高松にうどんを食べに行ったら、まゆげが整った。
どうしてこうなったのか。
旅というのはまあ何が起きるかわからないから楽しいのかもしれない。
今日は、高松で遊んだ。5時着、14時発という意外とタイトなスケジュールだったので、何をしようか必死に考えていた。
ということはもちろんなくいつも通り出たとこ勝負である。
一人旅の良さである。
といっても旅先でやることというのはだいたい決まっている。
その地域の書店に行くこと、そして純喫茶巡りだ。
5時についたので、当然店はやっていない、とおもいきや5時から空いているうどん屋があったので、そこへ行った。
お腹が空きすぎていたので、何も考えず2玉のかけうどんを頼んだ。
だしが香ばしい感じがして、これが香川のうどんか!と唸った。
村上春樹『海辺のカフカ』にそのような表現があって、(道中せっかくなので、海辺のカフカを読み返していた)
関西のうどんでも十分美味いやん、そんな大袈裟な、と僕は思っていたのだが、違うわ。激うまだ。麺はもちもちとして食べ応えがあって、とにかく汁がうまい。ネギだけのトッピングでもう十分なのである。
そりゃ香川の人が県外でうどんは食べないというのも納得である。(これは実際に今日お話しして聞いたことである)
うどん屋しかやっていなかったので、食べ終えたあとは港をうろうろして、日の出を見ていた。
7時にってスタバが開いたのでとりあえず行く。コーヒーを飲みながら、行き交う人々を見ていた。ちょうど駅のホームの上に店舗があって、
電車がやってきては人を吐き出す、というのをぼーっと眺めていたら。そうか今日は平日なんだ、と思い出した。
旅のことをダラダラ書いてもキリがないので、ここからはざーっといく。いやちがう、ちょっとめんどくさいと思ったのだ。旅の終わりで疲れているのだろう。ご容赦願いたい。
うどんをたべ、コーヒーを飲み、モーニングでコーヒーとトーストを食べ、うどんをたべた。もうこの時点でお腹がパンパンになった。
そのあとは、行きたかった「本屋ヌルガンガ」にいって本を2冊買った。荷物の都合で2冊が限界であった。僕の胃袋と同じようにリュックも悲鳴をあげていたのかもしれない。すぐに読みたいと思ったので、近くの喫茶店に入った。
高松を歩いていて思ったこと。
出汁の香りとコーヒーの香りが充満しておる。
ルラボというちょっと値段が高めのオシャレ香水ブランドがあるのだが、そこでは東京、そして京都からインスピレーションを受けた香水を発表している。日本第3弾。高松なんじゃないかな。UDONCOF 37。コーヒーと出汁のマリアージュ。
うどん屋が多いのは当然だろうが、喫茶店の数もかなり多い気がする。
実際アーケードには何件も喫茶店やコーヒー販売店があった。
本当は、昼は、骨付鳥を食べようと思ったのだが、もう苦しい。
コーヒーももうきつい。
そんなことを考えながらアーケードをうろうろしていたら、メンズまゆげサロンを見つけた。
観光地でまゆげサロンに行くのは、なかなか楽しそうだと思った。そしてお腹に何も入れなくて済む。
時間が潰せそうだと思ったので、予約したらすぐに対応してもらえた。
かくして僕は、高松で、まゆげを整えることになった。
サロンのイケメンのお兄さんに経緯を話すと、びっくりしていた。僕もびっくりしているのだからしかたがない。このイケメンのお兄さんが、県外ではうどんは絶対に食べないと言っていた。
僕も東京では卵焼きは食べない。関西の卵焼きとあまりにも味が違ってびっくりしたのだ。話が逸れた。
まゆげサロン、めちゃくちゃいい。
まゆげがきれいに整って、ぼくはイケメンにまた一歩近づいたのである。
一歩近づいたのは、紛れもない事実であるが、ゴールがどこにあるのかはわかっていない。
だからといって、その一歩が無駄になる、ということがあっても良いのだろうか。否。
それにしても、最近はいろんなことをしている。
カメラ、占い、そしてまゆげ。
僕は、いつのまにか、新しい体験をしないと死ぬ呪いをかけられたのかもしれない。
来週はいよいよゲストハウス宿泊で、ああどきどきするなあとか考えていたのだが、もはやなんということもない気がしてきた。
これが2週間前。展開が早すぎて、連載打ち切り直前の漫画みたいではないか。
いやだなあ。もうすこし落ち着いて生きようと思う。
旅は、良い。
いい意味で、自分を解放できる。
それでもバンジージャンプだけはやらないと決めている。