”ゴール”を知らない営業マン
取引先の若い営業マンから、面談したいと連絡がありました。
「今日は込み入ってご相談があるんです」
世間話も手短に、「新規事業の商品を販売するために、上司からノルマを与えられてまして、、、見積もりだけでも、見てもらえますか?」
そう言うので、渡された見積書をざっと眺めます。
今のところ不満もないので、丁重にお断りしました。
すると、「あっそうですか!今日は貴重なお時間ありがとうございました。」と帰ろうとしています。
あっけにとられた私に向かって、
「これでノルマが1つ達成されたので大丈夫です!」
そう言って、彼は去っていきました。
ノルマをこなした彼
彼が言うには、上司から与えられたノルマは『より多くのお客様に見積もりを提出すること』。
もし、そうであれば、彼は間違いなく上司から与えられた”ノルマ”を1つ達成しました。
しかし、明らかに間違った方向に力を注いでいます。
上司に言われたノルマをこなすことだけに集中して、大事な本質を見失っています。
ノルマを与えた上司
では、彼にノルマを与えた上司が間違っていたのでしょうか。
上から言われる”売上UP”のために、新規獲得をするにはどうすればいいのか。それを部下にどのように実行させればいいのか。
より具体的に、効率よく、新規獲得のための行動に落とし込んだ結果、より多くのお客様に『見積もりを提出すること』が売上UPにつながると考えたのだと思います。
しかし、本来の目的である売上UP、つまり、『会社がお金を儲けるため』という”企業のゴール”を見失った状態で部下に伝わっています。
ゴールを共有すること
このように、もったいない現象が今日もどこかで発生しています。
これを解決するためには、正しい”ゴール”の共有です。
『見積書を提出すること』は、ゴールへの”プロセス”であって、目的でもノルマでもありません。
”お金”という利益を出して、今よりももっと多くの利益を稼ぐために、どうやってアプローチするのかを一人ひとりが考える必要があります。
上司は、部下がそんなこと理解できないと”過小評価”し過ぎているのかもしれません。
まとめ
私のところへ見積書を持って来た彼とその上司は、ゴールの共有ができていなかったのではないでしょうか。
見積もりを見てもらって終わりなんて”ゴール”はありません。
きちんと共通のゴールを持つことで、彼はもっと違った方法でアプローチしていたのではないかと思うと、もったいないなと思います。
そんなことを考えている自分も、日々の行動が全て会社のお金、利益のためになっているかといえば、そうではありません。
どこまで考えて行動しているかで、結果は大きく異なります。
ゴールを知ることがスタートです。
ありがとうございます!