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感性哲学コンサルタント〈講師・ファシリテーター〉月野直美さん

月野直美さんプロフィール
出身地
:福岡
活動地域:福岡、東京
経歴:10歳の時に教育者の祖父の本を読み、思想・哲学の世界に引き込まれる。中・高時代に人と競争するための学びに疑問を抱き、自らの命が求める学びの世界を歩み始める。仏教や禅(道元・鈴木大拙)・インド思想・キリスト教・吉田松陰・松下幸之助・詩・文学・ゲーテ・トルストイ・ニーチェ・感性論哲学・慈雲尊者など、その学びは40年続く。24歳から九州ニュービジネス協議会など経済界の集まりで講演・講話の講師・インタビュアーなどを務める。キャリアコンサルタント(国家資格)の資格取得後は、オリジナルプログラムを共同開発し、九州大学・筑波大学・東京大学などの大学院生や福井大学の博士向け、大手企業のリーダー向けに展開し、満足度の高い授業BEST 3、人に薦めたい研修第一位などに選ばれる。現在は、経営者・幹部・教育者向けに哲学×キャリア理論をベースにした講座・研修の講師兼ファシリテーターとして活動。相手を受け止める安心感のある聴き役、人の心に届く言葉で語りかける表現者として、人の心を素直にしていく発信源の役割を果たしている。共著:「みんなの地球は夢林檎」「日本の自画像vol.2-自分に素直に生きる‐」
座右の銘:自分に素直に生きる

月野直美さん、以下月野
よろしくお願いします。

記者:先日参加した500人が集まる講演会で、月野さんの感性論哲学の講座が紹介されていて、ご縁を感じ感動しました。今哲学に関心が高い若者や経営者が増えていますね。

Q:現在はどんな夢やビジョンを持って取り組んでいらっしゃいますか?

月野:もう30年以上様々なビジョン講座を開催し蓄積しながら描いて来る中で、人間誰しも一人一人の中にあるその人の持ち味、本質に素晴らしいものを持っていると思っています。しかも、その人が自らそれを発見して、生かしていくことで世の中に感謝され経済循環も生まれていくものだと思います。

一人ひとりが天分や本質、自分の宝となるものを掴んで、それを育てるのが本来の教育だと思いますし、その延長上に社会で自分を発揮していく職業がある、教育と職業は本来つながっているものだと思いますので、日本の中にそのようなつながりや仕組みが生まれて、いきいきと学び、仕事をする人々の輝きで地球が輝くこと、それが私の描くVisionです。

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  「月野さんにはどんな人も心を開いていく」


本来備わっている感性が鈍ると、人は自分の天分が何なのかが分かりにくくなります。幼少期はいきいきワクワク夢中になって周りを忘れてしまう時間を過ごしていたのに、その時の感覚を忘れ、得すること、見栄、プライドなどが混在していくと次第に感性に蓋をされて苦しくなっていきます。心が喜ぶことを我慢して、努力して、親の喜ぶこと、周りの評価などから本来の興味を押し殺し、頑張って、精神的に疲弊していく若者たちをたくさん見てきました。

ある大学院の授業で、これからのビジョンを描きましょう、という場面になったときに「もうこれ以上頑張れません」と書いた学生がいました。それを見た時、ここに来るまでにどれほど無理を重ねてきたのだろう、と心が痛くなりました。自分もやはり高校時代に苦しかった経験があり、彼らの気持ちを感じることができるので、本当に辛かっただろうなと思い、これからはそれを変えていこう、喜びややりがいを持って学べる環境を、後に続く若者たちのために創っていこうと思いました。

Q:その夢やビジョンを実現する為にどのような目標計画をお持ちですか?

月野:目標は三つあります。まず一つ目は、これまでの10年間実施してきた「アイデンティティ(自分軸)&ビジョン」プログラムを、教育者の方へ手渡していくことです。
10年ほど前、九州大学大学院の非常勤講師をしていた時、やはり非常勤講師として来福されていた企業の研究員の方と話していて「優秀な学生たちが、周りからは日本のために頑張れと期待を背負って日々ぎりぎりまで研究しているが、本人たちが内側から燃えるものを見つけられていなければ苦しいだけ、もっと内側から意欲が湧いてくるようなプログラムを開発しよう」と意気投合し、新たなキャリアプログラムを開発しました。それを九州大学に提案して採用され、その後、筑波大学、東京大学、大手企業のリーダーなどへ拡がっていきました。受講した大学院生たちの声をもとに改善、手直しを繰り返し、よかったという声が多かったものだけを残し、さらに毎回新たなアイディアを試して試行錯誤しながら創りあげた思い入れのあるプログラムですが、それを今、縁のある教育者の方へ手渡すことを始めています。これまで、関東・関西・九州と各地で講義をしてきましたが、やはり私一人では伝えられる人数は限られています。学んだ人たちが各地で拡げてくれるという次の展開に移りました。

