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即興詩(散文詩)

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シンガーソングライターが即興で書く詩。 時々これは詩なのか?と思いますが、詩です。 無料で読めます。一日一作が目標。 全作ここに入っております。 月毎のマガジンに整理中。そちらも…
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#眠れない夜に

2021/09/25 即興詩「きたえるということ」

2021/09/25 即興詩「きたえるということ」

きたえる
きたえつづける
いつしか僕らはそれを
青春を彩るものとして脳裏に映し出していた
そんなことはない
きたえつづけるのだ
明日の今を 輝かせるために

こころをきたえる
匂いを感じた時に
いいイメージを持つために

からだをきたえる
こうしたい ああしたいを
形にし続けるために

こころざしをきたえる
初志貫徹は結果であり
志は心の変化とともに 変わるもの

こんじょうをきたえる
根性なしと

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2021/09/22 即興詩「見えない穴」

2021/09/22 即興詩「見えない穴」

しぼみそうな心に
息を入れ続ける
入れているはずなのに
どんどんしぼむ
おかしいな おかしいな

こんな時に頑張っても無駄だと
経験でわかっているはずなのに
小さくなるその心に
何度も何度も
息を入れ続ける
小さくなればなるほど
しぼむ速度は上がる

しまった
もう手遅れかもしれない
穴が空いていた
だからしぼむんだ
息が足りなかったからじゃない
すべて 外に出ていた

その穴を塞ぐのは
ほんの少

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2021/09/21 即興詩「come on, come over」

