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2021/9/20 コンサルタントが知るべき労働生産性とITの関係性

【コンサルタントが知るべき労働生産性とITの関係性】

9月20日(月)に行われた、リベラルコンサルタント協議会(以後、リベコ)代表理事で、IT業界での勤務経験が長い森田昇さんによる講座「コンサルタントが知るべき労働生産性とITの関係性」の内容をご紹介します。

リベコの講座には、キャリコンをはじめ、対人支援に関わる人が多く参加するため、今日の話題であるITが、対人支援にどう関係するのか? と考える人が多いかも知れませんが、今の世の中、ITは避けて通れないというかあるのが前提であるとの説明から講座が始まりました。

日本の労働人口は減りつつありますが、パーソル研究所の調査によると、それに対する対策として一番主なものは生産性を上げることだと考えられています。日本の労働生産性は世界的に見て低いということはよく知られていますが、2015~2018年の労働生産性上昇率は負の値、即ち生産性が減少しているという事実には驚かされます。

労働生産性は、付加価値/労働量 で計算できます。労働量(時間)を減らせば労働生産性は上がりますが、労働量が減ると、日本の経営者は新しい仕事を入れます。

そうするとまた仕事を効率化して労働生産性を上げる、こんなことを繰り返すうちに、現場で働く人達は労働生産性を上げることを諦めてしまうとのこと。労働生産性を上げても、現場の人には良いことがないのですね。これが日本式経営の一つです。

もう一つの日本式経営は、効率化が実現すると、人を減らすということです。

日本の労働生産性が低い理由をまとめると、付加価値を生み出す力が弱い、一つの仕事に携わる社員数が多い、一つの作業に時間をかけ過ぎている、不要な仕事を産み出している(継続している)、ITへの投入額が少ないの5つだそうです。

本講座の話題は、ITを用いて労働生産性を上げるということです。
労働生産性の向上には、付加価値を上げる攻めのIT化と、効率を上げる守りのIT化の2つがあります。守りのIT化は、手書きの書類をエクセルで作成し、さらにマクロを活用するくらいのことで実現できます。日本の企業は、ITによって省力化、経費削減という守りのIT化ばかり考えて、攻めのIT化のための投資をして来なかったのです。

攻めのIT化は、効果を上げるために時間がかかり、すぐに目に見える効果につながるものではありません。これが日本の企業へのIT導入が遅れた理由です。

IT関係の安価なサービスは増えていますが、その情報を知らずに高い費用を負担できないと誤解している、導入の効果が分からない、従業員がITを使いこなせない等の理由で、導入が進んでいない企業が多いのです。

現在の中小企業の困りごとは、大抵身近なアプリやシステムで解決できるそうです。我々コンサルタントが、世の中で使われているITの事例を知っていて、それを顧客に紹介・提案するか、専門家を紹介すれば、中小企業から重宝されると講師は言います。

キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントだけでは仕事が得られない、何か専門分野を持った上でキャリアコンサルタントを行うということが強みになるとよく言われますが、IT×キャリアコンサルタント が、これからの時代は活躍しそうな予感がしました。
(仲井圭二)

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