【即興詩】2022/11/28「不平不満を 垂れるのです」

もう陽が落ちるのも早いというのに
日中は思いの外暖かく
今日も何を着れば良いのか
面倒な思考に振り回される

大人になればもっと
スマートに 簡単に
いろんな物事を解決できると
思っていたのだけれど

いや まあ
解決はするのだけれど
今ひとつ スマートではない

ただひとつ スマートなのは
手に持っている携帯端末の名前くらい

実際 このデバイスも
何かと面倒なことが多く
スマートと呼ばれることで
スマートなことにしているような気がする

こんなふうに天邪鬼に
不平不満を宣うことも
ああ スマートじゃないな と
また 不平不満を
垂れるのです

昔 毒虫に刺されて痛がっていた私を
助けてくれたあの先輩は
どうしてあんなに 
スマートに見えたのだろう

彼もこんなふうに
スマホの不平を思うことは
あるのだろうか

そうやって思うこと自体も
スマートじゃないなと
また 不平不満を
垂れるのです