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QA組織立ち上げ奮闘記〜想いが人を吸い寄せる〜

はじめまして!マネーフォワードで人事労務領域(以下HR)のQAエンジニア(品質保証)をしています、森田(写真右)です。

今回は、HRでQA組織をゼロから立ち上げた黒沢さん(HR開発組織の部長、写真左)に、突撃インタビュー!
QA組織立ち上げの裏話や、私が入って変わったことはあるのかを聞いてみました(ドキドキ)。

QAエンジニアとして活躍されている方々や、これからQA組織を立ち上げようとしている方々の、少しでも参考になれば幸いです。

QA組織を立ち上げるにあたり、想いを明文化した

森田:まず最初に、どういう経緯でQA組織を立ち上げることになったんですか?

黒沢:1,2年ほど前から、品質担保の取り組みが必要だよね、という話にはなっていたんです。ただ、どうしても目の前の機能開発の優先度が高く、なかなかリソースを割くことができていませんでした。

森田:何かきっかけがあったんですか?

黒沢:今年2021年には『マネーフォワード クラウド人事管理』や『マネーフォワード クラウド年末調整』のリリースを予定しています。プロダクトのラインナップが増えていく中で、複数のプロダクトを跨いだ品質管理や、ユーザー規模が大きくなるにつれて、性能の検証も必要になってきます。新プロダクトのリリースも決まっていく中で、2020年の11月に、QA組織を立ち上げることを意思決定しました。

森田:実際にQA組織ができたのが2020年12月でしたよね?思っていたより短期間でびっくりしました。短い時間でどのように、実現していきたいことや、どういう取り組みをするかを決めていったのですか?

黒沢:自分自身が自社サービスにおけるQAの経験はなく、そもそもQAとは?という点もわかっていなかったんです。そこで、どういうことを考えていくべきなのか、どういう方法があるのかを社内の別領域のQAの方にヒアリングしたり、社外で情報収集しました。ネット記事はかなり漁って読みましたね。

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QAの取り組みの方向性には色々あって、正解がありませんよね。
得た情報を分解して整理するのが自分としてはしっくりきましたね。ここは我々でもやるべきだとか。

加えて、自分の想いを明文化しました。

・QAにテストを任せるわけではない。
・品質を開発チームみんなで作りあげていく。
・品質向上、良いサービスを提供するために、役割を限定せず何でもやることが大事。

この3点は、早い段階から心に決めていました。
ただ、最初は、何から手をつけたら良いのか分からず、手探りの状態でしたね。

森田:最初はどういうことをされたんですか?

黒沢:QAとしてサポートできることを、まずは始めてみよう!ということで、『マネーフォワード クラウド給与』のとある案件で、初めて上流工程からサポートしました。ちょっと複雑な機能で、サポートが必要な若手エンジニアの案件を選んでみました。

さっき、開発チームと一緒になって品質を上げていきたいと言ったじゃないですか。なので、こちらでテストケースを考えるのではなくて、本人にしっかり考えてもらえるように、テスト観点のアドバイスをしたり、こういう風にタスクを進めた方がいいよね、という開発プロセスの話もしました。

かっちりと開発プロセスや成果物の定義をしたのも初めてだったので、レビューが何往復もしましたし、手戻りも発生しました。
そんな中でも、品質を担保するために必要なことってテストケースを作ることだけじゃないんだな、複合的な要素があるんだな、ということを改めて実感しました。

振り返ってみると、仕様の策定時からQAが入ることで、実装での手戻りはなかったです。
開発エンジニアにとっても、多くの学びがありましたし、自分が考えていたQA像が間違っていないということを実感することができました。

森田:その案件は、どんな人がどんな役割で携わっていたんですか?

黒沢:携わっていたのは、プロダクトマネージャー、開発エンジニア、QAです。

細かい仕様のレビュー:プロダクトマネージャー
実際の仕様策定、実装:開発エンジニア
テスト観点、開発プロセスの観点からのサポート:QA

という感じで役割を分担しました。


森田:やったことないことの組織を作って人を採用するのって、とても難しいですよね!(尊敬の眼差し)

黒沢:経験がないからといってできないというのではなくて、できるためにはどんな情報が必要かを考えていけば、方針も見えてくるし、自分の想いも見えてきて、進めやすくなると思います。

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想いには人を吸い寄せる力があった

森田:最近、採用活動に携わっていて思うのですが、QAエンジニアの採用って大変ですよね?

黒沢:QAエンジニアの人口が少ないこともあり、大変ですね。幸運なことに組織立ち上げのタイミングでは、とても早くメンバーを見つけることができました。
面接では、HRのQA像と候補者のQA像や方向性、マインドがマッチしているかを重視しています。

森田:私自身も、面接を通して、QAの理想像やビジョンが同じ方向だったことが、入社を決めた理由の一つです。
自分の夢である「QAがいなくてもエンジニア自身で品質を担保して製品をリリースできる状態」を目指していろんなことにチャレンジできる!と、とてもワクワクしています。

自分で聞くのもアレなんですが、2月に私が入社して、何か変わりましたか・・・?

黒沢:まず、純粋に同じ想いの人が増えて嬉しかったです!あと、やれることが増えてスピード感が増しましたね。着実に実行に移してくれてるし、着実に前に進んでいることを実感してます。

森田:(良かった。ホッ。)想いには人を吸い寄せる力があるんですね!!

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啓蒙活動、品質の可視化、自動化に注力していきたい

黒沢:なんだか僕ばっかり話してきたけど、森田さんは入ってみてどう?どのあたりを強化したいとかありますか?

・QAに関する啓蒙活動
・品質の可視化
・テスト自動化の推進

森田:まず、QAの啓蒙活動を続けていきたいですね。開発エンジニアの方と話して感じたのは、組織を立ち上げたばかりなので、少なからずQAを宇宙人(何者で、何をするのかわからない存在)だと思っている人がいるということです。QAとは、品質とは、ということを継続的に発信していきたいです。

2つ目は、品質の可視化。品質のメトリクスってたくさんありますが、どういう品質のどういうレベルを目指しているのかと、今自分たちはどの辺にいるのかを可視化したいと考えています。「品質」という言葉にはとても多くのニュアンスが含まれていて、発言者によって指している内容が異なることも多いです。社内で会話をするときに同じ指標・言葉で品質について議論ができるよう、まずは可視化をしていきたいと考えています。

3つ目は、テスト自動化の推進。すでにRSpecやJestといったテストフレームワークを利用して単体テストの自動化は行っています。一方でテストの内容についてはエンジニア自身に任されています。個人に任されていることは悪いことではないのですが、HR全体で考えたときに、基準のようなものがあれば内部品質の底上げになるのではないかと考えています。
E2Eテスト(※)の自動化についても、一部のプロダクトのみで実施している段階です。やみくもにテストスクリプトを増やすのではなく、開発プロセスの迅速化のための自動化を意識して推進していきたいです。

黒沢:立ち上げ当初より、さらに視点が広がってきましたよね! 引き続き、よろしくお願いいたします!

※End to Endテストの略。システム全体が正しく動作することを確認するテスト。実際のサーバーとブラウザを立ち上げ、ユーザーが利用するのと同じような状態で操作を行うテスト。


さいごに


最後までお読みいただき、ありがとうございました!QAエンジニアとして活躍されている方々、これからQA組織を立ち上げようとしている方々にとって、少しでも参考になったのであれば嬉しいです。

HR領域のQAグループでは、まだまだやりたいことがあって、パワーが足りていません!ビジョンに共感していただける方と、ぜひ一緒に爆速前進していきたいです!まずはお話だけでもしてみませんか?


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