2021/09/21 即興詩「come on, come over」

きっかけは
向こうからはやってこない
常にわたしが
仕掛けるもの

とはいえ
頭でっかちに
意図的に
起こるものでもない

状態の話をしている
私が今
何を感じていて
何を望んでいて
何を志すのか

1秒ごとに
極々僅かに
変化していくそれを
適切なタイミングで察知していく

疲れたら 眠れよ
疲れるまで 動けよ
動かされるのではなく
動いている自覚を持てよ

動いて 感じて
動いて 感じて
それ

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2021/09/20 即興詩「必ずしも正義ではない」

2021/09/20 即興詩「必ずしも正義ではない」

あなたが大切だと言ってくれる人が
必ずしも正義ではない
言葉よりも
行動をみる

あなたを愛していると言ってくれる人が
必ずしも正義ではない
その愛が何か
確かめたほうがいい

あなたを好きだという人が
必ずしも正義ではない
どこが好きになったのか
意識したほうがいい

あなたを愛した人が
必ずしも正義ではない
今生きているのは
過去のその頃ではない

向こうから近づくということ
どれだけ美味しそ

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2021/09/19 即興詩「親知らず 子知らず」

2021/09/19 即興詩「親知らず 子知らず」

親の想いを
子が正しく理解することはない
どれだけ細かく推察できようと
正しく理解することはない

誰かの気持ちをわかってあげられるとか
簡単じゃないさ
わかったつもりになって
気持ちよく語っているうちは
何にもならない
わたしが 気持ちいいだけ

同様に

子の想いを
親が正しく理解することはない
どれだけ細かく推察できようと
正しく理解することはない

聴くことしかできない
もう 何も出て来な

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2021/09/04 即興詩「追憶のオーバーラップ」

2021/09/04 即興詩「追憶のオーバーラップ」

あんなに鳴いていた蝉の声が
いつしか鈴虫の鳴き声にすりかわり
線香の香りがどんどん薄れ
知らない間に 扇風機が仕舞われている

久しぶりに
熱いコーヒーを入れた
飲み終わる頃には
次なる暖を探すことと思う

そうやって流れていく季節に
だんだん何も感じなくなっていく
夏の終りに感じていた寂しさが
まるで事務処理のように
シュレッダーにかけるものになる

カレンダーに目をやると
時折 ふと思い出す

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2021/09/03 即興詩「すきな言葉」

2021/09/03 即興詩「すきな言葉」

大きな大きな
まあるい円に
たくさんの言葉を書こう
なんでもいいよ
すきな言葉を書こう

その中に書かれた言葉が
君を作る言葉
わたしと君は
同じ言葉を書いていたとしても
まるっきり同じわけではない
そうだよ
同じようで ちがう人間なんだ

もしそこに
きたない言葉があっても
落ちこまなくていい
言葉は
えらぶことが出来る
のぞまない言葉を
使わないことが大切

同じように
だれかとお話しするとき

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2021/09/02 即興詩「はじめの一歩」

2021/09/02 即興詩「はじめの一歩」

いちにのさんで
踏み出した一歩は
その期待とは別のところで
僕たちをいろんなところへ連れていった

こんなはずじゃなかった
そんなこと 死ぬほどある
でも
こんな喜び 思いもよらなかった
死ぬほどじゃないけど
それなりにあるんだ

いちにのさんで
踏み出そうとしている一歩を
押し留める理由はない
未来は決められていないから
僕にだってわからない

価値があると思ったら
そのまま
踏み出す
その後

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2021/09/01 即興詩「また『たら/れば』の風が吹く」

2021/09/01 即興詩「また『たら/れば』の風が吹く」

雨が止んだら
海で泳ぎたい
風が止んだら
キャッチボールをしたい

君が来たら
たくさんおしゃべりしたい
君が笑ったら
きっと僕は 幸せ

もうしばらくは
雨は止んでない
風も止まらない
ずいぶん君に会っていない
君は笑っているのかな

そうこうしているうちに
日は暮れて
僕は少しずつ
干からびていく
そうなる前に
渇きを潤したい

どうにもならないのではなく
きっと何もしていないだけ
出来ること

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2021/08/27 即興詩「僕があなたにできること」

2021/08/27 即興詩「僕があなたにできること」

聞く聞かないは別にしても
あったこと
なかったこと
それを全て一旦受け止めてから
純粋にあなたと向かい合いたい

色々考えたんだけど
僕には多分
それしか出来ないんだ

信じること信じないこと
全ては人の権利だし
義務でないことを
多分もっとみんな知った方がいいし
信じること信じないこと
それを選んでいるのは
あくまで自分であり
「信じてたのに」なんて言葉は
誠に身勝手と
言わざるを得ないという

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2021/08/23 即興詩「いつまでも責めないで」

2021/08/23 即興詩「いつまでも責めないで」

水が流れるように
馬が走るように
気づけばそこには
何も残っておらず
千分の一秒を切り取ったとしても
さっきの私はそこにいないから

いつまでもいつまでも
昨日の私を責めないで
今の私は
どんどん 今の私は
変わってゆくの
あなたもそう
同じことはしていないよ

そんな風にして
おじいさんおばあさんになっても
変わり続けて
この世から去るの
それでいいの
それでいいの

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怒涛のレコ

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2021/08/20 即興詩 「その『いいね』に価値がない理由」

2021/08/20 即興詩 「その『いいね』に価値がない理由」

あなたに好かれるために
なんでもするよ
でも
誰でもいいわけじゃない

愛されたいなら
誰かを愛せよと
古びた言葉を語りながら
試しに省みたら
半分くらいは 真理だと悟る

誰彼構わず愛したとて
その向こうに私がいるのなら
結局それは愛していない
本当にその人を
大切だと思っているか
強制されず
純粋な気持ちかどうか

そうあるべきとは思わない
感じないことを感じようとしても
いいことなんか
何も

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2021/08/19 即興詩 「夏の風物詩」

ふと外に目をやると
セミが落ちていた
どうやら力尽きたらしい
仰向けになって
昨年よりも強く感じる日差しを浴びる

次第に固くなるにつれ
その短い生の終焉を
実感していく

僕たちもきっと
そうやって
固くなって
死にゆくことは避けられない

長さで価値は決まらない
どう過ごすかで価値が決まる
夏になると
セミはそれを全力で教えてくれる

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変わってしまった時代を自分なりに受け入れ

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2021/08/18 即興詩「蜘蛛の生き様」

2021/08/18 即興詩「蜘蛛の生き様」

人が思うよりも
早く編まれるその糸は
私のため
あなたのため
生きるための知恵

じっくりと糸をたどり
ひっそりと獲物を睨む
その緊張感漂う
空間 時間 瞬間は
まさしく生そのもの

その捕食の姿を
残酷に思うだろうか
鉄の板の上で肉を焼く我々が
同じことが言えようか

時間を味わいながら
決して同じ巣は編まない
昨日と今日が
違う道であることを
彼らは知っているから

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大阪で感染

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