間感情の普遍性を思いました。) https://www.turismodearagon.com/ja/ 2.

          【共同親権】アラゴン州(スペイン)の共同養育法が素晴らしすぎたので紹介

          【論文紹介②】50:50共同養育が子供にはベスト、と思ったら女性にもベストだった〜スペインのEPT法の影響〜

          ■今日紹介する論文は、こちらの2つ同一の著者による、スペインのEPT法をテーマにした2つの論文です。 (1) 「家族の行方及びティーンエイジャーの危険行動に対する均等養育時間法の効果:スペインでの証拠」 The impact of equal parenting time laws on family outcomes and risky behavior by teenagers: Evidence from Spain 著者:ダニエル・フェルナンデス=クランツ(スペイン

          【論文紹介②】50:50共同養育が子供にはベスト、と思ったら女性にもベストだった〜スペインのEPT法の影響〜

          【論文紹介①】共同親権のほうが単独親権より子供に好影響

          日本でも離婚後の共同親権制度の導入が取り沙汰されるようになって来ています。ネットの議論を見ると、共同親権は危ないとか単独親権がいいとか色々な意見が出ていますが、どれも印象論が多いような気がしています。法務省が各国の法制度を調べているものの、『共同親権にすると子供のためになるのか』『子供には両親がいた方がいいのか片親で良いのか』『離婚後両親にどれくらい会わせるのが良いのか』という子供の発達面への注目が十分ではないと思っています。そこで、そのような論文が海外でないか、調べてみまし

          【論文紹介①】共同親権のほうが単独親権より子供に好影響

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう③〜日本のチェックリスト〜

          前回、前々回と、ユニセフが子どもの権利条約の周知のために発行しているハンドブックの9条(親子不分離の原則)を読んできました。今回は最終回で、章末にあるチェックリストを使って、日本の履行状況を判断してみたいと思います! ■第9条章末チェックリストハンドブックの各条解説の後に、導入チェックリストがあります。今回は9条のチェックリストのうち、重要と思うものを抜き出して日本に関してチェックしてみたいと思います。 ■ポイント1:加盟国は親子の別離が「子どもの最善の利益に反する時のみ

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう③〜日本のチェックリスト〜

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう②〜大事なとこだけ〜

          前回、子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみたら、9条部分だけでも長すぎる記事になってしまったので、個人的に大事だと思った部分だけ抜粋しておこうと思います。(フル版→こちら)(チェックリスト編→こちら) 「児童の権利条約第9条は、子供の権利の最も基本的な2つの原則を謳っている。それは第一に、子どもの最善の利益のために必要な場合を除けば、子どもは両親から引き離されるべきでは無いということである。第二に、もし子供の最善の利益のために子供を両親から引き離すような場合にも、その

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう②〜大事なとこだけ〜

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう(第3版・9条編)①

          今回は、ユニセフが取りまとめている、子どもの権利条約導入ハンドブック第3版を読んでみます。国連機関としてユニセフがまとめた本ですから、子供の権利条約の解釈をする上で最も正統なガイドの一つと言っていいでしょう。子どもの権利条約9条は、親子の絆を引き裂かないことを謳った条文です。日本で発生している子どもの連れ去り問題や、単独親権問題は、このハンドブックから見るとどう映るでしょうか?日本語版が見当たらなかったので、関連部分を抄訳してみたいと思います。(長いので抜粋→こちら)(チェッ

          【ユニセフ】子どもの権利条約実施ハンドブックを読んでみよう(第3版・9条編)①

          【離婚前に】【結婚前にも】養育費算定表を読んでみよう!②〜金額ヤバイ編〜

          今回は、本当は怖い養育費と婚姻費用の話をしたいと思います。 唐突ですが私の友人Aは養育費を月11万円払っています。元奥さんはそれと各種補助金を併せることでほとんど働かずに賃貸暮らしが出来ています(たまにお金が足りなくなると追加でお金を要求しにくるそうです。離婚したのに)。しかしA本人は埼玉北部の実家から2時間かけて都内の会社通いをしなければならず、小遣いもほとんどなくて生活に自由がありません。何故そうなるのか?それは、現行の養育費・婚姻費用という制度が、真面目に働いている方

          【離婚前に】【結婚前にも】養育費算定表を読んでみよう!②〜金額ヤバイ編〜

          【離婚前に】【結婚前にも】養育費算定表を読んでみよう!①〜基本編〜

          初めまして。 いきなりですが、突然の子連れ別居→離婚することになりまして。裁判所で離婚調停というのをしています。いわゆるツレサリってやつですね。この場合もサレ夫っていうのかな? 子供がいると、離婚した後に養育費を払う必要があるというのは、皆さんご存知だと思います。養育費は、子供と同居していない側の親が、子供と同居している親に対して支払うお金です。日本では多くの場合母親が親権を取りますので、父親が払うことになることが多いです。それで調べてみると、子どものためとはいえ中々の金

          【離婚前に】【結婚前にも】養育費算定表を読んでみよう!①〜基本編〜