二つ目は、これまで40年間学び続けてきた禅・哲学と感性論哲学をベースに、“能力”と“人間性”の両方を備えたリーダーを育てる「人物教育研修」を、企業向けに展開していくことです。現在、すでに熊本や東京、福岡で実施していますが、自分の軸と人生の目的・ビジョンが明確になった方、経営の指針と自分の使命が一致していると気づき自信を持って進み始めた方、新たな可能性に気づかれて本格的にその道への学びや実践を始めた方、今の仕事への意欲と使命感に目覚めた方など、大きな反響があり拡がってきています。

これからの10年間は、教育と経営の分野のリーダーの方々へ、「禅・哲学(感性論哲学)」と「自分軸とビジョン」の根幹をお伝えすることが、今からの私の大切な役割・使命だと思っています。また、ビジョン実現のために欠かせない対話法として、“自分も相手も大切にするアサーション”という話法に私が学んだ禅・哲学の考え方を統合してお伝えしていますが、それを聞いて「素直な気持ちを伝えられるようになった」、「いつも我慢してストレスがたまっていたのがスッキリした」と喜びの声が多く聞かれ、世の中のさまざまなストレスから起こっているいさかいや事件を未然に防ぐ意味でも、このような対話法と考え方を届けていきたいと思います。

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三つめは、これまで主に講演や研修・講座を中心に活動してきましたが、聞かれた方から「もう少し早くこの話を聞きたかった」といわれることが多く、また、若い人たちからは「哲学をもっと学びたいです!どこで学べますか?」とたずねられることが多くなりました。必要としている人に、必要なタイミングで届けるためにも、まずは一冊、本の出版を実現させたいです。

これまで私がやってきた哲学、人物教育、感性の哲学を通して、能力と人間性の両方を持った人物を育てる研修を行いたいと思います。学校と企業、社会が繋がるように。教育と企業(仕事)を統合し、どちらもが繋がって改革出来る道すじを作りたいです。

記者:令和に入って、今改めて哲学が見直されていますよね。本屋さんでも哲学書がたくさん売れる時代になりましたね。

Q:目標計画をどんな形で実践されていますか?

月野:一つ目の「自分軸とビジョン」プログラムの伝授については、やはり価値をわかってくださる方へ一人ひとり丁寧に、手法だけではなくなぜこのような考え方や哲学が今大切なのかといった想いの部分をしっかりと受け継いでいただけるように、マンツーマンで対話をしながらお伝えしています。現在は、縁のある方へお伝えしていますが、今後は仕組みを明確にして、ひとりの力ではなくチームでやっていきたいですね。

二つ目の「人物教育研修」については、志のある経営者の方と出会い、感性や哲学の大切さに価値を感じてくださる方のもとでリーダー研修を実施していきたいと思っています。そのためには、志のある経営者の集まりなどで講話をしてまずは知っていただくことが大切ですが、現在、そのような場へのご縁をつないでくださる方々のおかげでいろいろと機会をいただいています。また、最近は公立中学の教頭先生の研究会300人くらいの集まりで講演をさせて頂くなど、教育のリーダーの方々へ哲学や対話についてお伝えする機会が生まれてきました。発信することで、同じような想いや感性を持つ方と出会えます。そうやって想いを共有できる方々との協力関係を築いていくことが今大事だと思っています。

私は、24歳から講師としての仕事を始めましたが、前に立ってお話しする時に大切にしてきたことがあります。それは、常に正直であることです。例えば、学生の前で話す時、先生だから上とかえらいではなく、人間としては常に対等なのだと。実際、すごいと感じる学生はたくさんいるので、年齢は関係ありません。私は、ひとりの人間として、今までやって来たことをそのまま伝える、精神的にまいっていた時期のこと、いまだできていないこと、自分の落ち度で学生に迷惑をかけた時には正直に謝りますし、今、悩んでいることも、失敗談も語ります。“等身大の自分でいること”を心がけるようにしています。

そこから出発しないと始まりませんよね。(笑)こちらがありのままの自分でいることで、相手も、「自分のまんまでいいんだ」となってはじめて心を開いてくれます。こちらが鎧を着たままでは自分の人生のことについて話してはくれません。生き方自体を赤裸々に語りますし、心からの言葉じゃないものは話せません。そこに、講師として、伝える側の責任があると思っています。

それから、私が人生で出会ってほんとうにためになった内容や心から感動したことだけを伝えるようにしています。先ずは自分の感性に蓋をせず、その人の為になると純粋に思えることを選択して構成を考え準備をしますね。

三つめの本の出版については、今秋から出版講座に通い始めたところです。「道徳教育で何を教えたらいいかわからない」「いじめ問題への対応に苦慮している」という教師の方へ、また、「やりたいことがわからない」若者、「今後の方向性に迷っている」40代50代の方、そして、企業の経営者・幹部の「ビジョンづくり」に、これまで各地で実施し結果を出してきた内容を、出版することで広く伝えていけたらと思います。

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Q:現在の夢やビジョンを持つようになったきかっかけを教えていただけますか?

月野:一つは、高校時代です。進学校でしたので、成績上位100人の名前が貼り出され、とにかくいい大学に合格することをよしとする風潮があって、何か受験とか競争とか、そんなもののために学ぶということへの違和感がありました。心から欲する学びを純粋に学ぶ喜びや楽しさを大事にしたかったので、私は、流れに逆らって、興味のあることを一人コツコツ学ぶ道を選びました。学ぶことは尊く、そして楽しいものだということを貫きたかった気持ちは今も変わらず、このような学びの芯の喜びや楽しさを今の若い人にも伝えたいと思ったからです。

もう一つは、最初に就職した損害保険会社の営業課の日々の中で、○○賞やライバルに勝つために目標数字を無理して達成しようとする風潮がいやで、「ここでやっていることが命をかけてやることなのか?」と、毎日毎日考え続けていました。ある日の出来事をきっかけに、とうとう会社とは反対方向の列車に乗ってしまいます。ひとりで筑後川の大きな流れをみつめていた時、「尊敬する松下幸之助さんがはじめた仕事をやりたい!」、と思い立ちその足で京都のPHP研究所に行き、編集局に出向いて「働かせてください」とお願いをしたのです。10代の頃からPHPの冊子に心を救われた体験があり、こんな仕事をしたい!と。残念ながら人が足りていると言われましたが、あきらめずに翌朝にはビデオ編集局に行き、同じく「働かせてください」と頼み込んだところ、上司のところに連れて行ってくれて、そこで1週間働かせてもらえることになったのです。京都に来るときの新幹線でお隣になった京都在住の女性の家に泊めてもらったとき、そこのご主人が私の話を聞いて「あなたの行動、僕はいいと思うよ。年を取って、一番寂しいのは、あんな無茶やったなっていう思い出がないことなんだよ。」と言われました。また、京都の本屋に立ち寄った時、『勝彦えんま帖』という本に出会い、その中の一節に、「星の寿命と比べたら人間の一生なんて一瞬、だから、星の彼方から見て輝いているような生き方をして思いっきり輝いて!」といったメッセージを読んで、涙がダーーっと流れて来ました。星の寿命から見たら人生は一瞬だから、人からどう思われるかと気にしてやりたいことを躊躇している時間はない。「本当に自分がこれだ!!と思う人生を素直に生きよう!!」そう悟った瞬間でした。

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Q:更にその背景にはどのようなことがあったのでしょう?

月野:一週間して帰って来た私に、母が言った言葉が、「あなたのことを信頼していたから大丈夫よ!」だったんです。そんな母は誰よりも感動を大切にする人でした。小学校を休ませてコンサートに連れて行ってくれたり、さなぎが蝶に羽化するのを家族みんなで感動しながら見ていたり、母が根っからの感動人間でしたので、感動が人の心を洗うという体験をしてこれたのだと思います。

また、私は元々買い物に行くのも姉の後ろに隠れて店の人と話さないようにしていたほど人前で話すのが苦手でしたが、小・中・高と、学級委員やブラスバンドの指揮、卒業式の送辞のスピーチ、文化祭の司会などを任されて場を与えられ、後ろから押し出されるようにしてとにかくやってみたらきいている人の反応が良かった、という感じで、自分が得意なことに気づけました。場数を踏むことで内にあったものが自然と芽吹く、という体験でした。何が得意か不得意かということもチャレンジしてみたら分かります。自然体でやれるものは、きっと自分に向いているのではないでしょうか。

そしてこれは10歳から仏教や思想哲学を学んできたから自然に思えるのかもしれませんが、与えられたことはすべて有り難い縁であり、チャンス!!世の中の繋がりへの信頼、縁起でいろんなことが一つに繋がっているのだから、来たものはやはりご縁だと思うのです。だからこそ、今、目の前に来たものは素直に受け取り、前向きにチャレンジできたのでしょうね。


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記者:素敵ですね!逃げない秘訣は繋がりや縁と感じて受け取るという哲学的思考が背景にあるのですね!

 Q:最後に一言メッセージをお願い致します。

月野:私も以前は、「もっとこうしておけばよかった」と、後悔していたことがたくさんありました。しかし、時を経て、やはりその道を選んだからこそ今があると思えます。過去のことへの後悔を手放して、今の自分の心が感動すること、欲することに素直に生きましょう!!これまでの楽しい時期や辛い時期のさまざまな経験が心豊かな土壌になって、純粋なビジョンが生まれると思います。

記者:インタビューは以上です。ありがとうございました!

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月野直美さんの活動、連絡については、
こちらから↓↓

◆HP

◆Facebook 



【編集後記】

インタビューの記者を担当した風見、不知です。心が感動することをやる!を実践されている月野さん。令和時代に更なる感性論哲学の展開が楽しみです!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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